お肌の内側の保湿力を高めるにはどうしたらいい?
目次
お肌の内側にある本来の保湿力をアップさせましょう
毎日しっかりお手入れしても、洗顔後のつっぱり感が気になったり、口周りが粉をふいたようにカサカサしたりと、そうした経験はありませんか?
こうした状態になるのはお肌が乾燥しているからです。
お肌の乾燥は空気が乾燥していた寒い時期だけと思われがちですが、一年を通して悩んでいる人が多い肌トラブルです。夏はエアコン、冬は暖房と、年間通してお肌は乾燥した空気にさらされているのです。
乾燥したお肌はざらざらと質感も見た目もよくありません。毎日のファンデーションのノリも悪くメイクも崩れやすくなります。
乾燥した肌をお手入れもせず放っておくと、お肌の表面に小じわが生じます。しだいに深いシワとなり、ほうれい線へと悪化するでしょう。シミ、たるみなども引き起こしやすくなりお肌の老化を早めてしまいます。
お肌が乾燥すると、お肌のバリア機能が弱まりさまざまな肌トラブルを引き起こしやくなります。さらにはお肌が本来もっている保湿成分が流出しやすくなるため、乾燥肌をさらに進行させてしまうのです。
乾燥肌を改善、予防するためにはお肌の保湿力をキープすることが大切です。保湿力を低下させる原因、保湿力をキープするための対策を紹介します。
お肌の保湿力を高める内側からのケア
お肌がカサカサと粉を吹いたようになり、洗顔後につっぱり感があると、多くの人は保湿ケアを念入りに行うでしょう。化粧水をたっぷりとつけ、高価な美容液を使い、お肌に水分をたくさん入れることを考えます。
しかし、お肌に化粧水をたっぷりとつけてもそれは、お肌を保湿しているとはいえないのです。化粧水をつけた一時的な潤いで、時間が経つとともにお肌はもとのカサカサの乾燥状態になるでしょう。
乾燥肌を改善するためには、正しい保湿が重要です。それは、お肌が本来もっている保湿力を高め、潤いを保つお肌のバリア機能をサポートできるように、お肌の環境を整えることです。
私たちのお肌は自ら潤う力をもっています。その力を活かす内側からのケアを施すことで、健康で美しいお肌を取り戻すことができるでしょう。
お肌が本来もつ保湿力とは
人の肌は外側から表皮、真皮、皮下組織の3層構造になっています。その中でもお肌がもつ保湿力に大きな影響を与えているのが、表皮の一番外側にある角質層です。角質層の働きによって、お肌の潤いが保たれています。
角質層の中では、アミノ酸などの天然保湿因子(NMF)を含む角質細胞が生成されています。
角質細胞はブロック状に重なっており、その角質細胞と角質細胞をセラミドなどの細胞間脂質がつなぎあわせています。そうしてお肌の水分が体内から蒸発しないように防いでいるのです。
さらに角質層を薄い膜がおおっています。この膜を皮脂膜といいます。皮脂腺から分泌された皮脂と、汗腺から分泌された汗が混ざり合ってつくられた膜で、皮膚の表面をクリームのようにカバーしています。
この皮脂膜が角質層をおおうことで、お肌の内部から水分が蒸発しにくい構造となります。また空気中のホコリ、細菌、花粉、ウイルスや紫外線など外部からの異物混入を防いでお肌の内側を守る役目を果たしているのです。
皮脂膜は洗顔料を使って洗顔をすると流れてしまいます。しかし皮脂や汗は常に分泌されているので、洗顔後しばらくするともとの状態に戻ります。そのため、皮膚はある程度の潤いを常に維持することができるのです。
こうした角質層のお肌の水分を蓄え、体内の水分蒸発を防ぐ働き、皮脂膜による外部の刺激からお肌を守る機能をお肌のバリア機能といいます。
お肌のバリア機能が正常に働いていることで、お肌は保湿力が保たれ潤っているのです。しかしこのバリア機能が低下してしまうと、お肌はカサカサの乾燥肌になってしまうのです。
このバリア機能を担う角質層の環境を整えるスキンケアを毎日行うことが、健康で美しいお肌を維持するためには大切なのです。
お肌の保湿力が弱まる原因とは
お肌のバリア機能が低下すると、お肌の内側の水分が蒸発しやすくなります。また角質層内の天然保湿因子(NMF)、細胞間脂質が減少して、お肌の保湿力は低下して乾燥肌を招きます。
バリア機能が低下する原因を挙げていきます。
間違ったスキンケア
クレンジングや洗顔の際に、ゴシゴシこすり洗いをしたり、スクラブ洗顔、ピーリング、毛穴パックなどを頻繁に行うと角質層は傷つき水分が蒸発しやすくなってしまいます。
洗浄力の強いクレンジング剤や洗顔料の使用もお肌にはよくありません。お肌にとって強い刺激となる合成界面活性剤という洗浄成分が入っています。
合成界面活性剤が大量に入ったクレンジング剤や洗顔料を毎日使っていると、お肌の保湿力となる角質層内の天然保湿因子、細胞間脂質、皮脂を洗い流してしまい保湿力が低下します。
またクレンジングや洗顔時に、熱いお湯ですすいだり、1日に何度も洗顔するのも、角質層内の保湿成分を流してしまう行為です。
お肌のターンオーバーの乱れ
