- かゆみ
- 湿しん
- 吹き出物
どうして口の周りは乾燥肌になりやすいの?
目次
もともと皮膚が薄いため口の周りは乾燥しやすくなっています
「口の周りだけが粉を吹いたようにカサカサしてファンデーションのノリが悪く、見た目も良くなくて恥ずかしい思いをした。」
「口の周りの乾燥がひどくなって、かゆみも出てきて皮膚が赤くなってしまった。」
こうした口の周りだけが乾燥してしまうという経験のある方は多いのではないでしょうか?
毎日しっかりとお肌の保湿ケアをしているのに…なぜか口の周りだけがカサカサになってしまうのです。乾燥肌が悪化すると、
ができやすくなりますし、
- シミ
- シワ
- たるみ
などお肌の老化は乾燥肌が大きな引き金となります。口の周りの乾燥はとくに「ほうれい線を」増やしてしまいます。
お肌の保湿ケアをしているのに、なぜ口周りだけが乾燥してしまうのでしょうか?
その原因は、口周りは顔の中で一番皮膚が薄いからです。そのため外部の刺激にとても敏感なのです。
口の周りは汗腺が少なく、汗の分泌が他のパーツに比べてかなり少ないのです。そのため乾燥しやすく、肌荒れも起こしやすい部分です。
そうした口の周りの乾燥を防ぐには、保湿と刺激の軽減が必要です!今回は口の周りの乾燥肌について説明していきます。
口の周りの乾燥肌の改善策は保湿がポイント
きちんとスキンケアをしているのに、なぜか口の周りだけが乾燥する。その理由は皮膚が薄く汗腺が少ないことが大きな原因ですが、その他にもいくつかあるので見ていきましょう。
- 皮膚の構造が薄い
- 汗腺が少なく、汗の分泌量も少ない
- 皮脂腺が少なく、皮脂の分泌量も少ない
- 保湿ケアがしにくい凹凸が多い部分で、ぬりムラが出やすく成分が浸透しにくい
- 顔の中で摩擦がもっとも多い部分である
- 手で触れる機会が多く、スキンケアをしてもすぐに取れてしまう
- 口の周りをなめるクセがある
- ホルモンバランスの乱れ
- 生活習慣の乱れ
- 食生活の乱れ
- 胃腸の働き低下
などがあります。
毎日の生活で何となくやっている行動が、口の周りの乾燥につながっていることがわかります。
また胃腸に不調がある場合、口の周りにさまざまな症状が出やすいといわれています。暴飲暴食、アルコールの摂り過ぎもよくありません。
口の周りが荒れる原因を詳しく解説
口の周りが荒れる原因を詳しく説明していきます。
皮膚が薄い
全身の皮膚は、その場所によって厚さが異なります。一番皮膚が厚いのは足の裏です。足の裏の皮膚は厚さが約1.5mmといわれています。
一方、全身の皮膚で最も薄い場所が口の周りや目の回りです。皮膚の厚さは約0.6mmといわれています。
皮膚が薄いとどうして乾燥するのか…?
人の皮膚は外側から表皮、真皮、皮下組織という3層構造になっています。表皮の一番外側にあるのが角質層です。口の周りのお肌が乾燥している状態というのは、角質層が乱れているからです。
角質層の中では、角質細胞が積み重なり、その中に天然保湿因子(NMF)が水分をしっかりと含んだ状態で存在しています。ブロック状に重なった角質細胞をセラミド、遊離脂肪酸やコレステロールなどの細胞間脂質がつなぎあわせています。
こうしてお肌の中の水分が蒸発しないように防いでいるのです。この角質層を薄い皮脂膜がおおっています。
皮脂膜とは?
また、紫外線やウイルス、空気中のホコリ、細菌など外部からの異物の侵入を防いでお肌の内側を守る機能を果たしています。
こうした皮膚の保湿機能、外部からの菌の侵入を防ぐ機能などをお肌のバリア機能といいます。目元や口の周りなど皮膚が薄い部分は、もともと水分量や汗の量が少ないことから、お肌のバリア機能が弱く乾燥や肌荒れを起こしやすくなるのです。
また女性は加齢とともに、皮膚が薄くなるといわれています。その理由はホルモンの変化によって、皮膚の真皮層に存在するコラーゲンが減少するからとされています。
コラーゲンはタンパク質の一種で、人の体をつくるタンパク質の約3分の1を占めています。骨、筋肉、血管、髪など全身のほとんどに存在し、中でも皮膚に多く含まれています。
皮膚の真皮層の約70%はコラーゲンでできています。バネのような働きを持つコラーゲンが健康的で美しいハリと弾力、潤いのあるお肌をつくっているのです。
コラーゲンが不足すれば、お肌はカサカサに乾燥し、ハリと潤いのない不健康な状態になってしまうでしょう。コラーゲンは体内で合成されています。しかし加齢とともにコラーゲンの合成する量はどんどん減少していくとされています。保湿ケアでコラーゲンを積極的に取り入れていくことが大切です。
⇒お肌の内側の保湿力を高めるにはどうしたらいい?
