乾燥肌が気になるのでお湯だけで洗顔してもいい?

乾燥肌が気になるので、お湯だけで洗顔してもいい?

極度の乾燥肌でない限り、お湯だけで洗顔するのはNGです

極度の乾燥肌でない限り、お湯だけで洗顔するのはNGです
空気の乾燥する季節が近づいてくると、なんとなく肌がカサカサとして、肌の乾燥が気になり始めますね。

最近では、エアコンの風が一年を通して肌に吹きつけることで、いつも乾燥肌に悩まされるという人も増えています。

このように、肌が乾燥してくると、毎日の洗顔にも神経質になりがちです。洗顔は、肌の上にある余分な汚れや皮脂を洗い落とすことができます。しかし、それと同時に、肌の潤いも一緒に洗い流してしまいます。

洗顔後に肌がつっぱるような感じがしたり肌がカサカサになったりするのは、そのためです。潤いをなくした肌は乾燥していきます。洗顔後は、肌は無防備な乾燥状態にあるのです。

そのため、洗顔はできるだけ簡単にして必要な脂分を残しておきたいと、お湯だけで洗顔する人がいます。しかし、お湯だけで洗顔を終わらせることは、かえって肌に負荷をかけてしまうリスクがあります。

お湯だけの洗顔をし続けていると、かえって乾燥肌を助長してしまうこともあるのです。
そこで、お湯だけで洗顔することのリスクや、乾燥肌の洗顔料の選び方などについて考えてみたいと思います。

起床後や一日活動した後の肌はどうのようになっているの?

就寝前にメイクを落としてから朝、目が覚めるまでの間、私たちの肌には布団などから出るホコリや汚れ、自分の汗や皮脂、寝る前のスキンケアでの化粧水や美容クリームが酸化したものが付着しています。

日中は終わりのない家事や育児、空調管理された室内であわただしい仕事、混雑する電車で帰宅、最終的にメイクを落とすのは就寝前のバスタイム…と、私たちは、忙しく動き回っています。

そのため、朝起きて顔を洗い、メイクをしてから洗い流すまでの間には、メイク汚れ、皮脂や汗、排気ガスやPM2.5(微小粒子状物質)などの大気汚染物質、タバコの煙などの化学物質、花粉などが肌の負荷になっています。

このように見てみると、肌には常にダメージを与える原因になる、さまざまな異物が付着しているといえます。このような肌をお湯のみで洗い流そうとした場合、どのようなことが起こるのでしょうか。

お湯だけ洗顔のリスクは?

お湯だけ洗顔のリスクは?
お湯は温度が高いので、水と違って皮脂が溶けて洗い流しやすくなっています。
そのため、過度に肌を乾燥させないために、洗顔料を使わずにお湯だけで洗顔する人が増えています。

しかし、忙しく動き回る現代人は、さまざまな悪影響を及ぼすと考えられる物質を肌に付着させています。また就寝中も皮脂分泌はさかんに行われており、肌は厳しい環境下に置かれています。

そんな付着物を、お湯だけで完全に落としきることはできません。お湯だけで洗顔することは、かえって肌トラブルが起きやすい原因になってしまうのです。

1.私たちの肌は、天然保湿クリームの役割を果たしてくれる皮脂と汗が分泌されています

私たちの肌は、一日中、皮脂を分泌しています。皮脂を構成している成分は、トリグリセライド、ワックスエステル、スクアレンなどがあります。

この皮脂は、汗と混ざりあうことで皮脂膜を作ります。昼間だけでなく就寝中もコップ1杯の汗をかいているのですから、肌は常に皮脂膜におおわれていることになります。

皮脂膜は「天然保湿クリーム」と呼ばれているように、肌のバリア機能を持っています。肌を保湿しているだけでなく、肌をちりやホコリ、ウイルスなどの細菌から守ってくれているのです。

