毛穴が大きく広がるのは皮脂が原因?
皮脂の分泌量を抑えれば毛穴トラブルは改善します
もともと皮脂の量が多いオイリー肌タイプや、乾燥や食生活の乱れなどが原因で皮脂が過剰に分泌すると、その余分な皮脂によって毛穴が大きく広がり、目立ってしまうことがあります。
化粧崩れの原因となる顔のテカリやべたつきも同じことがいえます。過剰に分泌された皮脂が皮膚をおおい、額や鼻の周りといった、とくに皮脂腺の多いTゾーンをテカテカとさせてしまうのです。
毎日の洗顔で余分な皮脂がキレイに除去されず、お肌に残ってしまうと、皮脂が酸化して黒ずみ毛穴へと進行します。
いちご鼻といわれるのが、この状態です。毛穴に皮脂が詰まるとニキビを発症する原因にもなります。
毛穴レスの美肌を取り戻すためには、過剰な皮脂分泌を抑える必要があります。
その対策として、
・毎日の洗顔でしっかりと皮脂を除去すること
・皮脂を抑制する美容液が配合された化粧品で保湿ケアを行うこと
・食事と生活習慣の見直し
・日頃からあぶらとり紙を上手に使う
などが挙げられます。
今回は、毛穴レスの美しいお肌を取り戻すための、皮脂との上手なつきあい方を説明していきます。
毛穴トラブルの改善は皮脂を抑えることがポイント
皮脂を分泌する皮脂腺は、毛穴に開口しています。そのため皮脂が過剰に分泌されると毛穴は大きく広がり、目立ってしまうのです。皮脂腺は手のひらと足の裏を除いて、ほぼ全身にあります。
身体の部位によって皮脂腺の数は異なり、多い順に頭→顔→胸→背中→腕・足となっています。顔では額や鼻の周辺に皮脂腺が最も多く、化粧崩れやべたつきやすい部分と一致します。
皮脂は成人で1日1〜2gほど分泌されるといわれています。分泌量は一般的に、女性より男性、冬より夏の方が多いとされています。
もっとも皮脂腺が活発に働くのは、成長ホルモンの分泌が活発になり始める10代の思春期です。皮脂が過剰に分泌されることで毛穴が詰まりやすくなり、ニキビができやすくなるのもこのころです。
皮脂の分泌量が減少するのは女性が30代頃から、男性では50代頃から、少しずつ始まるようです。
皮脂は過剰に分泌されるとお肌には悪影響を及ぼします。しかし皮脂が全くなければ、人は健康なお肌を維持することはできません。
皮脂腺から分泌される皮脂、そして皮脂と汗などが混ざって作られる皮脂膜の役割をあげてみましょう。
・水分の蒸発を防ぐ保湿の役割
・紫外線や病原菌など外の刺激からお肌を守るバリア機能
・お肌を弱酸性に保ち雑菌の増殖を抑える
・お肌を滑らかにしてツヤを出す
このことからも、ゴシゴシとお肌をこすって皮脂を取り過ぎる洗顔を繰り返し、皮脂を除去する化粧品を使い続けることは、お肌にはよくありません。
逆にこうした間違ったスキンケアにより、お肌が外部刺激から守ろうとして皮脂をさらに分泌しようとします。これでは悪循環です。
必要以上の皮脂が分泌されることで、お肌にはさまざまな変化があらわれます。
大きく開いた毛穴が目立ちやすくなる・ニキビができやすい・黒ずみ毛穴・お肌のくすみ・テカリやべたつきなど、肌トラブルを生じます。
さらには過剰に分泌された皮脂を除去せずに長時間、お肌の上に残したままにしていると、皮脂が酸化して過酸化脂質という物質に変わります。
この過酸化脂質は、毛穴周りの表皮にダメージを与え、毛穴を開かせる作用があります。さらに開いた毛穴どうしがつながってシワになるともいわれています。
皮脂腺の多いTゾーンは、他のパーツに比べて毛穴の開きが大きく皮脂の分泌量も多いです。