口の周りは摩擦が多い場所
食事の最中に口の周りを拭いたり、落ちにくいリップをゴシゴシこすって落としたり、洗顔やクレンジングの際に口の周りをこすり洗いしていたりと、何かと口の周りを刺激することが多いです。皮膚が薄い口の周りを手やナプキンで強くこすると、肌摩擦が生じるためお肌は傷つき乾燥しやすくなります。
何かと口の周りをなめる、手や指で触るクセのある人はさらに乾燥を早めてしまうでしょう。寒い冬の季節は、鼻をかんだり、マスクをつけたりする機会が増えます。
その度にティッシュやマスクで口の周りの皮膚に摩擦が起きて、乾燥肌を引き起こしやすくなります。また就寝中に枕や布団で、口の周りがこすれている可能性もあります。
スキンケアをしっかりしていても、お肌の乾燥がなかなか改善しないという人は寝ている間も要注意です。
保湿ケアが不十分
口の周りはデコボコしているので、化粧水やクリームがきちんと塗布できていないことがあります。保湿ケアのコツは顔全体にムラなくぬることです。口の周りは意識してケアしないとお手入れが行き届かなくなりがちです。
口の周りの乾燥肌を予防・改善(1) 保湿ケア
口の周りの乾燥を改善するためには、毎日の保湿ケアを丁寧に行うことが大切です。
洗顔後はお肌が乾燥しやすくなっているので、時間を空けずに保湿ケアを行いましょう。保湿ケアで使う化粧品はお肌のバリア機能をサポートする成分が配合されているものを選びましょう。
もともと角質層に存在するセラミド(セラミド1、セラミド2、セラミドAP、セラミドNP)、コラーゲン、ヒアルロン酸、アミノ酸など保湿成分が配合された化粧品が良いでしょう。
デコボコした口の周りをしっかりとお手入れするコツは、重ねぬりをすることです。少量を手に取り、こすらずにお肌をおおうようにしてじんわりと奥まで浸透させていきます。
スペシャルケアとして口の周りをパックするのもオススメです。
やり方
- 洗顔後、コットンを水でぬらして軽くしぼり、いつも使っている化粧水をたっぷりと含ませます。
- 化粧水を含ませたコットンを乾燥が気になる部分にパックして約3分待ちます。
- コットンの上にラップをするとさらに保湿がアップします。
- パックの後は乳液やクリームでお肌を整えてあげましょう。
⇒乾燥肌のためのスキンケアまとめ
口の周りの乾燥肌を予防・改善(2) 洗顔・クレンジング
洗浄力の強い洗顔料やクレンジング剤には、油分を落とすための合成界面活性剤が配合されています。
この合成界面活性剤はお肌に必要な皮脂や角質層内の保湿成分、セラミドを一緒に洗い流してしまうともいわれています。その結果、お肌のバリア機能が低下して乾燥肌を招く原因になります。
乾燥肌を改善するためには、合成界面活性剤が少ないクリームタイプのクレンジング剤、天然成分でつくられたシンプルな洗顔料を使うのがオススメです。
洗顔・クレンジングをする際のポイントです。
ゴシゴシとタオルでこするのは皮膚を傷つけてしまうのでNGです。
⇒洗顔・クレンジングで注意したい肌に悪い成分
口の周りの乾燥肌 予防・改善策(3) 紫外線対策
紫外線量は夏の暑い時期が多いのですが、少量でも長く浴びるとお肌の乾燥はもとよりシミ、シワをつくる原因になります。紫外線はお肌に何一つよいことはありません。
紫外線は年間を通して降り注いでいます。そのため一年を通して紫外線対策をしっかりと行いましょう。最も手軽な方法は、日焼け止めを塗ることです。
その際に気をつけることは、日焼け止めは汗で流れてしまいます。また時間が経つと劣化するので、小まめにぬり直すことが大切です。普段の外出時にしっかり日焼け止めを塗ることで乾燥肌を予防できます。
お肌のバリア機能を高めるビタミン
口周りの乾燥肌は角質層のバリア機能が低下していることが大きな原因の一つです。改善するためには毎日の保湿ケアに加えて、身体の中からお肌によいビタミンを積極的に取ることが大切です。
お肌の乾燥を改善するビタミン類と豊富に含まれている食材を紹介します。
ビタミンA
お肌の新陳代謝といわれるターンオーバーの働きを正常に保ちます。不足するとバリア機能が低下して乾燥肌を招きます。
- ニンジン
- カボチャ
- ホウレンソウなどの緑黄色野菜
- レバー
- ウナギ
- 乳製品
- 卵 など
ビタミンB群
ターンオーバーを活発にする働きがあります。お肌の乾燥による炎症を抑える働き、老化の原因となる過酸化脂質を消去する作用も期待できます。
- 豚肉
- レバー
- サンマ
- 緑黄色野菜
- 大豆
- 牛乳
- 納豆
- 卵 など
ビタミンE
お肌のバリア機能を高める働き、老化を防ぐ抗酸化作用、血行促進作用などが期待できます。
- アーモンド
- ピーナッツ
- ウナギ
- モロヘイヤ
- アボカド
- パプリカ(赤)
- カボチャ など
ビタミンEは、1日に必要な摂取量を食事だけでは十分に取れないため、サプリメントなど栄養補助食品をあわせて摂取するのがオススメです。
(まとめ)口の周りの乾燥肌対策、お手入れは保湿がポイントです
2.保湿ケアで、肌のバリア機能をサポートする成分を補う
3.肌に刺激の少ない製品で、こすらない洗顔やクレンジングを行う
4.通年での紫外線対策が必要
口の周りは、皮膚が薄く刺激を受けやすい部分です。そのため乾燥もしやすく、他の部分よりも保湿ケアをしっかり行うことが改善策のポイントです。日常生活や洗顔方法の見直しも行い、潤いある口元を目指しましょう。