正しい角栓のケア方法とはどんなもの?
角栓とは何かを理解したうえで、対策をしていきましょう。
洗顔後の素肌を鏡でよく見てみると、鼻の周りの毛穴がプツプツと目立っていませんか?
完璧にキレイな肌でいたいのに、このようなものを見つけると何だかイヤな感じになります。メイクをしている時にはファンデーションで隠せそうですが、何だか憂鬱な気分です。
そして数日後、毛穴のブツブツが大きくなったり、黒すんだりしてさらに目立ってきた…これはショックですよね。顔の真ん中なのでとても気になります。
どうしたら、このブツブツをなくせるのでしょうか?
この鼻のあたりの毛穴のブツブツは「角栓」というものです。もともとは自分の体にあったもので、古い角質・皮脂・産毛などが毛穴の中で固まったものです。
角質は、角質などによるタンパク質が70%、皮脂による脂肪が30%でできています。
本来、私たちの体に必要だったものですが、新陳代謝の中でうまく排出されずに、毛穴にとどまってしまったことで、悪く目立ってしまっているのです。
この角栓の問題を解決するために、
・角栓がなぜできるのか
・どうしたら予防できるのか
をポイントに紹介していきます。
自分の肌を理解し、普段の生活の中にケアを取り入れてみてください。いつもキレイな肌でいられるといいですね。
肌のターンオーバーと角栓の関係とは
私たちの肌は新陳代謝をしていて、およそ4~6週間のサイクルで生まれ変わっています。これを「ターンオーバー」といいます。
肌の奥のほうの「基底層」で、新しい皮膚の細胞が作られます。これが成長しながら、表面へ押し上げられてきます。
外側に現れると、垢になり自然にはがれ落ちます。そのあとには、新しく成長してきた細胞と入れ替わる、ということが繰り返されます。
ターンオーバーが順調であれば問題はないのですが、生活習慣の変調や外部の刺激などの影響で不調になると、肌の代謝が乱れてしまいます。
皮膚の細胞がきちんと完成しないまま、未熟な状態で肌表面に現れていた場合、最後にキレイにはがれ落ちることができず、肌に角質が残ってしまいます。
はがれ残った角質は、毛穴の中の角質であれば毛穴にとどまります。毛穴の周囲であれば、毛穴に落ち込みます。
こうして角質が毛穴にとどまり、角栓のもとになり始めるのです。
毛穴の中には皮脂腺の出口があります。
皮脂は毛穴から分泌され、肌全体に行き渡り、バリアを張っています。体の内側から水分が蒸発するのを防ぎ、外側からの刺激や細菌の攻撃から保護する役目を持っています。
毛穴の中がすっきりキレイな状態であれば、皮脂はスムーズに分泌され、自然に速やかに肌全体に行き渡ります。バリアの役目を果たしたうえで、肌のツヤや潤いを出します。
しかし毛穴にもともとの角質が残ったものや、周囲から毛穴に入り込んだ角質がある場合には事情が異なります。
皮脂は、毛穴にある古い角質に混ざってしまいます。古い角質が出口をふさいでいることもあり、皮脂は通常のように毛穴の外に出て行くことができません。ここに、産毛が混ざることもあります。
こうしてブツブツ目立つ角栓ができあがってしまうのです。
本来、肌にバリアを張るために必要な皮脂が、角栓として固まってしまうので、肌全体に行き渡りません。
その結果として乾燥する部分ができてくることもあります。角栓があるのに、肌は部分的に乾燥している、というのはこのためです。
角栓に細菌が繁殖し、ニキビや吹き出物の原因となる場合もあります。
目障りな角栓、取り除いてしまいたいと思って、ムリに除去するケアをしていませんか?
強い洗浄力の洗顔料を使う、長い時間をかけて力を入れてゴシゴシ洗顔する、はがすタイプの毛穴パックを使う、指やコメドプッシャーで角栓を抜くなどしていないでしょうか。
実はこれらはNGなのです。肌に負担をかけているからです。
過度の洗顔やはがすタイプの毛穴パックでは、皮脂や角栓も除去できているかもしれませんが、同時に必要な肌成分や角質までも取り除いてしまいます。
急に肌成分や角質を失ったことで、防御しようと反応し、あわてて新しい肌細胞でカバーしようとします。
未熟なままの角質細胞が肌表面にたくさん上がってきて、生産される細胞の質が落ちたりします。
こうしてターンオーバーが乱れるのです。この結果として角質が厚くなります。
角質が厚くなると、皮膚が乾燥状態だと認識します。水分の蒸発を防ぐため、応急処置でバリアを張ろうと皮脂が大量に分泌されます。
未熟な厚い角質と過剰な皮脂が揃ったことで、新たに角質が発生する状況ができてしまいました。
また角栓を取り除いたあとの毛穴は、ぽっかりと穴が開いたままです。ここに、古い角栓と過剰な皮脂が集まると、また角栓に…ということも考えられます。
角栓を取り除くことは、かえって逆効果だったのです。
ではどうしたらよいのでしょうか?角栓はこのままずっと残り、肥大し続けるのでしょうか?
