乾燥肌を防ぐための洗顔に最適な温度とは?
乾燥肌が気になるときは、洗顔時の水の温度は高過ぎたり低過ぎたりしない方がよいでしょう
毎日の洗顔に使う水温はどのようにしていますか?
洗面台の蛇口から出る水をそのまま、顔に触れて心地よく感じられる温度のぬるま湯に調節する、あるいは入浴時には体と同じようにシャワーのお湯を使っている…など、さまざまな状況があることでしょう。
暑い夏には、キンキンに冷やした水で洗顔すると、ひんやりとして気持ちがよいものです。また、疲れたときには温かいおしぼりを顔にあててホッとすることがあります。
このように洗顔には気分をリフレッシュする役割も持っています。
インターネットや雑誌には、水温にまつわるさまざまな美容法が紹介されています。
熱いお湯を使うもの、冷たい水で行うもの、それぞれ効果があるようで興味がわいてきますね。
しかし、肌トラブルを抱えているとき、乾燥肌や敏感肌が気になるときは心配です。
「熱いお湯だと肌を傷める」「冷たい水だと汚れが残る」なども言われており、弱った肌への影響が心配です。
実際のところはどうなのでしょう…?
今回は、洗顔の際のすすぎの水温に関するさまざまな美容法をみながら、肌の状況にあった水温についてみていきましょう。
乾燥肌の場合、普段の洗顔には低めの温度のぬるま湯がオススメです。
広く言われていることですが、一般的にどのような肌タイプでも洗顔の際には、ぬるま湯がオススメです。
体温の前後にあたるものです。
皮脂は、低温時は固まっていますが、体温より少し低い温度で溶けはじめます。
もし、冷たすぎる水で洗顔すると、余分な皮脂が肌に固まったまま残ってしまうことになります。
また、洗顔料は水と混ざることでちょうどよい洗浄力を発揮するのですが、その時の水温が低すぎるとうまく溶けなかったり、成分が働かなったりすることがあります。
冷水で手が冷えていて思うように動かせず、洗顔やすすぎが不十分になることもあります。
すると、肌の汚れが落ちきらず残ったままになり、肌トラブルにつながるのです。
一方で熱すぎるお湯での洗顔は、本来必要な皮脂や潤い成分まで溶かして流し去ってしまいます。
また、手で触って大丈夫と思っても、顔にかけると思いのほか熱く感じ、ヤケドをしてしまう可能性があります。
余分な皮脂や汚れをしっかり取り除きながらも、必要な潤いは残すことができるのは、ぬるま湯での洗顔なのです。
乾燥肌や敏感肌のときには、なおさら肌の潤いを残さなくてはなりません。それには、少しだけぬるま湯の温度を下げてみるとよいでしょう。
以上のように、乾燥肌や敏感肌のときには、肌触りのよいぬるま湯、それもちょっと温度が低めのものがよいのです。
冷た過ぎる水や熱過ぎるお湯を肌にあてることで、急激な温度差により血管が収縮するのですが、血管の幅がもとに戻りにくくなり、肌に赤みが出てしばらく残ってしまうことがあります。
乾燥肌や敏感肌の人は、皮膚が薄くなっているので、このような温度変化の影響を受けやすくなります。
こういった点も気をつけたいものです。
冷水洗顔の美容法
冷水での洗顔は、美肌で有名なタレントたちが何人も実践していると話題になりました。
一般的にはぬるま湯洗顔が推奨されていますが、あえて冷水で洗顔することのメリットがあるようです。
- 冷水で洗顔することで本来必要な皮脂や潤いを奪わずに済む
- しっかり肌を冷やすことで、毛穴の開きや肌のたるみを引き締める
この2つです。
もともと乾燥肌や敏感肌に悩んでいる人は、皮脂や肌の潤いを少しでも守りたいところです。ぬるま湯を使うと、それらが多少失われますが、冷水で洗顔することで、流れ出る量をぐっと減らすことができるのです。
肌の乾燥が強いほど、「余分な皮脂」というものは存在しないので洗顔で取り除く必要がありません。
顔に付着したゴミやホコリは、水洗いのみで洗い流せるはずです。
ですから、乾燥肌や敏感肌に悩む人は、冷水洗顔を行うのも一つの手段といえます。
また、冷たい水で肌を冷やすことで、一時的にではありますが、肌がキュッと引き締まります。
開いたままの毛穴も目立たないようになり、メイクの載りがよくなります。気になる肌のたるみやシワもシュッとします。
時間が経つと周囲の温度になじみ、肌が温まってもとに戻ってしまいますが、短時間でも美肌・小顔効果が期待できます。
このようなメリットがある冷水洗顔にはいくつかパターンがあるようです。具体的にどのようなものか、見ていきましょう。
通常の洗顔をすべて冷水で行う方法です。
洗顔の始めに顔をぬらすところから最後のすすぎまで、一貫して冷水で行います。必要な皮脂の流出を防ぐことができます。
注意すべき点は、冷水はぬるま湯に比べ、すすぎの際に皮脂を守る一方で、洗顔料の汚れも残りやすくなります。ぬるま湯洗顔のときより回数を多く、何度も水をかけてしっかりすすぐことが大切です。
