毛穴の開きや角栓の予防に効果的な食べ物とは?

ビタミン類を多く含む食品が良いといわれています

鼻の頭や小鼻の黒いブツブツが目立つと、そこばかり気になりませんか?

黒いブツブツの正体は「角栓」。

ビタミン類は、角栓の素になる皮脂の分泌を抑制する作用の他、肌の老化防止や新陳代謝を促進する作用もあるので、角栓予防にぴったりの栄養素です。

一部を除き、体内で作られないので、食べ物などから摂り入れると良いでしょう。

一方で、皮脂の分泌を促す食べ物もあるので、普段から食生活も意識してみてください。

角栓とは毛穴に詰まった皮脂と角質などのかたまりのこと

毛穴をふさぐ角栓は、皮脂と周囲の角質などが毛穴に詰まり固まったものです。
そこに毛穴の中に残ってしまった産毛などが混ざり合うこともあります。

そして、その角栓の表面が酸化すると黒くなります。
それが黒いブツブツに見えるのです。

本来、皮脂も角質も肌にとって重要な役割を担っており、必要不可欠なものです。
例えば、皮脂腺から分泌された皮脂は、汗と混ざり合って皮脂膜となり、皮膚の表面を覆って水分の蒸散を防ぎ、乾燥しないようにしています。

また、角質と細胞間脂質で構成されている角質層は、肌に潤いを蓄え、外部の刺激や異物の侵入から皮膚を守ります。

ところが、このように大切な皮脂と角質も、角栓になってしまうと見た目が悪くなり、肌荒れにもつながるので、嫌われ者になってしまいます。

だから、美しい肌に近づける為には、皮脂と角質が角栓にならないようにすることが肝心だといえるでしょう。

正しい生活習慣とスキンケアで角栓の原因を取り除きましょう

正しい生活習慣とスキンケアで角栓の原因を取り除きましょう
角栓ができる原因の一つは、皮脂がスムーズに排出されないこと。

正常に分泌された皮脂は、体温によってすぐに液化して広がります。

ところが、何らかの理由で皮脂が余分に分泌されてしまったり、肌の新陳代謝によってはがれ落ちるはずの角質が残ってしまったりすると、毛穴が詰まってしまいます。

そして、そのままにしていると酸化して黒ずんだり、炎症を起こす菌が繁殖してニキビや吹き出物ができたりするので早めに手を打ちましょう。

毛穴詰まりの主な原因は、

  • 皮脂の過剰分泌
  • ターンオーバーの乱れ
  • メイクの落とし残し

といわれていますが、生活習慣が乱れていたり、スキンケアを怠ったり、洗顔方法を間違っていたりすることで起こりやすくなります。

この機会に、今まで何気なく行ってきたことを再点検してみてはいかがでしょうか。

皮脂の過剰分泌

皮脂の過剰分泌
肌がテカテカして脂っぽいと感じたら、どんなケアをしますか?

誰もがやりがちなのは、

  • クレンジングや洗顔を何回も行う
  • あぶらとり紙で皮脂を取る
  • 毛穴パックを頻繁に行う

という方法です。

しかし、それがもっと肌を脂っぽくさせてしまう原因となってしまうのです。
必要以上に皮脂を取り除いてしまうと、肌のバリア機能が弱くなるので、肌を守る為に皮脂の分泌量が増えてしまいます。

その他、ホルモンバランスの乱れも皮脂の過剰分泌を招きます。
女性ホルモンである「プロゲステロン」や男性ホルモンである「テストステロン」は皮脂の分泌を増加させる作用があります。

  • 不規則な生活
  • ストレス
  • 疲労
  • 冷えなど

些細なことでホルモンのバランスは崩れやすいので、正しいスキンケアと同時に生活習慣を見直すことも必要かもしれません。

ターンオーバーの乱れ

ターンオーバーの乱れ
肌は約6週間で新しく生まれ変わります。
表皮の一番奥で新しい皮膚細胞が生成されると、約4週間かけて上へと押し上げられて角質層(角層)となります。
そして、健康な肌の場合は約2週間でそれが垢(あか)や古い角質となってはがれ落ちると、次の新しい細胞が肌の表面に出てきます。
この新陳代謝のしくみを「ターンオーバー」と呼びます。

