メラニンとは?シミのメカニズムと対処方法を紹介

女性の肌悩みで常に上位に位置するシミ。あれこれ試したけれど、効果はイマイチ……という方も多いかもしれません。

シミとは、肌の中で過剰に生成されたメラニンが原因で起こるもの。まずは、メラニンとシミの関係を知ることが、シミのない美肌を手に入れるカギになります。そもそもメラニンとは何のために作られているのでしょうか。

今回は、シミができるメカニズムやシミ・そばかすを防ぐ方法、効果的な対策についてご紹介します。

メラニンとは

メラニンとは、肌や毛髪、瞳の色を決定づける色素です。私たちの髪が黒いのも、目の色が黒く色づけられているのもメラニンの存在があればこそ。
メラニンはシミの原因になるといわれているため悪者にされがちですが、実は紫外線から肌を守る重要な役割を担っています。

紫外線を長時間浴び続けると、肌の細胞核のDNAが傷つけられ、皮膚がんなどに発展する可能性があります。
日焼けをして黒くなるのは、紫外線を浴びたときに皮膚がメラニンを作って、細胞を守ろうとするからです。

メラニンの種類とは

メラニンには、ユーメラニンとフェオメラニンの2種類があります。前者は褐色~黒色のメラニン、後者は黄色~赤色のメラニンです。

私たちの肌の色は、黒人(African)の黒色、アジア人(Asian)の黄色、白人(Caucasian)の白色の3つに大きく分類されますが、これもユーメラニンとフェオメラニンの比率で決まります。

例えば、私たち日本人の髪が黒いのは、ユーメラニンの割合がほとんどだからです。黄色のフェオメラニンが多いと金髪に、赤色のフェオメラニンにユーメラニンが混ざると赤毛になります。

シミのメカニズム

紫外線を浴びると、表皮の奥にある「メラノサイト」と呼ばれるメラニンの生成工場がメラニンをせっせと作り出します。メラノサイトから作られたメラニン色素は、サングラスや傘のような役割をして、紫外線のダメージから皮膚の細胞を守ろうとします。

通常、メラニンは肌の新陳代謝によって古い角質とともに排出されますが、紫外線をたくさん浴びすぎてメラニンが過剰に生成されると、体外への排出が追いつかなくなります。それが肌表面に蓄積し、色素沈着を起こしたものがシミの正体です。

色素沈着の種類別の対処法

一口に色素沈着といっても、シミやそばかす、炎症によるものなど、さまざまな種類があります。いずれも共通しているのは、紫外線が原因であること。紫外線対策がケアのポイントになります。

シミ

シミの中でも一般的な老人性色素班は、主に紫外線の影響で生じるシミです。

境界線がはっきりした茶褐色の色素斑で、日光に当たりやすい顔や手の甲、腕などに多く見られます。日焼け対策を万全にすることが重要です。

もし左右対称のシミが見つかったら、肝斑かもしれません。肝斑は女性ホルモンのバランスの乱れが原因とされています。紫外線とともに不規則な生活や睡眠不足も誘因になるため、生活習慣を見直すことも大切です。

そばかす

雀(すずめ)の卵の模様に似ていることから雀卵斑とも呼ばれています。

1〜4mmほどの小さな斑点で、目の下や頬骨、鼻の下あたりに左右対称にできるのが特徴です。幼少期から発症することが多く、遺伝的な要因が大きいと考えられています。
紫外線の影響により年齢とともに濃くなっていく傾向にあるので、悪化を防ぐには日頃の紫外線対策が肝心です。

炎症

やけどやニキビ、虫刺され、かぶれ、切り傷など、さまざまな原因で皮膚に炎症が起きたあと、色素沈着を起こして皮膚の色が濃くなることがあります。通常は時間が経つと自然に消失しますが、紫外線の影響やターンオーバーの乱れにより、長期にわたって残る場合もあります。