天然保湿クリームである皮脂と汗は、洗顔で洗い流し過ぎるとバリア機能を失い、肌を乾燥させるなどダメージを与えてしまいます。

しかし、だからといって古い皮脂までそのまま放置してしまうと、かえって多くの肌トラブルを引き起こす原因になることもあります。

2.一部のトリグリセライドとワックスエステルが変性皮脂になって肌にダメージを

肌の上で古くなった、一部のトリグリセライドとワックスエステルは、変性皮脂に姿を変えます。この変性皮脂は、肌のバリア機能や肌の保湿力を低下させるなど、肌に悪影響を与えます。

変性皮脂におおわれて保湿力を失った肌は、毛穴が開いたりキメが乱れたりします。毛穴の動きも鈍るため、毛穴が詰まることにより、ニキビや吹き出物などの肌トラブル、肌老化も引き起こしてしまうのです。

当然、ターンオーバーの周期が乱れ、肌の回復力は鈍り、さらなる炎症を引き起こすという悪循環におちいります。その結果、保湿力を高めるはずがかえって肌が乾燥状態になることも珍しくないのです。

皮脂や汗は24時間分泌されています。また、変性皮脂も24時間生成されています。変性皮脂を洗い流して肌をリセットするためにも、お湯だけで洗顔を済ませてしまうのは避けるべきでしょう。

3.汚染物質などをいつまでも肌に付着させておくのも危険

日中、私たちの肌には、さまざまな物質が付着します。アレルギーを発症させる可能性のあるハウスダストや肌に悪影響を及ぼす可能性のある汚染物質や化学物質も、丁寧に洗顔しなければ洗い残してしまいます。

また、就寝中に美容効果を発揮するスキンケア製品も、時間の経過とともにその成分が酸素に触れて酸化してきます。酸化したスキンケア製品をそのまま肌に付着させておくのは問題です。

肌を清潔に保つことは、肌の健康を維持するためのスキンケアの基本です。
そのためには、汚れや余分な皮脂を洗い流すための洗顔を丁寧に行う必要があります。

余分な皮脂や汚れがいつまでも肌に残ることのないように、お湯だけで簡単に洗顔するのではなく、洗顔料などを使って丁寧にさっぱりと、余分なものを洗い流すようにしたいですね。

乾燥肌が気になるけれど、どんなときもお湯だけの洗顔はNG?

肌の中で、とくに乾燥しやすいのは目元や口元です。また、頬などもカサつく場合があり、顔ひとつとっても部分によってはひどく乾燥してしまっている箇所があります。

また、季節によっても乾燥の状態は変わってきます。夏の乾燥肌と冬の乾燥肌を比較した場合、明らかに冬の方が乾燥の程度がひどい場合があります。冬は外気の湿度が低く、夏場以上に肌の乾燥が進んでしまうのです。

生活習慣やストレス、月経の周期やホルモンバランスなどでも、肌の乾燥の程度は変化します。30~40代の女性は、年齢的なホルモンバランスの乱れから、乾燥肌になるケースもあるようです。

さて、個人ごとにさまざまな肌の状況があるのにもかかわらず、どんなときもお湯だけの洗顔はNGであると言い切ってしまうことはできるのでしょうか?

1.肌の乾燥がひどい場合には、お湯のみで洗うことも考えましょう

健康な肌は「普通肌」ですが、特別なケアが必要な肌には、3つのタイプがあります。
「脂性肌」、「乾燥肌」、そして脂性と乾燥が混ざった「混合肌」です。

この中で、過度な乾燥肌、混合肌の中でも部分的乾燥がとくに気になる場合には、お湯のみで汚れを落とすことも考えましょう。

たとえば、乾燥のために肌にかゆみがあったりヒリヒリとした痛みがあったりする場合です。皮膚に炎症が起きている場合は洗顔料を使って肌に刺激を与えてしまうと、さらに炎症を悪化させることがあります。

アトピー性皮膚炎が原因で極度の乾燥肌になってしまったようなケースなどです。その場合には痛みや肌の炎症が治まるまでは、お湯のみで洗顔するほうがよい場合もあります。

また、目元や口元、頬は、もともと皮脂の分泌量が少ない部分です。Tゾーンがベタつくからと言って顔全体をまんべんなく洗顔料で洗ってしまうと、目元、口元、頬の乾燥が悪化してしまうことがあります。

