肌荒れの原因とは?症状別の対処方法を紹介
季節の変わり目や生理前などに起こりやすい肌荒れ。しかし、仕方がないとあきらめるのは早計です。肌に良かれと思ってやっていることが肌荒れの原因になっているケースも少なくありません。
肌荒れを改善するためには、まずは自分の肌荒れがなぜ起こったのかを知り、良くない習慣を改めることが大切です。ここでは、肌荒れの症状から原因、対処法、予防する正しいスキンケアまで、詳しく解説します。
肌荒れの症状とは
健康な肌は、ターンオーバーが正常に行われ、細胞が規則正しく生まれ変わることで、キメが整い、皮膚表面が滑らかです。適度な水分やコラーゲンなどで満たされ、みずみずしさと弾力があります。
肌荒れとは、何らかの理由で肌のキメが乱れて、トラブルが生じた状態です。初期の症状として肌のカサつきやつっぱり感を感じます。肌のうるおいを保つバリア機能が低下して、乾燥してキメが粗くなり、毛穴が目立つようになります。肌に触ると硬くなって、ゴワゴワしていることに気づくかもしれません。
さらに乾燥が進むと、皮膚の保護作用で皮脂が過剰に分泌され、かゆみや赤みが出て、ニキビや吹き出物ができることもあります。
一口に肌荒れといっても、症状は人によって千差万別です。症状が一つだけのこともあれば、複合的に出る場合もあります。
初めはたいしたことではないように思えるかもしれませんが、軽く見るのは禁物です。症状が悪化すると、湿疹などの皮膚炎に発展したり、慢性的にトラブルを抱える敏感肌に陥ったりする可能性があります。
紫外線や花粉、大気汚染などの外的刺激、季節の変わり目による気温や湿度の変動、ストレスなどによって、私たちのデリケートな肌は常に肌荒れのリスクにさらされています。早めに適切な対処をして、本来の健やかな肌を取り戻しましょう。
症状別肌荒れの原因
肌荒れの原因はさまざまです。一見、肌荒れとは無縁と思えることが、肌に悪影響を与えていることもあります。自分の肌荒れは何が原因で起こっているのかをチェックしてみましょう。
紫外線
紫外線を浴び続けると、肌を守ろうとしてターンオーバーのサイクルが無理に早められ、角質層が厚くなります。すると、肌の内部の隙間が増えて、水分が蒸発しやすくなります。その結果、乾燥が進んで、肌のざらつきやゴワつきなどの肌荒れを招いてしまうのです。
そのほか、花粉やPM2.5などの大気汚染などの刺激も肌荒れを引き起こす原因になります。日焼け止めを塗る、マスクやサングラスをつけるなどして、環境的な刺激から身を守りましょう。
乾燥
皮膚の一番外側にある角質層と呼ばれる部分は、わずか0.02mm程度しかありません。乾燥した肌はバリア機能が低下して、角質細胞がはがれやすくなっている状態です。水分が逃げて肌表面がカサカサに乾燥して、白く粉を吹いたようになります。
ハリや弾力が失われ、肌全体がしぼんだような感じがするかもしれません。毛穴の凸凹が目立ち、化粧で隠すのが難しくなります。外部の刺激にも敏感に反応して、かゆみを伴うこともあります。
間違ったスキンケア
洗顔の際に汚れをしっかり落とそうとして、ゴシゴシこすったり、熱すぎるお湯で洗ったりしていませんか。こうした間違ったスキンケアを続けていると、角質細胞がはがれて薄くなり、乾燥を招いて、皮膚のカサつきや赤みといった肌荒れを起こす原因になります。
また、合わない化粧品の使用、シャンプーや洗顔料の洗い残しや、メイクブラシやパフの汚れなども肌荒れの悪化を助長します。
生活習慣の乱れ
肌の生まれ変わりのリズムは、日頃の生活習慣と密接な関係があります。生活が不規則になると、ターンオーバーのサイクルが乱れ、肌荒れを起こす原因になります。
睡眠不足や食生活の乱れ、無理なダイエット、お酒の飲み過ぎ、喫煙、ストレス、運動不足などのNG習慣は、肌荒れにつながるので注意しましょう。肌荒れを防ぐには、生活全般を見直すことが大切です。
皮脂分泌の増加
