「sitranaのはなし」第4回は「エシカルであること」。
「エシカル(Ethical)」とは本来「倫理的、道徳上」という意味ですが、ここ数年は「人や社会、地球環境などに配慮した考え方や行動」を指す言葉として使われています。
ブランド立ち上げ時から取り組んできたsitranaのエシカルな活動について、開発担当の奥村と杉本が語ります。
sitranaを通じ、想いを馳せて欲しいこと
ー2015年の国連サミットで採択されたSDGs17項目の全てに、直接的・間接的に関わる「フェアトレード」。
開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目的とした「公平な貿易」の仕組みを指します。
国際機構による基準をクリアした原料や製品は「国際フェアトレード認証」を受けることができます。
「カカオやコーヒーなど、食品のフェアトレードは徐々に取り組みが進んできていますが、相対的に化粧品業界の歩みが遅いのを感じています。植物由来の成分を多数扱うにも関わらず、フェアトレード認証を受けた原料はほとんど流通していないのが現状なんです」(杉本)
ーその厳しい状況の中、sitranaはフェアトレード認証を持つ原料を調達し、商品開発を行ってきました。
「マダガスカル産のシカ*1(ツボクサ)がその一つ。シカの選定にあたっては、厳選した品質であったのはもちろんですが、エシカルな生産を行っていたのも採用要因として大きかったです。このシカがフェアトレードよりさらに先に進んだ認証を受けていたのも理由のひとつですね」(奥村)
ーフェアトレードよりも先に進んだ、とは「ビオフェアトレード」のこと。
生物原料の流通に関する倫理組合「UEBT(Union for Ethical Bio Trade)」に認められた、エシカルな原料調達を指します。天然資源の持続可能な調達と利用、生物多様性の保全、利益の公正な配分といった基準を定めています。
「原料が作られる土地、環境、人。
そこに利益が還元される仕組みの有無。sitranaをきっかけに、そういったことに想いを馳せる方が増えていくと嬉しいですね」(杉本)
「sitranaを通じたビオフェアトレード原料との出会いがマダガスカルの学校建設や学童支援へとつながり、持続可能な開発貢献の一端を担うことができている事実に、喜びを感じています」(奥村)
パッケージから原料調達まで、全てのプロセスに心配りを
ープレミアアンチエイジング(株)が展開するブランドの外箱パッケージは、適切に管理された森林の木材を使用して作られた「FSC®認証用紙」を使用しています。
また、商品をお取り扱いいただいている一部パートナー店舗に回収ボックスを設置して使用済み容器を回収し、それらをプラスチック素材に再生し、新たな原料としてリサイクルする取り組みも行っています。さらに『グリーンナノ技術』を導入し、今後は徐々にこの技術を取り入れた容器の採用や、「リサイクル可能」「生分解可能」「リユース可能」な環境への負担を少なくした容器包装を実現できるように検討中です。
ー会社としての取り組みに加え、sitranaがこだわりを持って行なっていることもあります。
「シカ リペアクリーム※は商品の特性上、遮光効果のあるアルミチューブを採用していますが、リサイクル性にも優れ、CO2排出量の少ないアルミニウムを圧着したものを採用しました」(杉本)
ーさらに、パッケージ以外でこんな取り組みも。
「シカはマダガスカル産ですが、sitranaの商品に配合しているのは、植物由来の国産成分がほとんど。肌にも環境にも配慮した結果です」(奥村)
ーそれは山梨県のモモの葉から得られるモモエキス*2(シカプロテクト クレンジングバームに配合)だったり、長野県のブドウから得られるクロノシャルディ®*3(シカリペア ナイトスリーピングマスク※に配合)だったり。
「もちろん、機能性に関してエビデンスのある原料を使用しています。
ただ、どんなに良い成分でも原料を生産する過程で生態系を崩す、過度な採取になってしまうのはエシカルじゃない。
そこで、ラボで植物細胞を培養し、機能的成分を抽出した原料などを意識して採用しています」(奥村)
「エシカルであること」が「美しくなること」につながるブランドに
ーsitranaとしてはもちろんですが、奥村・杉本両名ともに個人でもエシカルな取り組みをしています。
「買い物をする時はその後に排出されるごみをイメージします。
なので、無駄な買い物はしなくなったし、華美な包装も避けるようになった。
ペットボトル入りの飲料も買わなくなりました。
自分の行動がどう環境に影響するのか、考えるクセがつきましたね」(奥村)
ーごみや容器に関わることはもちろん、界面活性剤の使用後に生ずる排水の影響やエネルギー消費の問題まで、2人の話は尽きません。
そんな両名が口を揃えて言うのは「日常の積み重ね」ということ。
「例えば、電気をこまめに消す。
これってとても簡単なことだけれど、ちょっとずつでも無駄を省く行為を“続けること”が重要だと思うんです。意識や環境を劇的に変える必要はなくて。
日々の心がけを連綿と続けることだけでも、エシカルに繋がるんじゃないかな、って。
スキンケアも毎日のことですよね。
だからこそ、容器や成分にも気を配る必要があるんです」(杉本)
ーでは、sitranaが今、具体的に目指していることは?
「機能的エビデンスのある植物性培養液を積極的に使用することで、生態系へもっと配慮したいな、と考えています。
あとは容器の一部を再利用し続けられるようにしたいですね。
『エシカルであること』が『美しくなること』につながるブランドでありたいです!」(奥村・杉本)
*1 ツボクサエキス(整肌成分)
*2 モモ葉エキス(整肌成分)
*3 ブドウ果実エキス(整肌・保湿成分)
※「シカプロテクト クレンジングバーム」「シカリペア エッセンス」以外の商品は現在お取り扱い終了しております
開発者プロフィール
奥村多恵(おくむら・たえ)
sitranaブランドの生みの親。 15年のキャリアにおいて食品から化粧品まで多くの商品企画・開発に携わり、プレミアアンチエイジングにてイチからsitranaブランドを立ち上げる。
杉本那穂子(すぎもと・なほこ)
ナチュラル・オーガニック化粧品メーカーにて商品企画、ブランディング、品質管理業務に携わり、2020年7月よりプレミアアンチエイジングに参画し、sitranaの商品企画開発を担当。
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