摩擦によって悪化するので、ゴシゴシとこするようなスキンケアはNG。肌に触れるときは、やさしくタッチすることを心がけましょう。

メラニンの沈着を防ぐ方法

シミを防ぐには、メラニンの生成を抑えるとともに、できてしまったメラニンの排出を促すことが大切です。

紫外線対策

紫外線を浴びれば浴びるほど、皮膚を守るためにメラニンが過剰に生成されてしまいます。しっかり紫外線対策をして、新たにメラニンを作らせないようにしましょう。紫外線は季節や天候を問わず1年を通して降り注いでいます。室内にいるときも軽いつけ心地の日焼け止めを塗るなどして、しっかりUV対策をすることをおすすめします。外出時には、日焼け止めにプラスして、つばの広い帽子や日傘、サングラスなどを活用するのも効果的です。

メラニン対策

メラニンは、もともとは「チロシン」という無色透明のアミノ酸です。しかし、酸化酵素「チロシナーゼ」と呼ばれる酸化酵素の働きで酸化が進んでしまうと、やがて褐色〜黒色のメラニンに変貌を遂げるのです。この酸化したメラニン色素を無色に還元することで、シミを薄くできるのではないかと考えられています。メラニンの還元を促すには、ビタミンCが有効です。ビタミンCは、ビタミンC誘導体として化粧品に使われています。

ターンオーバーを促す

メラニン色素がいつまでも皮膚の表面に留まっていると、シミの原因となります。そこでターンオーバーを正常な状態に整えて、メラニンの排出を促すことで、色素沈着が起こりにくくなります。ターンオーバーが乱れる原因として、加齢や生活習慣の乱れ、間違ったスキンケアなどが挙げられます。ターンオーバーのリズムを整えるには、規則正しい生活や栄養バランスのとれた食事が欠かせません。また、クリームを使ったマッサージやお風呂での蒸しパックで血行を促進することで、新陳代謝を活性化する効果が期待できます。

美白有効成分入りの化粧品がおすすめ

どんなにUV対策をしても紫外線を完全に防ぐことはできません。そのため、肌の中でメラニン生成を防ぐことが必要です。美白有効成分が配合されたスキンケア化粧品を使用することで、メラニンの生成を抑えて、日焼けによるシミやそばかすを防ぐ効果が期待できます。

シミ・そばかすにおすすめの美白成分

そうはいっても、どんな美白成分を選んだらいいのかわからないという人も多いかもしれません。
そこで、おすすめの美白成分をご紹介します。

ビタミンC誘導体

ビタミンC誘導体とは、不安定なビタミンCの安定化を図り、肌に浸透しやすくしたものです。メラニン生成に必要なチロシナーゼの活性を抑制する作用があります。また、生成されたメラニン色素を還元して無色化する働きも持っています。

アルブチン

コケモモや梨などにも含まれている成分で、チロシナーゼの働きをブロックし、過剰なメラニン生成を抑えて、日焼けによるシミやそばかすを防ぐ効果があります。

グリチルリチン酸2K

漢方薬の原料でもあるカンゾウ(甘草)の根からとれる成分です。抗炎症作用があり、肌荒れやニキビなどの炎症を抑えます。

色素沈着の改善に効果的な食品

シミを改善するには、体の外側だけでなく、内側からのケアも大切です。色素沈着を改善したいと思ったら、次のような成分が含まれた食べ物を意識して摂るようにしましょう。

ビタミンC

化粧品にも含まれているビタミンCは積極的に摂りたい栄養素です。ピーマンやブロッコリー、キウイフルーツなどのフルーツや野菜を積極的に食べましょう。

β-カロチン

皮膚や粘膜の健康を維持します。ニンジンやブロッコリー、カボチャなどに多く含まれています。

ビタミンE

抗酸化作用が高く、血行を促す作用があります。アボカドやアーモンドなどのナッツ類に含まれています。

L-システイン

メラニンの生成を抑え、体外への排出を促す働きがあります。大豆や小麦などに多く含まれている成分です。

ビタミンB2

代謝を促進し、細胞の再生や健康な皮膚の成長をサポートする働きがあります。卵や乳製品、うなぎなどに含まれています。

まとめ

メラニンには、私たちの体を紫外線から守る働きがありますが、シミを作る元凶でもあります。

紫外線を防ぐためには、メラニンの生成を抑えることが重要です。化粧品による外からのケアにプラスして、体の内側からのケアで、メラニンの活性化を防ぎ、シミのない透明感のある美肌を目指しましょう。

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