- 体温が上昇する温熱作用
- 血液の循環が促進される水圧作用
- 筋肉や関節の緊張をほぐす浮力作用
乾燥肌のためのお風呂の入り方とスキンケア方法
目次
お風呂の入り方とスキンケア方法を工夫しお肌の乾燥を防ごう
最近、湯船に浸かっていますか?
体が温まり、リラックスできて気持ちがいい入浴ですが「余計にお肌が乾燥するから…」とシャワーだけで済ませる方も多いのではないでしょうか?
実は、入浴によるお肌の乾燥は少しの工夫で防げるのです。そこで今回は乾燥肌の方におすすめなお風呂の入り方とスキンケア方法をご紹介します。
入浴は体へのメリットがたくさんあります
入浴は体に良いとよく耳にしますよね。それはいったいどのようなことなのでしょうか?
入浴時、体には3つの物理的作用が働きます。
これらの物理的作用により血行が促進すると体に、さらなるメリットをもたらします。
まず、疲労物質の排出が促され、疲労が回復したり、細胞が活発化し代謝が改善したりするといわれています。そして、肩こりや腰痛の緩和や、肌細胞のサイクルが向上してお肌の透明感が上がる効果が期待できます。
物理的作用、そしてそれによる血行の促進で心身ともにリラックスができるというわけです。入浴は体にとって、こんなにたくさんのメリットがあるのですね。
最近、疲れや肌荒れにお悩みの方には入浴がとてもおすすめです。
入浴はお肌にとって乾燥やかゆみの原因になることも
体にとって、いいことずくめである入浴ですが、お肌にとってはどのような影響があるのでしょうか?
デメリットとしては、お肌の潤いを保つために必要な、角質層内の天然保湿成分や表面の皮脂などが流出してしまいます。また、ナイロンタオルなどで顔や体を拭くことによる摩擦も天然保湿成分や皮脂などを流出させる原因のひとつです。
これによりお肌のバリア機能が低下し、乾燥の原因になるだけでなく、外部刺激の影響を受けやすい状態になってしまいます。さらに、入浴によって血行がよくなることで、お肌のかゆみが増してしまうことがあります。
しかし、工夫次第でお肌への負担は減らすことができます。それには、以下の3つが鍵となります。
- 湯船の設定温度
- 入浴剤の活用
- 入浴後のスキンケア
お肌の負担となる原因を減らし、お肌に優しい入浴を楽しみたいものですね。
乾燥肌の方は入浴剤でお肌の乾燥を防ぎましょう
入浴によるお肌の乾燥を防ぐ方法のひとつが、入浴時のケアです。特に乾燥肌の方は、乾燥しやすい環境はなるべく避けたいもの。
そのため、入浴時には入浴剤を利用して、入浴中に失いがちな保湿成分を補いましょう。それには、保湿成分が配合された入浴剤が役立ちます。中でも、保湿成分としてホホバオイルが配合されたものがおすすめです。
ホホバオイルとは?保湿成分としておすすめな理由とは?
ホホバオイル入りの入浴剤は、流出してしまった皮脂膜を補い、お肌の乾燥を抑える効果が期待できます。また、ホホバオイル入りの入浴剤での入浴は、さら湯のときよりも、入浴後のお肌が高い水分量を保つという実験データもあります。
普段から湯船に入浴剤を入れている方も入れていない方も、ホホバオイルなどの保湿成分が配合されているかに注目して、入浴剤を選んでみましょう。好みの入浴剤でお風呂に入れば、色や香りも楽しめて、お風呂の楽しみが広がりますよ。
入浴中と入浴後ではお肌の状態が違います
入浴中のお肌はとても潤っているように感じられますよね。しかし、入浴中のお肌は皮膚表面の角層が多くの水分を含んで角質内の細胞間隔が広がっていきます。
すると、もともと肌内部にあり水分を保つ働きをする天然保湿成分や細胞間脂質が流出してしまいます。また、表面の皮脂も必要以上に失われて、よりお肌の水分が蒸発しやすい状態になります。
つまり、入浴中は潤いを感じていても実は内部ではお肌が乾燥する原因を作り出しているのです。
入浴後のお肌は体温が上昇し、お肌の水分が蒸発しやすい状態です。また角層のバリア機能が低下しているため、お肌の水分を保ちにくく、急速に乾燥が進みます。
そのため、お風呂を出てから20分後には入浴前よりもお肌が乾いていることもあります。外部刺激の影響を受けやすくもあり、肌トラブルを引き起こしやすいので要注意です。
入浴後にお肌の乾燥を感じることがあるのは、お肌の急速な水分蒸発が原因かもしれません。
乾燥肌に優しい入浴方法は3つ
乾燥肌に優しい入浴方法とは?