お肌の新陳代謝といわれるターンオーバーは、お肌の生まれ変わりのことです。角質細胞で日々生まれる細胞が、皮膚の上へ上へと押し上げられ、角質層に到達した古い角質は自然にはがれ落ちていきます。
このターンオーバーによりお肌のバリア機能を維持しているのですが、間違ったスキンケア、生活習慣や食生活の乱れなどによって、ターンオーバーは乱れます。
すると、古い角質がはがれ落ちずに蓄積されたままになり、お肌は乾燥してしまいます。
逆にターンオーバーのサイクルが早過ぎても、未熟な角質細胞で形成されてしまうため乾燥が進行します。
紫外線による影響
紫外線は一年中降り注いでいます。紫外線をお肌が浴びると、皮膚の表皮に大きなダメージを受けて、皮膚の表面をおおう皮脂膜が機能しなくなり、お肌のバリア機能が低下してしまいます。
お肌のバリア機能が低下すると、角質層から水分が蒸発してお肌を乾燥させる原因になります。
紫外線は皮膚の真皮内にある線維芽細胞、コラーゲン、エラスチンなどにダメージを与え、シワ、ほうれい線、たるみなどお肌の老化の原因をつくります。
紫外線はお肌に何一つよいことはありません。
日差しの強い季節だけでなく、一年を通して紫外線対策を行うことが健康なお肌を保つための大きなポイントになるでしょう。
空気の乾燥
空気の乾燥は秋から冬にかけてピークになります。また夏はエアコン、冬は暖房と一年中、室内の空気は乾燥状態です。こうした環境に長時間いることで、角質層から水分はどんどん奪われ乾燥肌の原因になります。
加齢
角質層内の天然保湿因子や細胞間脂質、皮脂膜をつくる皮脂は加齢によって減少していきます。それによってお肌のバリア機能が低下し、外部からの刺激に弱くなり、肌内部の水分量も低下します。
お肌が本来もつ保湿力を高める洗顔方法
乾燥肌を改善するためには、お肌が本来もつ保湿力を高め、お肌のバリア機能を傷つけずに守るスキンケアを施すことです。そのためには毎日の洗顔を正しい方法で行うことがとても重要です。
洗顔は、皮脂や顔についた空気中のホコリ、雑菌などを除去するのが目的です。洗顔は1日2回が目安で、それ以上顔を頻繁に洗うと角質層内の保湿成分が流れてしまうので要注意です。
正しい洗顔方法のポイントは、洗顔料を泡立てて、たっぷりの泡で汚れを落とすことです。その際ゴシゴシとこすり洗いをしなくても、たっぷりの泡が汚れを吸着してくれます。優しく泡をなでるように洗うのがコツです。
正しい洗顔方法の手順を紹介します。
1.石けんで手をキレイに洗浄します。ぬるま湯で顔を流します。
2.洗顔料をよく泡立てます。泡立て用のネットを使うとたっぷりの泡が簡単に短時間でつくることができるのでオススメです。
3.たっぷりの泡を皮脂の多いTゾーンから載せていきます。お肌の上で泡をクッションにして優しく洗います。次にフェイスライン、最後は皮膚の薄い目元、口元を洗います。
4.ぬるま湯でしっかりとすすぎます。髪の毛の生え際、小鼻周り、フェイスラインは洗顔料が残りやすい部分なので意識してすすぎましょう。ゴシゴシとこすらずにお湯を当てるように優しく流します。
5.清潔な柔らかいタオルで、優しくお肌に押し当てるように水分を吸い取ります。強くこすらずに、軽く押さえるように拭きましょう。
洗顔後はすぐに保湿ケアを行います。
お肌が本来持つ保湿力を低下させないクレンジング方法
毎日使うクレンジング剤は、お肌に刺激の少ないタイプを選びましょう。そのポイントは、クレンジング剤に配合されている合成界面活性剤の量が少ないものを選ぶことです。
オススメは、クレンジング剤の中でも合成界面活性剤の配合量が少ないクリームタイプです。お肌の水分量と皮脂量のバランスを崩さずに洗い上げます。乾燥肌や敏感肌も安心して毎日使うことができます。
毎日使いに向いていないクレンジング剤は、オイルタイプと拭き取るシートタイプです。どちらも素早くメイクをオフできるのですが、それは合成界面活性剤の配合量が多いからです。
では、お肌が本来持つ保湿力を低下させないクレンジングの方法を説明します。
- 洗浄して清潔にした手に、適量のクリームクレンジングを取り出します。乾いた顔にクレンジング剤を載せて、指をクルクルと回しながらメイクとなじませていきます。ゴシゴシとこすらずに優しく丁寧に行います。
- クレンジング剤とメイクがなじむと、指がフッと軽くなる瞬間があるのでそれを合図にぬるま湯でメイク汚れを流します。手でこすらずに、お湯を顔に当てるようにすすぎます。
(まとめ)お肌が本来持つ保湿成分を低下させないケアが大切です
2.間違ったスキンケア、ターンオーバーの乱れ、紫外線の影響、空気の乾燥、加齢などが原因でお肌の保湿力が弱まる
3.バリア機能を傷つけないスキンケアを心掛けて、お肌が本来もつ保湿力を高める
乾燥肌や肌荒れなど、肌トラブルを予防、改善するためには、角質層に存在する保湿成分を減少させないことが大切です。そのためには角質層を傷つけない正しいスキンケアを施すことです。
これまでの自己流スキンケアを見直して、お肌の内側から潤いを高め、健康で美しいお肌を目指しましょう。