ターンオーバーは、

  • 紫外線
  • 乾燥など

の外的要因と、

  • 偏った食生活
  • 睡眠不足
  • 運動不足

といった生活習慣の乱れやストレス、加齢などの内的要因によってサイクルが乱れやすくなります。

すると、角質がたまったり、十分に成長していない細胞が上がってきたりします。
それが肌荒れやバリア機能の低下を招き、さらにサイクルが乱れるという悪循環に陥る恐れがあるのです。

メイクの落とし残し

メイクの落とし残し
ファンデーションや汚れが残ったまま放置していると、毛穴が詰まり、角栓の素になってしまいます。

だからといって、クレンジングや洗顔方法が間違っていると逆効果になるので注意しましょう。

気をつけるべきポイントは3つあります。

クレンジング剤や洗顔料にはいろいろなタイプがありますが、それぞれメリット・デメリットがあるので、よく確認して自分の肌に合ったものを選んでください。

クレンジング剤をつけると指のすべりが良くなるので、必要以上に強く肌をこすったり、長時間なじませたりしてしまいますが、肌への負担が大きくなるので、あまり良くありません。

また、ベタつきや汚れを落とそうと、1日に何度も洗顔すると、潤いを補う為に皮脂が過剰に分泌され、またベタベタするという負のスパイラルに陥るのでやめましょう。

毛穴の4つの役割

毛穴のケアに苦労している人にとって毛穴は面倒なものですが、私たちの体になくてはならないもので、主に4つの役割を持っています。

1.デトックス機能

体内の老廃物や体外から取り込まれた金属などの有害物質は、便や尿だけでなく、皮脂や汗と一緒に毛穴からも排出されます。

2.バリア機能

角質層だけでは水分の蒸散をこまめに調整できないので、毛穴の奥にある皮脂腺から皮脂を分泌して皮脂膜を作り、水分量を調整しています。

3.体温調節機能

温度が高い時には毛穴を開いて熱を放出し、低い時には毛穴と血管を収縮させて熱の放出を抑え、体温を調節します。

4.フェロモン作用

毛穴の中に開口するアポクリン腺から出る汗の適度なにおいには、他の個体に一定の行動や発育の変化を引き起こさせるフェロモン作用があります。

毛穴が開いている原因を見極めることから改善が始まります

毛穴が開いている原因を見極めることから改善が始まります
毛穴の開きには、毛穴の場所や開く原因、肌質などによって違いがあります。

まずは自分の肌をよく観察し、どんな状態なのかを客観的に捉えた上で、毛穴の開きを改善する対策を行いましょう。

たるみ毛穴

縦長のしずくのように垂れ下がった形の毛穴で、頬に多く見られます。
主に加齢によって、表皮の内側にある真皮のコラーゲンやエラスチンが減少し、肌のハリや弾力が失われ、十分に潤いが保たれていない状態です。

詰まり毛穴

皮脂の分泌量が増加することで、皮脂を排出する出口である毛穴を広げ、代謝しきれずに肌に残った皮脂が詰まった毛穴です。
汚れなどによって黒ずんでいることもあり、鼻や額に多く見られます。
脂性肌の人は元々皮脂腺が大きく、皮脂の分泌量も比較的多いので、毛穴の開きが目立ちやすいです。

ニキビ毛穴

皮脂や古い角質、汚れなどが毛穴にたまり、そこにニキビの原因菌が増殖すると炎症が起こり、さらに炎症が進むとウミを持つようになります。
それがニキビ毛穴で、思春期に多く見られます。
ニキビが悪化すると、ニキビが治っても痕が残り、毛穴は開いたままになってしまいます。

改善方法

  • 正しい洗顔で汚れをきちんと取る
  • 引き締め効果のある化粧水や、保湿効果のある乳液やクリームなどで、肌を整える
  • 皮脂の分泌が正常化するように、規則正しい生活を送り、ホルモンバランスを整える

角栓予防が期待できる食べ物

角栓の主な成分は、脂質とタンパク質です。
どちらもなくてはならない栄養素なので、角栓を作りたくないからといって摂取を極端に控えすぎないでください。
特に、脂質は肥満の原因になることもあるので敬遠されがちですが、大切なエネルギー源であり、ホルモンや細胞膜などを構成したり、臓器を守ったり、ビタミンA・D・E・Kの吸収を促したりする働きもあり、良質なものを摂る必要があります。

