ひどい乾燥肌は洗顔が原因?

ひどい乾燥肌は洗顔が原因?

間違った洗顔法を続けると、乾燥肌は悪化します

間違った洗顔法を続けると、乾燥肌は悪化します
お肌の乾燥は、一年を通して多くの人が悩んでいる肌トラブルです。洗顔した後にお肌がつっぱる、ゴワゴワするのが乾燥肌の症状です。ひどくなると、かゆみを伴うこともあります。

また乾燥肌をお手入れせずにそのままにしておくと、シミ、シワ、ほうれい線、たるみなどの肌老化が一気に進んでしまいます。お肌がカサカサしてきたらすぐに対策を取ることが美肌づくりの鉄則です。

こうした乾燥肌の原因は、加齢、間違ったスキンケア、室内環境、ビタミン不足、紫外線の影響、生活習慣の乱れ、食生活の乱れなどがあります。

とくに間違ったスキンケアを続けていると、お肌は悪化の一途をたどるのみです。お肌の乾燥は、皮膚の一番上にある角質層が荒れている状態です。

角質層はお肌の水分の蒸発を防ぎ、異物やアレルギー物質など外部の異物混入からお肌を保護するバリア機能の働きを持っています。しかしこのバリア機能が乱れてしまうとお肌は一気にカサカサになります。

バリア機能の低下の原因の大きな一つが、間違った洗顔方法によるものです。ひどい乾燥肌を改善するためには、正しい洗顔方法でバリア機能の働きを正常にすることが肝心です。

ひどい乾燥肌を改善する洗顔とは

お肌の乾燥は、お肌の表面をおおう表皮の一番上にある角質層が荒れている状態のことです。角質層内の水分が蒸発し、保湿成分のセラミドなどが減少するために肌はカサカサになるのです。

角質層は0.02〜0.03mmの厚さで、「角質細胞」が重なってできています。
角質細胞同士がブロック状に重なったそのすき間を、セラミドなどの「細胞間脂質」が接着剤のようにくっつけてすき間を埋めています。

こうしてすき間を埋めることで、お肌のバリア機能の役割を果たしているのです。しかし角質細胞や細胞間脂質のセラミド、遊離脂肪酸、コレステロールは、加齢とともに減少していくことが分かっています。

さらに毎日の間違った洗顔によって、保湿成分のセラミドは洗い流されてしまいます。加齢は誰にでも起こり得る自然現象で避けることはできませんが、毎日の洗顔方法は今日からでも見直すことが可能です。

ひどい乾燥肌の原因となる間違った洗顔方法

洗顔は本来、お肌の汚れを取り除き、清潔にして健康なお肌へと導くためのものです。しかし間違った方法で洗顔を続けると、皮膚のバリア機能が低下して乾燥肌はもちろんさまざまな肌トラブルの原因になります。

間違った洗顔方法を紹介します。これまでの自己流の洗顔方法を見直しましょう。

1.ゴシゴシこする

毛穴の汚れや皮脂汚れをしっかり除去したいからと、ゴシゴシこすり洗いするのはお肌の刺激となります。タオルで拭く時、保湿ケアの時も、ゴシゴシとこすってはいけません。

皮膚のバリア機能の働きを持つ角質層は、ゴシゴシと強い力が加わると、ダメージを受けてしまいます。乾燥肌はさらに悪化し、他の肌トラブルを引き起こす原因にもなります。

2.洗浄力の強い洗顔料

科学的に合成して作られた合成界面活性剤が配合された洗顔料は、乾燥肌をさらに悪化させる可能性があります。

合成界面活性剤は、角質層にある角質細胞やセラミドなどの細胞間脂質も洗い流してしまいます。

その結果、角質層は傷つき、水分の蒸発、外部から異物の侵入などお肌のバリア機能が低下してしまいます。バリア機能が低下することで、お肌はカサカサに乾燥するのです。

3.熱いお湯で流す

熱いお湯は汚れを落とすイメージがありますが、お肌に必要な皮脂、また細胞間脂質のセラミドまでも洗い流してしまうといわれています。洗顔は、ぬるま湯を使って丁寧に流しましょう。