自分の肌の乾燥状態や皮脂の分泌量などをよく観察し、「お湯だけで洗う」という選択をすべきかどうか、しっかりと見極めてください。また、病院にかかっている場合には、医師の指示に従った洗顔を行ってください。

2.脂性肌や混合肌で過度に肌が乾燥していない場合には、しっかり洗顔を

2.脂性肌や混合肌で過度に肌が乾燥していない場合には、しっかり洗顔を
脂性肌の人や過度な乾燥が気にならない混合肌の場合には、お湯だけで洗顔していると、変性皮脂は完全には落としきれません。

洗顔料をしっかりと泡立てて、ゴシゴシとこするのではなく、肌の上で泡を転がすような感覚で泡と皮脂をしっかりとなじませ、優しく丁寧に皮脂を洗い流しましょう。

Tゾーン以外では、顎が皮脂の分泌が多くなりがちです。また、顎は、洗顔料の洗い残しがあり不衛生になりがちなパーツです。額の生え際から顎まで、洗顔料や皮脂が残らないように丁寧に洗い、すすぎましょう。

3.洗い過ぎを避ける工夫も

「乾燥肌だから、なるべく洗顔料やクレンジングで洗顔をしたくない」という人には、ダブル洗顔をしない、という工夫もあります。

クレンジングでメイクを落とした後に洗顔料で顔を洗ってしまうと、肌は2回も洗浄されることになり、乾燥肌が悪化する原因になってしまいます。

このようなときは、クレンジングにはクリームやミルクタイプの洗浄力の弱いものを利用して、ダブル洗顔をするようにしましょう。

または、クレンジングと洗顔の両方の機能をかね備えた洗顔料を使って、一度にメイク汚れと皮脂汚れを落とす方法もオススメです。

洗顔方法を工夫して、乾燥肌と上手につきあっていきたいですね。

洗顔料選びの際の注意点

洗顔料選びの際の注意点
乾燥肌の場合、洗顔料選びにも注意が必要です。具体的には合成界面活性剤フリーの洗顔料を選んだり、肌への負担軽減のために泡立ちや泡もちのよい洗顔料を選んだりしましょう。

できれば、中性か弱酸性の洗顔料で、角質層の中にある細胞間脂質や天然保湿因子まで洗い流さずに済むものがベストです。

これら条件を兼ね備えている洗顔料のひとつが、純石けんです。純石けんを使うと、一旦皮膚はアルカリ性に傾きますが、皮膚自身の持っている弱酸性に戻る力が作用するため、あまり問題になりません。

また、石けんの特徴として、洗い流した際に界面活性力が消滅することがあります。そのため、石けんを使って洗顔しても、肌が長時間、界面活性剤の影響を受けることがないのです。

昔ながらの純石けんなども選択肢に入れながら、自分の肌の乾燥状態にあった洗顔料を見つけましょう。最適な洗顔料を見つけたら、しっかりと泡立てて、泡で優しく洗顔してください。

洗顔料を肌に載せている間に、肌からは潤いがどんどん失われていきます。手際よく洗顔して、余分な皮脂や汚れだけをしっかりと洗い流していきましょう。

(まとめ)乾燥肌でもできる限り、お湯だけの洗顔は避けましょう

1.肌には、皮脂やさまざまな汚れなどが付着している
2.付着している皮脂をそのままにしておくと変性皮脂となって、肌に悪影響を与える
3.過度な乾燥肌でない限り、皮脂や汚れを洗顔料で丁寧に洗い流すことが必要

肌の状態は人それぞれです。自分の肌が乾燥しているのか、皮脂の分泌が盛んなのかをよく観察して、自分の肌に合った洗顔方法で洗顔を行いましょう。

過度の乾燥状態でなければ、合成界面活性剤などが含まれていない洗顔料で皮脂や汚れを丁寧に落とすことは重要です。肌を清潔に保ち、乾燥肌を悪化させないためにも、自分にあった正しい洗顔を心掛けましょう。

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