角栓を予防する為には、ビタミン類の摂取がお勧めです。
ビタミンは脂質の代謝や皮脂の分泌を正常にする働きを持っているものが多く、他の栄養素の潤滑油としても欠かせません。
サプリメントは過剰摂取の恐れがあるので、できるだけ食べ物から摂るように心がけましょう。

ビタミンA

ビタミンA
ビタミンAは肌の新陳代謝を活発にする作用があるので、ターンオーバーの乱れによる肌荒れを改善する効果があるといわれています。
ターンオーバーが正常に行われると、角栓以外の皮膚の黒ずみの元となるメラニン色素も排出されます。
また、ビタミンAの主要な成分であるレチノールには、皮膚や目の粘膜の健康を保ったり、抵抗力を強めたりする働きもあります。
ビタミンAは油脂に溶ける脂溶性ビタミンなので、油と一緒に摂取すると吸収率が高まりますが、体内に蓄積されやすいので、サプリメントなどによる過剰摂取は控えましょう。

ビタミンA(β-カロテン)が豊富な食品

  • うなぎ
  • レバー
  • にんじん
  • かぼちゃ
  • ほうれん草
  • モロヘイヤ
  • 春菊など

レバーにはビタミンB2以外にも多くのビタミンが含まれており、中でもビタミンAは保湿力のあるヒアルロン酸を増やす働きがあるので、肌の健康を保つ為に、適している食べ物といえます。

ビタミンB1

ビタミンB1
ビタミンB1は、糖質からエネルギーを生み出し、脳や神経系の働きの維持や調節にも大きく関係しています。
糖質の摂り過ぎは皮脂の過剰分泌につながりますが、ビタミンB1は糖質の代謝がスムーズに行われる為に不可欠な補酵素として働くので、皮脂の過剰分泌を抑えるといわれています。
また、皮膚や粘膜の健康維持を助けます。

注意しなければならないのは、アルコールの摂取との関係です。
アルコールを摂取すると、体内で分解する時にビタミンB1が消費され、吸収率が下がるので、たくさんお酒を飲む人はビタミンB1不足になりがちです。
過度な飲酒は、ビタミンB1不足を招いて疲れやすくなったり、イライラして集中できなくなったりするだけでなく、肝機能などに害を及ぼす恐れがあるので、できるだけ控えるようにしてください。

ビタミンB1が豊富に含まれる食品

  • 豚肉
  • うなぎ
  • 枝豆
  • グリーンピース
  • かつお
  • ピーナッツ
  • 玄米など

ビタミンB2

ビタミンB2
若返りビタミン、美容ビタミンともいわれるビタミンB2は、肌の代謝を促し、肌を健康な状態へ導きます。
また、タンパク質、脂質、糖質の代謝をコントロールして安定させるので、特に角栓予防の為に皮脂の過剰な分泌を抑えたい人は、積極的に摂取したい栄養素です。

がんや老化などを引き起こしたり、皮膚の細胞を傷つけて色素沈着やシワの原因となったりする過酸化脂質を消去する抗酸化物質の再生を助けるので、美肌には大変有用だといわれています。
熱には強いのですが、水溶性で栄養が煮汁に流れ出てしてしまうので、調理した煮汁ごと利用すると良いでしょう。

ビタミンB2を豊富に含む食品

  • レバー
  • バナナ
  • 牛乳
  • 乳製品
  • 納豆
  • うなぎ
  • 海苔など

米麹で作られた甘酒は、皮脂の分泌を整える役割を持つビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB1の他、コラーゲンを作るアミノ酸も含んでいるので、肌や毛穴の健康維持に良いといわれています。

ビタミンB6

ビタミンB6
水溶性のビタミンで、タンパク質と脂質の代謝を助け、皮脂の分泌を適正に保つ働きがあります。
また、脂肪分解をコントロールして、ビタミンB2の働きをサポートもします。
さらに、ビタミンB6がアミノ酸を体内に供給することで、肌の新陳代謝が活発になり、潤いのある肌へ導いてくれます。
腸内細菌によって一部は体内でも作られるという特徴もあり、一般的には不足しにくいと考えられていますが、欠乏すると皮膚炎や口内炎などを起こしやすくなります。
食物から摂りすぎることはほとんどありませんが、サプリメントによる過剰摂取は健康に悪影響を及ぼす場合があるので、使用する場合は慎重にしましょう。
それから、一部の薬物との相互作用で有害になることがあるので、治療中にサプリメントを使用する場合は医師の指導を仰いでください。