そのため余分な皮脂が過酸化脂質になる可能性も高く、テカリが気になり始めたらお肌の老化も始まっているということです。
皮脂が過剰に分泌する原因はいくつかあります。
1.男性ホルモンの影響
男性ホルモンの約95%占めるテストステロンは、皮脂の分泌に深く関わっています。テストステロンが皮脂腺を刺激することで、皮脂腺の増加・皮脂の合成促進・皮脂腺の分泌活性を高めるなどの働きがあります。
男性ホルモンのテストステロンは、女性の卵巣からも分泌されています。その量は男性の20分の1程度ですが、テストステロンの分泌量が多い女性もいます。
テストステロンの分泌量が思春期に多かった女性は、40代ごろまでオイリー肌が続くともいわれています。
2.間違ったスキンケア
皮脂を取り除きたいあまり、洗浄力の高いクレンジング剤や洗顔料を使ってゴシゴシとこすり洗いをしていては、お肌に必要な皮脂まで洗い流してしまいます。
不十分な保湿ケア、毛穴シートパックの使い過ぎなども間違ったスキンケアです。
3.食生活
毎日の食事による脂質の過剰摂取が、皮脂の過剰分泌を引き起こします。油っこい食事・スナック菓子・ケーキなどの甘いものなどを日頃から多く摂っていると、皮脂を多く分泌する原因になります。
また飽和脂肪酸が多い肉、バター・ショートニング・牛脂・ラードなどは控えた方がよいでしょう。
4.生活習慣
皮脂分泌に深く関わる男性ホルモンのテストステロンは、睡眠不足やストレス、不規則な生活習慣などが原因によってホルモンバランスが崩れるといわれています。
そのため生活習慣を見直すことでホルモンバランスが整い、皮脂の過剰分泌も抑えられるとされています。
キレイな毛穴を取り戻すためには、皮脂を取り除くことが先決です。皮脂を除去する対策で、まず挙げられるのは、毎日の洗顔です。
メイクをしている場合は、クレンジングを必ず行いましょう。クレンジングで気をつけることは、お肌にあったクレンジング剤を使うことです。
メイクをふき取るシートタイプやオイルタイプは、手軽で簡単にメイクが落とせます。しかしその分、合成界面活性剤が多量に入っているので、お肌への負担は大きくなります。
毎日使うクレンジング剤は、合成界面活性剤が少ないクリームタイプがおすすめです。適量をお肌の上でクルクルと回しながらメイクとなじませて除去します。
皮脂腺の多いTゾーンと、加齢とともに皮脂量が増えてくるフェイスラインを意識してクレンジングしていきます。クレンジングは2分以内でメイクをすべて落とすようにしましょう。
洗顔の役割は、皮脂とクレンジング剤の油分を洗い流すことです。
洗顔料もさまざまなタイプがありますが、固形の洗顔石けんが皮脂や油汚れをスッキリと落としくれるのでおすすめです。
洗顔フォームは泡立ちも良く、洗い上がりはしっとりとしているものが多いです。しかし合成界面活性剤が配合されたものがほとんどで、香料・防腐剤・保存料など余分なものが入っています。
どのような洗顔料を選ぶにしても、成分がシンプルなものがお肌への刺激も少なくどのタイプの肌質でも安心して使うことができます。
正しい洗顔方法のポイントです。
洗顔料はたっぷりと泡立てましょう。洗う時はゴシゴシとこすらずに、お肌の上でたっぷりの泡を転がすように優しく丁寧に行います。
皮脂腺の多い鼻の周りはくぼみもあって洗いにくい部分です。意識して洗浄しましょう。
すすぎはぬるま湯でしっかりと洗い流します。フェイスラインや生え際はすすぎ残しが多いので意識しながら流します。
洗顔は1日2回までがよいでしょう。洗い過ぎは、逆に皮脂の分泌を増加させることになります。朝はぬるま湯で流すだけでも汚れは落ちます。
