洗顔料とボディソープの違いって?

洗顔料とボディソープの違いって?

ボディソープは、洗顔料とは用途が違います

毎日のスキンケアで全身を洗う際に肌の部分、顔と体については何を使っていますか?自宅の浴室や洗面台には、どんなボトル、チューブやケースが並んでいるでしょうか。

  • 顔には洗顔料、全身にはボディソープとそれぞれ使っている
  • あまり時間をかけられないので、全身用のシャンプーを使っている
  • 顔も体も入浴の際にボディソープで十分
  • 顔も体も固形石けんで洗ってさっぱりしたい

などに分けられると思います。

その日の気分によって何種類かの使い分けや、家族がそれぞれの好みもあることで、棚にはさまざまな種類の容器が置かれているかもしれません。

さて洗顔料とボディソープは、同じ皮膚を洗うものなのに、どうして別々の製品になっているのでしょうか?

どちらの商品もたくさんの種類が生産されており、ドラッグストア・スーパー・百貨店などには、たくさんの商品並べられています。

同時にポスターやPOPで商品の機能について説明が添えられており、機能や効果が説明されています。テレビコマーシャルやインターネット広告等でも盛んに宣伝されていて、興味がわきますね。

このように普段、選び使っているボディソープについてみていきましょう。

体の洗浄料の歴史

古代は、川や池で水を浴びて体を洗っていました。宗教的に「けがれ」から逃れるために、水を浴びて「浄める」習慣もありました。

奈良時代には仏教の伝来により、沐浴の教えで温浴の習慣が広まります。

その後に平安中期に白い肌はすなわち美人という概念がありました。上流階級の女性は、小豆の粉で作った洗浄料を使って、美しくみせるため髪や顔を洗っていたと考えられます。

江戸時代の庶民の間では、顔や体を洗うときの洗浄剤として、ぬかの粉・ヘチマ・ウグイスの糞・豆の粉など使われています。

素材の中の洗浄効果や美容成分をみつけ、洗浄料として使っていました。肌を清潔にして美しく保とうという意識がすでにあったのです。

さて石けんが日本に入ってきたのは安土桃山時代です。ポルトガルから南蛮船で運ばれてきて、「シャボン」と呼ばれるものでした。

当時、石けんを手にすることができたのは大名など一部の人に限られていました。

石けんの登場から液体のボディソープへ

石けんの登場から液体のボディソープへ
明治期になると、日本でも固形石けんが生産されるようになることによって、多くの石けん製造業が登場します。たくさんの製品が出回り、石けんは日本人に広く使われるようになります。

石けんは、日本の文明開化のシンボルでもあったのです。以前は固形石けんで、体はもちろん、洗顔、そして洗髪も行っていました。

しかし「より美しく、使用感がよく」とメーカーが競って製品の研究開発をしていくなかで、それぞれの部位に特化した、専用の洗浄剤が生産されようになりました。

シャンプーの登場

1930年代には液体シャンプーが登場します。1950年代には、今一般的にあるような、石けん原料ではないシャンプーが販売されました。

洗い上がりに髪がきしまず、手触りのよい液体シャンプーはみるみる広まっていきます。

洗顔料の登場

1930年代後半に洗顔用の石けんが販売されて以降、多種多様化していきました。1960年代半ばに、固形ではないクリーム状の洗顔料が販売されます。

当初の洗顔料は、石けんをベースにした弱アルカリ性ですが、その後、中性や弱酸性のものがつくられ、「より肌に優しい」といわれるようになりました。

1980年代に入ると、チューブに入ったペースト状の、いわゆる「洗顔フォーム」が登場します。今では洗顔料には、液体・固形・ペースト・ジェル・クリーム・パウダー状のものなどさまざまな形があります。

もとの肌のタイプにあわせ、洗い上がりも「しっとり」「さっぱり」などにつくられています。

保湿のための美容成分や、ニキビ予防のための消炎剤が配合される等、洗浄以外の付加価値も求められています。古い角質を取り除くために、スクラブや酵素は含まれたものもあります。

ボディソープの登場

1970年代の前半に、液体のボディソープが販売されます。当初はなじみが薄かったものの、徐々に受け入れられていきました。

1990年代後半には、ボディソープの販売量が、固形石けんに追いつきます。その後はボディソープが伸びる一方で、石けんの販売量は減少していきます。
家庭では固形石けんに変わって、ボディソープが使われるようになりました。石けんは小さくなってくると泡立ちが悪くなったり、形が崩れたりして扱い方が難しいものでした。

一方でボディソープは、スポンジやナイロンタオルを使うことで泡の立ち方と伸びがよくなり、短時間で体を洗うことができる点が便利で斬新でした。

「お風呂で体を洗うもの」といって思い浮かべるものが、年齢によって固形石けんかボディソープか、意見が分かれるかもしれません。

固形石鹸と比べ、管理しやすく扱いやすいボディソープは、シャンプーやリンスと同様に、温泉浴場やホテルなどでも広く受け入れられていきます。
浴場や浴室に備え付けのボディソープは、足りなくなったらその分をボトルに補充すればよいからです。