皮脂が過剰に分泌されると、毛穴がふさがれ、そこに細菌が繁殖して、肌荒れやニキビ、吹き出物ができやすくなります。皮脂分泌を増加させる原因として、ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足、脂肪分や糖分の多い食生活、ストレスなどが考えられます。
生理前になると肌荒れしやすくなるのは、皮脂の分泌を促進する黄体ホルモンが多く分泌されるからです。また、寝不足が続くと、皮脂分泌を活発にする男性ホルモンが優位になり、皮脂の分泌量が増加します。
肌荒れしやすい部位
顔の中で肌荒れが出やすいのは、おでこや頬、髪の生え際、口周りです。パーツごとに詳しく見ていきましょう。
おでこ
おでこの肌荒れの原因は、ホルモンバランスの乱れ、前髪の刺激などです。前髪に付着した整髪料、洗顔料やクレンジングの洗い残しが刺激となって、ニキビや吹き出物ができることがあります。
おでこは顔の中で、もっとも面積を占めるパーツですが、前髪で隠れているため、ケアがおろそかになりがちです。前髪は適度な長さにカットして、きちんとスキンケアしましょう。
頬
頬は顔の中でも目立つ部分です。胃腸や肝臓の疲れ、乾燥、便秘などが肌荒れとなって現れます。もともと皮脂の分泌量が少ないので、乾燥しやすいところといわれています。
また、ファンデーションやチークなど、メイクを重ねることも多いため、落としきれないメイク汚れが肌荒れを引き起こす一因になります。
髪の生え際
おでこと同じく、髪の生え際もシャンプーや洗顔料の洗い残しが生じやすい部分です。クレンジングや洗顔をする時には、髪の生え際にも注意して十分にすすぎましょう。
髪にヘアワックスやヘアスプレーをつけると、生え際に油分が付着し、毛穴詰まりを起こして、肌荒れを招くことがあります。整髪料を使う際は、髪の根本につけないよう注意してください。
口周り
胃腸が弱っている時や便秘の時に、肌荒れやニキビ、吹き出物などのトラブルが起こりやすい部分です。ホルモンバランスが乱れ、皮脂が過剰に分泌されることによって、肌荒れにつながることもあります。
しっかり睡眠時間を確保し、栄養バランスのとれた食事をとって、体の内側から肌荒れが起こりにくい肌に整えていきましょう。
肌荒れした時の対処方法
肌荒れが起きてしまったら、適切なスキンケアと規則正しい生活習慣で、肌のバリア機能を正常な働きをサポートすることが大切です。具体的な対処方法をご紹介します。
バランスの良い食事をとる
皮膚や体の土台となるタンパク質を中心に、ビタミンやミネラルなどの栄養素をバランス良く摂取しましょう。そのためには、さまざまな種類の食材を少しずつ食べるのがポイントです。
ビタミンや食物繊維が豊富な緑黄色野菜は意識して取り入れたいところ。特に、抗酸化作用の強いビタミンC(レモンやキウイ)、皮膚や粘膜を健やかに保つβカロチン(にんじんやほうれん草)、皮脂分泌をコントロールするビタミンB群(豚肉やうなぎ)を含む野菜がおすすめです。食事だけでは不足しがちな栄養素はサプリメントで補いましょう。
しっかり睡眠をとる
ターンオーバーは、脳が休止する睡眠時に活発に行われています。肌の生まれ変わりを促進する成長ホルモンは、睡眠開始から3時間後にもっとも多く分泌されるといわれています。
美肌作りのために、しっかり睡眠をとりましょう。睡眠の質を上げるには、寝つきを良くすることが大切です。就寝前はスマホやテレビを見るのは避け、温めのお湯に浸かる、ストレッチするなどしてリラックスして過ごしましょう。
運動習慣をつける
意外に思うかもしれませんが、運動不足も肌荒れの原因になります。運動不足になると血流が悪くなり、ターンオーバーのサイクルに乱れが生じてしまうからです。
運動をすると、血流やリンパの流れが良くなり、皮膚細胞に必要な酸素や栄養が届けられます。とはいえ、激しいスポーツをする必要はありません。ウォーキング程度で十分です。楽しみながら体を動かしましょう。
スキンケアを見直す