皮脂が気になる場合は、洗顔料を使っても大丈夫です。
洗顔後の保湿ケアは必ず行いましょう。べたつきがイヤだからといって保湿ケアを怠ると、乾燥肌を招きます。お肌の水分量が少なくなると、皮脂と水分のバランスが崩れてテカリがさらに目立つお肌になってしまいます。
洗顔後の保湿ケアをしっかり行うことで、皮脂と水分のバランスが正常となりテカリの原因となる皮脂浮きが防げるのです。
またお肌の乾燥は皮脂の過剰分泌を引き起こす原因でもあります。
保湿ケアの手順は、化粧水→美容液→乳液→クリームの順で行うのが一般的です。化粧品メーカーによっては異なる場合があるので確認してから行ってください。
保湿ケアで使う化粧品は、皮脂をコントロールする美容成分が配合されたものを選ぶとよいでしょう。
皮脂分泌の抑制、皮脂の酸化予防の作用が期待できるビタミンC誘導体が配合された化粧品がおすすめです。
ビタミンC誘導体にはさまざまな種類がありますが、
・パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム
・3-0エチルアルコルビン酸
・リン酸アスコルビルナトリウム
・リン酸アスコルビルマグネシウム
などと表記されたものを選ぶとよいでしょう。
ビタミンC誘導体は水に溶けやすい性質があるため、化粧水やローションなどにたくさん配合されています。
美容液・乳液・クリームは、油分の多いタイプは避けた方がよいでしょう。選ぶ際には、サラッとした肌触りで、オイルフリー・オイルカットのものが使用感も気持ちよくおすすめです。
選ぶ際には保湿成分のセラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンなどが配合された化粧品がよいでしょう。
また皮脂が詰まって大きく開いた毛穴には、レチノイン酸・アスタキサンチン・オウゴンエキスなどの美容成分が配合された化粧品がおすすめです。
あぶらとり紙で皮脂対策
朝しっかりとメイクをしても時間が経つと、皮脂が浮いてきて化粧崩れを起こしてしまうと言う人も多いでしょう。
昼間の皮脂対策には、あぶらとり紙がおすすめです!
ティッシュで浮いた皮脂をこまめに押さえるという人もいますが、ティッシュによる摩擦でお肌を傷めてしまう可能性もあります。
あぶらとり紙は皮膚に優しい素材でできているので刺激も少なく、よく皮脂が取れます。
あぶらとり紙にはさまざまなメリットがあります。
・朝のメイク前に使用するとメイクの載りがよくなる
・日中の化粧直しに使用すると化粧崩れがしにくくなる
・お肌の新陳代謝がよくなる
・吹き出物などお肌のトラブルを予防する
実際にあぶらとり紙を使う際のポイントを説明しましょう。
1.皮脂が浮き始めたらこまめにオフする。
2.優しく軽く抑えるだけで十分。ゴシゴシこするとお肌が傷つくのでNG。
3.皮脂が浮きやすいTゾーンのひたい、鼻の周りは意識してオフする。
4.あぶらとり紙は使ったら捨てます。再利用せずに、いつも新しいものを使う。
(まとめ)皮脂を抑えて美肌を取り戻すポイント
2.過剰な皮脂が招くトラブル
3.皮脂が過剰に分泌する原因
4.正しいスキンケアで皮脂対策
5.保湿ケア
6.あぶらとり紙で皮脂対策
過剰な皮脂分泌の原因となる、男性ホルモンの1つテストステロンは思春期に増加しますが、大人になってからも増える場合があります。
その原因としては、ストレス・食事の乱れ・生活習慣などが影響しています。
毎日のスキンケアとあわせて、食事と生活習慣の見直しを行うことで、毛穴レスの美しい肌を取り戻すことができるでしょう。