ビタミンB6を豊富に含む食品

  • まぐろ
  • かつお
  • さんま
  • にんにく
  • 小麦胚芽
  • バナナ
  • さつまいもなど

ビタミンC

ビタミンC
ビタミンCは、コラーゲンやエラスチンの生成を助けます。
コラーゲンもエラスチンもタンパク質の一種で、皮膚にハリと弾力を与え、潤いのある健康的な肌を保つ働きがあります。

さらに、皮膚のターンオーバーを正常化し、皮脂の分泌を抑制する働きもあるので、たるみや皮脂の過剰分泌による毛穴の開きの改善が期待できます。

また、有害な活性酸素から体を守る抗酸化作用もあるので、肌の老化を防ぐ効果もあると考えられています。
メラニン色素の生成を抑える働きもあるので、角栓以外の毛穴の黒ずみが気になる時にも良いでしょう。

ただし、水に溶けやすく、体内からすぐに排出されてしまう為、こまめに摂取する必要があります。

ビタミンCを豊富に含む食品

  • パプリカ
  • ブロッコリー
  • カリフラワー
  • キウイ
  • ゴーヤなど

ビタミンCは熱に弱いのですが、ゴーヤに含まれるビタミンCは加熱しても壊れにくいといわれているので、加熱調理もOKです。

ビタミンE

ビタミンE
活性酸素は、肌の表面にある皮脂やコラーゲンにダメージを与え、皮膚の老化を促進させますが、元々人の体の中には活性酸素から自己を防御する機能が備わっているので、少々のダメージなら修復できます。

しかし、紫外線やストレスなどによって、活性酸素が過剰に合成・生成されると、自力ではダメージを跳ね返すことが難しくなるので、酸化を予防する対策を取らなければなりません。

ビタミンEはビタミンCと同様に抗酸化作用があるので、過酸化脂質の生成を抑制し、細胞の酸化を防ぎます。

また、血流を良くするので、肌の代謝を促してくれます。
酸や熱には強いので調理による損失はほとんどなく、ビタミンCやタンパク質と一緒に摂取することで吸収率が高くなりますが、光に弱い為、ビタミンEを多く含む食品を保存する時は、光を避けましょう。

ビタミンEを豊富に含む食品

  • アーモンドなどのナッツ類
  • 緑黄色野菜
  • 胚芽油
  • 穀類など

角栓を増やす食べ物

角栓を増やす食べ物
脂肪分の多い食品はもちろん、香辛料などの刺激物は皮脂の分泌を増加させます。
その他、糖類を多く含む食品や炭水化物の一部に「高GI食」といわれるものがあり、これも角栓につながる恐れがあります。

GI(グリセミック指数)とは、食品ごとの血糖値の上昇指数で、食後の血糖値が上がる速さを表しています。
ブドウ糖のGI値を100とすると、70以上が「高GI」、56~69が「中GI」、55以下が「低GI」と分類されます。

GI値が高い食品を摂取すると、急速に血糖値が上がり、その血糖値を下げる為に大量のインスリンが分泌されます。
インスリンは皮脂腺を刺激して皮脂の分泌量を増加させるので、要注意です。

高GI食品

  • 白米
  • 食パン
  • はちみつ
  • ジャガイモ
  • にんじんなど

中GI食品

  • パスタ
  • 中華めん
  • ライ麦パン
  • パイナップル
  • すいかなど

低GI食品

  • 玄米
  • そば
  • 全粒粉パン
  • 大豆
  • りんごなど

まとめ

1.皮脂と角質を毛穴に詰まらせないようにして角栓を予防する
2.丁寧なスキンケアと生活習慣の改善で皮脂の正常な分泌を促す
3.毛穴の開きっぱなしを防ぐ為に自分の毛穴に合わせたケアをする
4.ビタミンを含む食べ物で皮脂の過剰分泌を抑制する
5.皮脂の分泌を増加する食べ物にも注意

角栓は、それ自体を取り除いても、原因を取り除かなければ、またできてしまう厄介なもの。

ビタミン摂取などで体の中から原因を解消しましょう。

ローマは一日にして成らず。

肌がきれいになり、体も健やかになると心も元気になります。

あきらめずに続けてください。

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