また、冷水でもきちんと洗い流せるような洗浄力の優しい洗顔料を選んで使うようにしましょう。
乾燥肌や敏感肌のための洗顔料は肌に優しくつくられており、シンプルな成分の固形石けんはさっぱりとすすぎやすくなっているのでオススメです。
洗顔は、普段使いの洗顔料とぬるま湯で、すすぎまで通常の方法で行ったのち、仕上げに冷水を顔にかけるという方法です。
冷たい水をかけることで肌が急激に冷えて引き締まります。
開いたままの毛穴が小さくなり、肌全体のキメが細かくなります。朝の洗顔の際に行えば、このあとにするメイクの載りがよくなります。
肌が引き締まることで、たるみやシワも目立ちにくくなります。
また、温度差で血管が収縮するので血行が促進され、新陳代謝がよくなって美肌の再生につながり、顔色も冴えてイキイキとした表情が生まれます。
しかし、時間が経つと周囲の温度の影響で温まってくるので、肌の引き締まりも緩んでもとに戻ります。
また、額や頬の赤みがなかなか消えなくなることもあるので、肌の弱い人は様子を見ながら行いましょう。
ヒートショックプロテインを増やす、熱めのお湯での洗顔方法
「美肌のためにはぬるま湯で」という、これまでの概念をくつがえすのが、ヒートショックプロテインを増やす美容法です。洗顔や入浴で取り入れる人が増えてきています。
ヒートショックプロテインとは、熱をはじめとしたさまざまなストレスにより傷ついた細胞を守り、修復しようとして生成されるタンパク質のことです。
ヒートショックプロテインが増えることで、細胞が修復され活性化します。新陳代謝がよくなり、免疫力がアップするといわれています。
この力を利用するために、ぬるま湯より熱めの42℃での洗顔や入浴を行う、という方法があります。
しかし、乾燥肌や敏感肌など、肌が弱っているときに高温のお湯で洗顔するのは避けましょう。
皮膚の層が薄くなっていたり、肌バリアが壊れていたりするときに、熱いお湯で刺激を与えると、大きなダメージを与えてしまいます。
肌の状態が悪化してしまい、新陳代謝の改善や免疫力アップどころではなくなってしまいます。
朝は起きてすぐシャワーを浴びたり、夜はお風呂と一緒に洗顔したりといったように、シャワーで洗顔をする機会は多いと思います。
しかし、シャワーの給湯温度は、皮膚が厚くて丈夫な全身を洗うときの適温なので、刺激に弱い乾燥肌や敏感肌には高過ぎるのです。
顔に必要な皮脂まで洗い流されてしまうことになり、その後肌はハリが失われてつっぱり、シワやたるみ、乾燥を招くことになります。
毎日続けていると、肌の老化がより進んでしまうでしょう。
シャワーでの洗顔を避けたいもう一つの理由は、水圧が高いことです。
シャワーを浴びている最中はマッサージのように心地よく感じて長く続けてしまうかもしれませんが、意外に高い水圧がかかって肌を刺激し続けているのです。
このシャワーの水圧による刺激は、シミやシワ、たるみの原因となることがあります。
しかし、どうしても時間の都合や生活習慣により、シャワーで洗顔をしなくてはならないことがあるでしょう。
そういった場合にはお湯の温度を下げる、汚れを洗い流しながらも短時間に収めるなどを心掛けましょう。
また、シャワーの水圧自体を下げるために、よりミストに近い状態で水が出されるシャワーヘッドに取り換えるという方法もあります。
細かく柔らかい水が出てくるので、全身を洗う際も肌触りも優しくなっています。節水効果もあるためオススメです。
洗顔後に気をつけたいポイント
洗顔が正しく行われても、その後の過程で間違ったケアをしてしまわないように、注意すべきポイントをいくつか挙げておきます。
洗顔したあとの顔の拭き取りは丁寧にしましょう。清潔なタオルを用いて、優しく顔を包み込むようにします。タオルで優しく押さえるようにして、水分を吸い取るイメージで行います。
ゴシゴシとタオルで拭くと摩擦が起こり、肌の乾燥の原因となりますので絶対にやめましょう。
落とすべき汚れをきちんと洗い流した後は、しっかりと保湿します。洗顔後は乾燥が進んでいくので、できるだけすみやかにスキンケアで十分な水分を補いましょう。
保湿する際も同様にこすったりせず、優しく肌にのばすようになじませます。乾燥が気になる場所は重ねぬりをしましょう。
(まとめ)洗顔の際の水温は、通常はぬるま湯がよいでしょう
2.冷水や熱めのお湯での洗顔方法もあり、バラエティに富んでいるが、肌が弱っているときは行うべきでない
3.乾燥肌や敏感肌のときには、肌にダメージを与えるのでシャワーでの洗顔は避ける
洗顔の際の水温は、基本的にぬるま湯がオススメです。
肌を引き締める冷水洗顔、ヒートショックプロテインを増やす熱めのお湯での洗顔法などがありますが、乾燥肌や敏感肌などのときは避けるべきでしょう。
自分の肌の様子を見ながら適温を選んで洗顔をすることで、健康的で美しい肌を維持していきましょう。