肌荒れに悩まされている人は、今やっているスキンケアを今一度見直してみてください。化粧品にはそれぞれ役割があります。
「ベタつくから」と化粧水のみで済ませていたり、「乾燥が気になるから」といって化粧水の塗布をおろそかにして乳液やクリームばかりを塗り込んだりしていませんか。正しい手順でお手入れしましょう。
肌荒れしないためのスキンケア
スキンケアの基本となるのは「洗浄」「保湿」「UV対策」の3つです。適切なスキンケアを行うことで、肌が本来持っている機能を正常に働かせ、健やかな肌を育みましょう。
正しいスキンケアの手順
夜と朝ではスキンケアの目的が異なります。ここでは、それぞれの目的に応じたスキンケアの手順を確認しましょう。
夜
夜のスキンケアの目的は、メイクや日中付着した汚れを落とすこと、紫外線などの外的な刺激によって受けたダメージを回復させることです。
手順1.クレンジング
メイク汚れや皮脂汚れを落とします。手と顔が乾いた状態でクレンジング剤を適量手のひらにとり、おでこ、鼻、あご、両頬の5箇所にのせます。顔の中心から外側、下から上へ、軽くマッサージするようになじませましょう。メイク汚れが浮き上がったら、ぬるま湯で洗い流します。
手順2.洗顔
洗顔料をよく泡だて、顔全体をきめ細かい泡で包み込むように洗います。皮脂の多いTゾーンは、指の腹を使って丁寧に洗いましょう。ぬるま湯で洗い流したら、顔にそっとタオルを押し当てて、水分を拭き取ります。
手順3.化粧水
洗顔後は、水分をたっぷり補給します。うるおいを与えて肌が柔らかくなると、その後に使用するアイテムが浸透しやすくなります。
手順4.美容液
化粧水の後は美容液です。日中、紫外線にさらされた肌を回復させるのに必要な美容成分を補います。
手順5.乳液・クリーム
化粧水で補った水分を逃がさないよう、乳液やクリームでフタをします。肌ダメージを回復する成分が配合されたナイトクリームで集中ケアをするのもおすすめです。
朝
朝のスキンケアの目的は、睡眠中にかいた汗や皮脂を落とすこと、紫外線など日中に受けるダメージから肌を守ることです。
手順1.洗顔
あまり汚れていなからといって、水洗いだけで済ませていませんか。寝ている間に分泌された汗や皮脂で、肌は意外と汚れているものです。洗顔料を使って洗い流しましょう。
手順2.化粧水
洗顔後は化粧水でしっかり保湿することで、肌のバリア機能を強化し、刺激に負けない肌を作ります。それ以外にも、肌のキメを整える役割も担っています。
手順3.美容液
美容液には、化粧水や乳液・クリームだけでは補えない栄養を補給する役割があります。肌の悩みに合った成分が含まれているものを選びましょう。
手順4.乳液・クリーム
乾燥から肌を守るために、油分を補って水分の蒸発を防ぎます。朝はこの後に日焼け止めクリームや化粧下地、ファンデーションなどを塗布することを考慮して、軽いつけ心地のものを選ぶといいでしょう。
手順5.日焼け止め
日焼け止めや日焼け止め効果のある下地を塗って、紫外線から肌を守りましょう。紫外線は季節を問わず降り注いでいるので、年間を通してUV対策をする必要があります。
肌荒れの部位は化粧品の使用を控えよう
肌荒れがひどいと、化粧品を使うとしみたり、赤くなってヒリヒリしたりすることがあります。そんな時は無理して使用せず、お休みしましょう。
化粧品が使えない場合は、皮膚を保護する保湿剤として純度の高いワセリンを使用するのも一つの手です。皮膚の表面に保護膜を作り、外部の刺激から肌を守ります。
ワセリンは皮膚に対する刺激性がほとんどないため、化粧品が使えない状態でも使用できる可能性が高いでしょう。
症状が悪化してなかなか治らない場合は、医療機関の受診をおすすめします。
まとめ
肌荒れの症状は幅広く、原因もさまざまです。肌荒れを改善するためには、その原因を理解し、肌の環境を整えて、肌本来の力を取り戻す必要があります。
いつものスキンケアやライフスタイルを見直すことで、健やかな肌を保つことは可能です。できることからコツコツ積み重ねていきましょう。