いえ、そんな心配は不要です。ターンオーバーが正常化すれば、角栓は毛穴から自然に出て行くのです。
洗顔や保湿で肌を整え、生活習慣を見直してターンオーバーを正常化していけば、自然な新陳代謝により角栓も排出されていきます。
整った肌の環境により、新しく角栓ができることはなくなり、今後もキレイな肌を維持していくことができるでしょう。
角栓をムリやり押し出したりしないことが一番です。角栓は除去することより、予防することが重要なのです。
肌環境を整えておけば、角栓ができにくくなります。
毎日のスキンケアから見直していきましょう。
まずは洗顔からです。
クレンジングでメイクを落としたあと、雑にせず、丁寧に洗顔を行っていきましょう。
1.蒸しタオルを使って、毛穴を開いておきます。
蒸しタオルは温かいおしぼりのイメージで、自宅で簡単に用意できます。
ハンドタオルやフェイスタオルを水にぬらしてしぼり、電子レンジで温めて作ります。程よい温度にできあがったら、3分ほど顔に当て、毛穴を開きます。
肌が温まり、毛穴が開いて血行もよくなったのではないでしょうか。
では洗顔をしていきます。
2.ぬるま湯で、最初に顔を洗い流します。顔をぬらして軽く汚れやホコリを落とすためです。
お湯は体温程度がよいでしょう。冷水や熱過ぎるお湯だと、きちんと洗顔できなかったり、乾燥を招いたりするからです。
3.洗顔料を手のひらにとり、水と空気を加えながらよく泡立てます。
洗顔料の原液が肌に直接触れると、濃度が高く肌を傷める可能性があるので、十分に水を加えます。
またしっかり泡立てることで、手による肌への摩擦を防ぐことができます。
4.たっぷりの泡ができあがったら、肌をこすらずに、泡を顔に伸ばすようにして洗っていきます。
鼻の横や顎などにもまんべんなく、泡を行き届かせます。
5.ひととおり洗えたら、ぬるま湯で泡を流します。
額の髪の生え際、フェイスライン、目や鼻の周りなどすすぎ残しがないように気をつけましょう。
6.清潔なタオルで、水分を拭き取ります。
こすらないようにして、タオルで優しく押さえながら水分を吸い取っていくようにします。
キレイに洗顔ができたところで、肌が乾燥してしまわないように、時間を置かずに保湿をしましょう。
角栓予防には保湿が重要です。
しっかり保湿をすることで、角質が柔らかくなります。潤いが十分であれは、皮脂が過剰に分泌されることもありません。
ターンオーバーが正常になると、きちんと成熟した細胞が生産され、角質がたまることもありません。
こうして肌環境が整うことで、角栓ができにくくなるのです。保湿の化粧品に含まれる美容成分を考慮すれば、広がった毛穴が目立たなくなる効果もあります。
保湿で重要なのはタイミングです。
洗顔後、キレイになった肌は、乾燥しやすくなっています。
一方で美容成分が染みこみやすい環境ともいえます。洗顔後は時間を空けず、速やかに保湿しましょう。
保湿は、化粧水→美容液→乳液→クリームやオイルの順で行います。
配合された美容成分ではセラミドやヒアルロン酸などが含まれたものがおすすめです。
セラミドは、肌で水分を蓄えている細胞間脂質の主成分でもあるからです。ヒアルロン酸も、もともと肌にある成分で、やはり潤いを生み出しているものです。
しっかり保湿をして、肌環境を整え、角栓のできにくい肌にしていきましょう。
角栓予防の生活習慣
ターンオーバーが整っていれば、角質は自然にはがれ、余分な皮脂も分泌されないということになり、角栓は発生しません。
ターンオーバーを安定させる生活習慣を心掛けることが大切です。具体的にそれはどんなライフスタイルなのでしょうか?
・疲れやストレスをためない
寝不足ということはありませんか?休日には気分転換やリラックスができていますか?
心身ともに疲れを残しておかないようにしましょう。
ストレスをためないように、趣味を持ったり、友人と会ったりして適度に発散していきましょう。
ウォーキングやストレッチなどの軽い運動を取り入れるのもおすすめです。
・バランスがよい食生活を送る
好きなものばかり食べたり、自己流の極端なダイエットをしたりしていませんか?
肉・魚・野菜など栄養素を意識して、バランスがよい食生活を送るようにしましょう。
食べたものが体になるので、よく噛んで、おいしく食べることも大切です。
・過度の飲酒や喫煙をしない
アルコールの飲み過ぎや喫煙は、美容の面ばかりではなく健康面にもよくありません。程度が過ぎると体を壊すこともあります。
適度の飲酒はストレスを解消するといわれますが、飲み過ぎることなく適量を楽しむようにしましょう。
(まとめ)角栓は除去するよりも、予防することが重要です
2.ターンオーバーの乱れると角栓ができる
3.角栓はムリに取り除かないほうがよい
4.角栓予防のスキンケア
角栓は古い角質と、過剰な皮脂によりできています。ムリに取り除くよりも、角栓ができないような肌環境を整えることが大切です。
また肌がよい状態であれば、角栓ができても初期のうちに自然に排出されていきます。
肌によい生活習慣を心掛け、健康的な美しい肌を維持しましょう。