容器に入っており、使用時には必要量だけ出てくるようになっているので、いろいろな人が触れたり、水がかかってふやけたりしてしまう石けんより衛生的です。

このように今では、液体のボディソープが多数派になっているようです。しかし石けんを見直す新しい動きもあります。

ここ数年、1個500~1,000円程度の中価格帯の洗顔用石けんが伸びているそうです。美容成分を配合し、付加価値を高めたものです。
通販会社が出している2,000円のものもよく売れています。

生まれたときからボディソープを使っている若い世代の間でも、固形石けんが選ばれています。色彩や透明感、形状などかわいらしい外観や香りが、ファッションとして受け入れられているようです。

子育て世代や働く女性の間では、子供用や敏感肌用の、無添加や低刺激といった安全性も重要視されています。

最近ではインターネットやクチコミの影響もあり、固形石けんは新しい視点で注目され、今後も伸びていくでしょう。

ボディソープの成分

ボディソープの成分
ボディソープの成分は、石けん系のものと、石けん以外の界面活性剤でできたものとに大きく分けられます。

石けん系のものは、固形石けんと同じように弱アルカリ性で、そのほかの界面活性剤のものは中性~弱酸性のものが多くなっています。

よく、「肌自体が弱酸性、だから中性や弱酸性の洗浄料はマイルド、弱アルカリ性の石けんのものより肌に優しい」という声をききます。
「肌にもともとある、皮脂や汗などの肌の汚れが弱酸性だ」ということからきているのですが、実際どうなのでしょうか?ちょっと見ていきましょう。

中性や弱酸性のボディソープは、肌の弱酸性の環境にて、そのままの強い洗浄力で肌を刺激しています。そのほかに添加された成分の影響もあり、肌に残って負担をかけ続けます。

一方で弱アルカリ性の石けん成分が弱酸性の肌に触れると、中和されて洗浄能力が強過ぎることなく、適度に抑えられます。
弱アルカリ性の石けん成分は、水に溶けると薄まって洗浄力がなくなり、洗い流されます。すると肌は中性になり、のちに皮脂や汗が分泌され、弱酸性に落ち着きます。

このように弱アルカリ性の石けん成分のボディソープを使ったことで、肌がアルカリ性のままということにはなりません。むしろ敏感肌や乾燥肌の人は、石けん成分のボディソープを選んだ方がよいでしょう。

洗濯用や台所用の洗剤と異なり、ボディソープ・シャンプー・ハンドソープなどの化粧品系の製品には、ベースが石けんか合成洗剤かを区別する品質表示がありません。

成分表示を見て「石ケン素地」「カリ石ケン素地」とあれば、石けん成分でできたものなので、よく確認しましょう。

ボディソープの特性

ボディソープの特性
ボディソープと洗顔料とでは、成分に違いがあります。ボディソープは皮膚の厚い部分、皮脂や汗の多い部分を洗うために、洗顔料と比べて洗浄成分が強めになっています。

汗や皮脂のにおいを抑えるための殺菌剤、湯上りに清涼感を与えるメントール、肌のベタつきを抑えるパウダーなどが含まれているものもあります。

香りがつけられているものは、バスタイムのリラックス効果が期待でき、残り香が楽しめます。

もちろん、敏感肌用の無添加・無香料で皮脂を取り過ぎないものもあり、さまざまな種類の製品から選ぶことができます。

全身に使える洗浄料

全身に使える洗浄料
髪には頭髪用のシャンプー、顔には洗顔料、体にはボディソープや石けん…というように使い分けている人がいる一方で、全身に使える全身洗浄料というものがあります。

「全身シャンプー」とも呼ばれているもので、これ1本で洗髪、洗顔、ボディウォッシュを済ませることができるのです。

朝の外出前に全身を洗いたい、スポーツクラブなどで終了後にシャワーを浴びたい、バスタイムを短時間で済ませたいなど、手早く体を清潔にしたい人によく使われています。
洗面台や浴室にデザインの異なる容器が何本も並ぶのがイヤ、旅行先に持っていくのに便利、などという場合にも選ばれるようです。

さまざまな特徴の製品が販売されているので、使う人の肌タイプや求める効果によって選ぶことができます。

女性には保湿効果が重視され、洗い上がりがしっとりするもの、男性用はさっぱりとした使用感で洗浄力が強く、ヘアワックスまで洗い流せるものもあります。

赤ちゃんや子供のためのベビー用や敏感肌用では、低刺激・無香料・無着色・アレルギーテスト済みなどの対応がとられた製品もそろっています。

(まとめ)ボディソープは洗顔料とは用途に違いがあり、それぞれの製品になりました

1.石けんの登場から液体のボディソープへ
2.ボディソープの成分
3.ボディソープの特性
4.全身に使える洗浄料の登場

国内で石けんが製造され始め広まった当初は、皆が石けんで全身を洗っていました。のちに髪にはシャンプー、顔は洗顔料、体にはボディソープとそれぞれ開発されて、今日のように使い分けています。

ボディソープはさまざまなタイプの製品が販売されているので、肌質・目的・好みなどにあわせて選び、健康的な生活を送りましょう。

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