ストレスと乾燥肌は関係ある?
ストレスがたまると乾燥肌になるのは、お肌のバリア機能が低下するからです
「毎日しっかり保湿ケアをして、食べる物にも気を使っているのに、乾燥肌がなかなか治らない」
と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。乾燥肌の原因は、保湿ケアや食べ物だけではありません。
乾燥肌は間違ったスキンケア、加齢、偏った食生活、不規則な生活習慣などに深く関わって生じます。そしてもう一つ、見落としがちなのが、ストレスです。
目には見えないものの、このストレスがお肌を乾燥させているのです。
人は心身に過剰なストレスが蓄積されると、自律神経のバランスを乱してしまいます。そうなると、血行不良を引き起こし、冷えやむくみ、肩こりなどの不調が次々とあらわれます。
また血行不良は、お肌はもちろんのこと全身に十分な栄養が行き届かなくなります。その結果、お肌の新陳代謝といわれるターンオーバーが乱れ、お肌のバリア機能が低下して乾燥肌を招いてしまうのです。
乾燥肌ぐらい、と軽視してはいけません。お肌の乾燥はシミ、シワ、たるみなどのお肌の老化を進行させる肌トラブルです。放っておいては後々、後悔することになります。
今回は、ストレスによる乾燥肌の予防、改善策を紹介していきましょう。
ストレスによる乾燥肌の改善策
お肌が乾燥するのは、お肌の水分量が低下した状態と言われています。なぜお肌の水分が減ってしまうのかその原因は空気の乾燥、ストレス、間違ったスキンケア、加齢、生活習慣などが挙げられます。
では、乾燥肌の状態を詳しくみていきましょう。
お肌は外側から表皮、真皮、皮下組織という3層から成り立っています。表皮はさらに4層に分かれていて、最も表面にあるのが角質層です。乾燥肌は角質層内の水分が、非常に減った状態といわれています。
角質層内には、セラミドや遊離脂肪酸、細胞間脂質のコレステロール、天然保湿因子(NMF)が存在します。これらがお肌の水分を保持し、外部からの異物混入を防ぐバリア機能を果たしています。
ストレスや間違ったスキンケアなどによって、角質層内のバリア機能が低下するとお肌はあっという間に乾燥してしまうのです。水分を保持する角質層内の成分は加齢によって減少するといわれています。
過労や職場の人間関係、家庭や友人関係など現代社会はストレスを感じる場がとても多くなっています。
そうした中で精神的ストレスが健康な体に与える影響は広く知られていますが、お肌にも悪影響を及ぼしているのです。
人の脳はストレスを感じると、免疫や代謝に深く関係しているコルチゾールというホルモンの分泌が促されます。コルチゾールはストレスホルモンと呼ばれており、過剰に分泌するとセラミドを分解するといわれています。
セラミドは、お肌の角質細胞に存在しお肌の潤いを支えている大切な成分です。セラミドは、角質細胞の間をうめる細胞間脂質の約50%を占めており、角質内の水分を保持する重要な役割を持っています。
またセラミドは、外部の刺激から守るバリア機能のサポートも果たす大切な成分です。セラミドが減少してバリア機能が低下すれば、お肌は荒れ放題。乾燥肌はもちろんさまざまな肌トラブルを招きます。
ストレスによって影響を受けるホルモンは、その他にもあります。お肌のハリやツヤを保つために欠かせない、女性ホルモンのエストロゲンの分泌を減少させるといわれています。
ストレスでエストロゲンが減少してしまうと、毎日しっかりとお手入れしていてもお肌の潤いをキープするのができなくなってしまうのです。
ストレスが蓄積されると、体の自律神経のバランスが乱れ、お肌の新陳代謝といわれるターンオーバーの乱れや冷え性などを引き起こします。身体の冷えはターンオーバーの乱れの原因でもあります。
美肌をつくる理想的なターンオーバーのサイクルは28日(4週間)とされています。しかしストレスによってサイクルが乱れてしまうと、自然とはがれ落ちるはずの古い角質がお肌に残ってしまいます。
体外に排出されるはずの古い角質がどんどんお肌に蓄積されていくと、毎日のスキンケアでせっかく保湿成分の入った化粧水や美容液をたくさん付けても、浸透しにくくお肌の水分量はどんどん低下していくばかりです。
人はそれぞれ、さまざまなストレスを抱えています。日々のストレスが蓄積されていくと、人の身体は不調があらわれ、イライラしたり寝られなくなったりと心にも支障をきたします。
乾燥肌などの肌トラブルも、そうしたストレスによる不調のあらわれの一つです。毎日の保湿ケアとあわせて、ストレスをためない、ストレスを発散することで乾燥肌も改善されるでしょう。
乾燥肌の改善策に今日からすぐにでも取り入れられる手軽なストレス解消法を紹介します。
それは、アロマオイルです。自分で気に入った香りのアロマオイルを使って、心も体もリフレッシュしましょう。
植物から抽出した香り成分を活用したアロマオイルを使って、心身をリラックスやリフレッシュさせる療法をアロマテラピーといいます。