4.洗顔後お肌がぬれたままになっている

洗顔をした後は水分をしっかり拭かずに、多少お肌に残っているぐらいが保湿にもよいと勘違いしている人がいます。
しかしこれは大きな間違いです。

洗顔後は、お肌の表面温度が下がるとともに水分もどんどん蒸発していくのです。そのため、お肌は濡れたままにせず、清潔なタオルでしっかりと拭きましょう。そしてすぐに保湿ケアを行い乾燥からお肌を守ります。

5.洗顔のし過ぎ

洗顔は1日2回までが目安です。それ以上洗顔をしてしまうと、お肌に負担をかけてしまいます。お肌に必要な皮脂までも洗い流し、乾燥肌を招くでしょう。

また洗顔料を使うのは夜のみで、朝はぬるま湯でサッと流すだけでも汚れは落ちています。

ひどい乾燥肌を改善する正しい洗顔方法

ひどい乾燥肌を改善する正しい洗顔方法
間違った洗顔は、お肌のバリア機能を低下させます。乾燥肌はますます悪化し、それ以外のシワ、シミ、たるみ、吹き出物などの肌トラブルを引き起こす原因になります。

乾燥肌を予防、改善するためには正しい洗顔方法でお肌を清潔に保つことが大切です。洗顔後の保湿ケアも吸収力がアップして、潤いあるお肌を手に入れることができるでしょう。

これまでの洗顔方法を見直して、正しい洗顔方法を身に付けていきましょう。
正しい洗顔方法は、たっぷりの泡を転がすようにして洗うのがポイントです。お肌をこすらず泡に汚れを吸着させるイメージです。

1.石けんを使って手をキレイに洗います。手に汚れが付着していると洗顔料の泡立ちもよくありません。

2.ぬるま湯で顔を流します。熱いお湯はお肌に必要な皮脂、角質層のセラミドを流してしまうと言われています。その結果、皮膚のバリア機能が低下して乾燥肌の原因になります。

3.手のひらに洗顔料を取って、少量のお湯を足しながらよく泡立てます。どのようなタイプの洗顔料でも、よく泡立てることが大切です。泡立て用のネットを使うとたっぷりの泡を簡単につくることができます。

4.モコモコの泡ができたら、皮脂の多い額から鼻にかけて泡を載せていきます。指の腹を使って泡をクルクルと転がしながら洗います。泡に汚れが吸着されていくので、ゴシゴシとお肌をこする必要はありません。

次に頬、最後は皮膚の薄い目元、口元の順に泡を載せて優しく洗っていきます。時間を掛け過ぎるのは、お肌の負担になります。1分ぐらいを目安に手際よく洗います。

5.ぬるま湯を手のひらですくい、顔にかけるようにして全体をしっかりとすすぎます。髪の毛の生え際、小鼻の横、フェイスラインは泡が残りやすいので、意識して流します。

6.清潔な柔らかいタオルで、お肌に押し当てるように水分を拭き取ります。ゴシゴシこすらずに、軽く押さえるようにします。

乾燥のひどい場合は、朝の洗顔はぬるま湯か水で、軽く流すだけでもよいでしょう。また洗い過ぎは乾燥肌に大きな刺激になるので、W洗顔が不要のクレンジング剤を使うのもオススメです。

パーツごとに肌質が違う場合、例えばTゾーンだけテカリがひどい時は、その部分だけをもう一度洗顔します。逆に乾燥がひどい部分は、洗顔料をつけずに水またはぬるま湯洗顔だけにしてみましょう。

ひどい乾燥肌を予防、改善する洗顔料の選び方

ひどい乾燥肌を予防、改善する洗顔料の選び方
お肌の乾燥は角質層内のバリア機能が低下したことで起こります。角質層はお肌の水分を保ち蒸発を防ぐとともに、アレルギー物質など刺激物の外的刺激からお肌を守る働きをします。

この角質層内のバリア機能の働きを回復させることが、乾燥肌を改善するためにはとても大切です。そのためには、角質層内にある天然保湿因子(NMF)、セラミドなどの細胞間脂質の減少を抑えることが重要です。

洗顔料はさまざまなタイプや種類が販売されています。それら洗顔料には皮脂汚れを落とす界面活性剤が含まれている商品が数多くあります。界面活性剤はお肌の刺激物で、お肌へ与えるダメージは大きいです。

界面活性剤でも、洗浄力の強い合成界面活性剤は、角質層内にあるセラミドも一緒に洗い流してしまうといわれています。

乾燥肌の人が合成界面活性剤の入った洗顔料を毎日使っていたら、さらにお肌は悪化してしまうでしょう。

洗顔の役割は、毎日分泌される皮脂汚れ、空気中の細菌やほこりを洗い流して清潔にすることです。必要以上に洗浄力の強い洗顔料で洗う必要はありません。クレンジングを済ませていれば、なおさら必要ないでしょう。

お肌を乾燥させないためには、合成界面活性剤が入っていない洗顔料を選ぶことです。しかし商品パッケージの成分表示には「合成界面活性剤」とは記載されていません。

では、数ある合成界面活性剤の成分名を一部紹介しましょう。

  • ラウリル硫酸TEA
  • スルホン酸Na
  • キシレンスルホン酸アンモニウム
  • ラウリル硫酸Na
  • ラウリル硫酸アンモニウム
  • ラウレス硫酸Na
  • パレス-3硫酸Na
  • パレス-3硫酸アンモニウム
  • ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩
  • ステアリン酸グリセリル
  • ステアリン酸グリコール
  • ステアリン酸PEG-150
  • ココイルグリシンナトリウム
  • ラウロイルグルタミン酸ナトリウム
  • コカミドプロピルベタイン
  • ジステアリン酸グリコール
  • ラウリルグリコール酢酸ナトリウム
  • マルチトールヒドロキシアルキル(C12,14)

などがあります。これらを参考に洗顔料を選んでみましょう。

そのほか合成着色料、香料、防腐剤、アルコールなどもお肌を洗う際には、あまり必要のないものです。余計なものが入っていないシンプルな洗顔料ほどお肌に負担をかけず、優しく洗い上げることができます。

乾燥肌におすすめの保湿ケア


お肌を洗顔した後は時間を置かずに、すぐに保湿ケアを行うのがポイントです。洗顔料で肌表面の皮脂が洗い流されているので、洗顔後はたっぷりの水分と保湿成分を補いましょう。

乾燥肌は角質層が乱れている状態です。洗顔後の保湿ケアでは角質層内の潤い成分のセラミド、真皮に存在するコラーゲン、ヒアルロン酸が配合された化粧品を使って肌の内側から健康になりましょう。

セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸はいずれも年齢を重ねるごとに減少していく成分です。これら成分を積極的にお肌につけることでお肌の乾燥、老化を防ぐことができます。

保湿ケアの手順は、化粧水、美容液、乳液、クリームの順が一般的です。ただ化粧品メーカーによっては異なる場合があるため、手順を確認してから行いましょう。

化粧品をつける時は多めの量を2〜3回に分けて重ね塗りすることで、角質層へじんわりと美容成分が浸透して保湿力がアップします。1回塗って数秒おき、乾き切らないタイミングで2回目、3回目と丁寧に行います。

乾燥している部分や目立つシミの部分に重ね塗りするのもよいでしょう。気になる肌トラブルの改善を早め、健康的なお肌を実感することができます。

(まとめ)ひどい状態の乾燥肌には洗顔方法を見直して、美肌を取り戻そう

1.ひどい乾燥肌の原因となる間違った洗顔方法
2.正しい洗顔方法
3.ひどい乾燥肌を予防、改善する洗顔料の選び方

毎日の何気ない洗顔一つで、お肌はよくも悪くもなるのです。お肌に優しい洗顔料を使い、正しい方法でしっかり洗顔することで健康的な美しいお肌を取り戻すことができるでしょう。

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