アロマテラピーは、好きな香りを嗅ぐことでストレスを解消する方法です。
嗅覚は、視覚や聴覚などの五感の中で唯一、脳にある大脳新皮質を経由せずに、大脳辺緑系に直接伝わる感覚です。
大脳辺緑系は食欲や性欲などの本能、喜怒哀楽などの感情や神秘的な感覚などを司っており、そして記憶や自律神経活動に関与している部分です。
嗅覚は大脳辺緑系を直に刺激することができるため、香りを嗅ぐという行為が心身をリラックスさせ、気分転換につながるといわれています。
アロマオイルにはさまざまな種類があります。自分で「好きだな、よい香りだな」と感じるものを選びましょう。
またアロマオイルにはそれぞれ効能があるので、自分の心身の状態にあったものを選ぶのもオススメです。
・イライラ気分のとき
鎮静作用のあるラベンダー、緊張をほぐしてくれるローズやカモミール・ローマン、ヒノキなどがよいでしょう。
生理前のイライラ気分のときや、更年期障害などには、ゼラニウムがよいでしょう。
・落ち込んでいるとき
グレープフルーツや、ユズなどのさわやかな柑橘系は、落ち込んだ気分を吹き飛ばして前向きな明るい気分にリフレッシュできます。
過度のストレスで眠れない日が続くときや、食欲がないときには、オレンジ・スイートの香りがストレスを吹き飛ばしてくれます。
・不安や心配ごとから開放されたいとき
エキゾチックな南国の甘い香りが特徴のイラン・イラン、スパイシーで深みのあるサンダルウッドは心を落ち着かせ、不安な気持ちを解消してリラックスさせます。
・元気になりたい、スッキリしたいとき
フレッシュで清涼感の強いペパーミントや、レモンバームは、気持ちが明るくなり活気や元気を与えてくれます。
自分好みの香りを選んだら、アロマオイルを毎日の生活に取り入れる上手な使い方を紹介しましょう。
外出する時に携帯するハンカチやミニタオルに、アロマオイルを数滴たらします。外出先や、仕事中に気分を落ち着かせない時などにそっと取り出して香りを嗅ぐだけでリフレッシュできます。
またお気に入りのアロマオイルをたらしたハンカチやミニタオルをベッドの枕元やデスクなどに置いておけば、お部屋全体がよい香りになり気分も安らぎます。
バスタイムでは、湯船にアロマオイルを1〜5滴ほど入れてよく混ぜます。アロマバスにゆっくりつかって、気分を落ち着かせ1日のストレスを吹き飛ばしましょう。
またバスタイムよりも手軽な方法が、足湯や手湯です。洗面器にお湯をはり、アロマオイルを1〜3滴ほど入れてよく混ぜます。その中に足やお湯を入れて温まれば、お部屋でも気軽にリラックスできます。
アロマオイルは気分をリラックスさせ、ストレス解消にはとてもよいアイテムです。しかし使用する際には気をつける点があります。よく守って使用しましょう。
1.アロマオイルは子どもやペットへの使用は避けましょう。妊娠中、授乳中の人、通院中の人は使用にも注意が必要です。医師に相談してから使用しましょう。
2.植物由来100%のアロマオイルを選びましょう。アロマオイルをアルコールで希釈したものや、人工香料などもあります。成分表示をしっかり確認してから購入しましょう。
3.アロマオイルは食べ物に入れたり、体にぬったり、目に入れたりするのはやめましょう。オイルを触った手でうっかり目をこするなどしないように注意しましょう。
スポーツでストレス解消を
ストレスが原因の乾燥肌の改善には、スポーツで汗を流してストレス発散するのもオススメです。「毎日のストレスで心も体も疲れているのにスポーツ?」と敬遠されがちですが、実は発汗が美肌づくりにもよいのです。
テニスや水泳など、わざわざスポーツを行わなくても、毎朝の通勤で1駅歩く、階段を使う、帰宅してから近所をウオーキングするなど、歩く時間を少し増やしただけでも自然と気持ちが前向きになれます。
適度なスポーツでかいた汗は、肌表面にたまっている古い角質をふやかして、はがれやすくします。これには自然なピーリングの作用があるのです。
またスポーツは、成長ホルモンが活発に分泌されることが分かっています。成長ホルモンは美肌づくりには欠かせないホルモンで、アンチエイジングにも有効だといわれています。
ただ激しいスポーツを一生懸命したからといってお肌によいというものでもありません。逆に体を傷めたり、ストレスが増加したりと、乾燥肌をさらに悪化させてしまうことにもなりかねません。
適度なスポーツを毎日の生活に取り入れることでストレスが発散され、乾燥肌を予防、改善するだけでなく、美しく若々しいお肌を取り戻すことができるのです。
(まとめ)ストレスをためない生活が美肌をつくります
2.乾燥肌の改善にオススメのストレス解消法
3.適度なスポーツでストレス解消
乾燥肌はもちろん、美容にストレスは大敵です。
しかし毎日の生活に追われ、気付いた時にはお肌がボロボロ…。そんなことにならないためにもストレスを上手に発散させましょう。
ストレス解消を心掛けることで、徐々に美肌を取り戻していきましょう。