また、洗浄時の摩擦刺激が肌への負担になることがあります。加えて、洗浄力が強すぎる洗浄料も、お肌への負担になりがちです。そして入浴後は、角質の水分が蒸発し、急速に乾燥が進んでしまいます。
このような入浴によるお肌へのダメージを防ぐために、気をつけたいポイントがあります。乾燥肌に優しい入浴方法を身につけて、乾燥に負けない健康なお肌を保ちましょう。
それでは乾燥肌に優しい入浴方法について、具体的にご説明していきます。
1.お風呂の温度は40度以下
入浴時は、いかにお肌の角層内部にある成分の流出を防ぐかが重要。そのために必要なのが、入浴温度の設定です。
乾燥肌の方には、お肌に優しい40度以下のぬるめの温度がよいでしょう。熱めのお湯での入浴は、角層内部で水分を保つ働きをする天然保湿成分や、細胞間脂質が流出。
さらに、皮膚の水分流出を防ぐのに必要な量の皮脂まで落ちてしまいます。これら成分の流出で、本来健康なお肌がもつバリア機能が低下。
バリア機能が低下すると、角質の水分と油分のバランスが崩れ、乾燥の原因や外的刺激を受けやすくなります。お肌の乾燥を防ぐためには、このバリア機能を保つ対策が大切です。
また、熱めのお湯での入浴で急激に血行が促進され、かゆみを生じてしまうことがあります。そして、入浴中の天然保湿成分や皮脂の流出は、お風呂の温度が高ければ高いほど起こりやすい傾向があります。
このような理由から、乾燥肌の方には40度以下のぬるめの温度がおすすめなのです。
2.顔や体は少ない摩擦で洗いましょう
洗浄時はつい力が入りがちですが、摩擦刺激を減らしてお肌への負担を抑えながら洗うことが大切です。
また、メイクをした日は必ずクレンジングでメイクを落としましょう。メイクには皮脂や古い角質、ホコリなどが混じり、落とさずにいるとお肌に負担がかかります。
クレンジングは、以下のタイプがお肌に優しいのでおすすめです!
- ジェルタイプ
- クリームタイプ
そして弱酸性の洗浄料をしっかり泡立てて、泡でお肌を優しく洗うことがポイントです。皮脂の少ない背中、腰回り、すねなどは乾燥しやすいので優しく洗うようにしましょう。
3.お風呂上がりのスキンケアは3分以内に
お風呂上がりのお肌は潤いを感じますが、この潤いは実は続きません。入浴により皮膚を覆っている皮脂がとれ、角質層へ一時的に水分が入っただけなのです。
水分はどんどんと蒸発し、急速に乾燥が進んでしまいます。この急速な乾燥を防ぐため、お風呂上がりにはなるべく早く保湿ケアを行いましょう。
では、入浴後の保湿ケアのポイントをご説明します。まずはタオルで優しく水分をふきとります。
そして浴室から出て3分以内に保湿剤をぬり、お肌の乾燥を防ぎましょう。保湿剤はさまざまな種類があり、それぞれ役割が異なります。
水分や保湿成分を補う化粧水、皮脂のように働いてお肌に潤いを与えるローション。そして人工の皮脂膜を作り、水分蒸発を防ぐ役割のあるクリームなどがあります。
なお保湿剤は、以下の成分が含まれたものが、お肌のバリア機能を保つのでおすすめです。
- セラミド
- ヒアルロン酸
- アミノ酸
成分表示を確認し、自分に合うものを探してみましょう。
季節ごとに適した入浴のポイント
四季折々、気温や湿度の変化、気圧の変化などがあります。加えて、季節に応じたライフイベントなどで、心身の調子も日々変化します。
特に季節の変わり目は自律神経のバランスが崩れやすく、お肌の調子に影響することがあります。そんなときには、入浴を活用して心身の調子を整えていきましょう。
入浴には工夫次第でさまざまな効果が期待できますから、その時々に適した入浴方法で効果を感じられたらうれしいですよね。例えば、汗などのベタつきが気になる季節には、さっぱり感を求めたくなりますね。
また、乾燥が気になる季節には、保湿効果が欲しくなります。疲れが溜まりがちな季節には、リラックス効果が得られたらいいですね。
このように、季節ごとに求めることが変わります。ここでは、季節ごとに適した入浴ポイントについて、具体的にご説明していきます。
春は「花粉対策」夏は「洗浄効果」を高めた入浴がおすすめ
春は気温や気圧の変化が大きく、自律神経のバランスを崩しやすい季節。花粉による肌トラブルも起こりがちになりますので、帰宅後はすぐにお風呂で花粉を洗い流しましょう。
お風呂の温かな湯気を吸い込むことで、鼻詰まりの改善が見込めます。そのとき、湯船の温度は、41度以下に設定しましょう。
42度以上の入浴は、アレルギー症状を悪化させる物質、ヒスタミンを生む原因になりますので注意が必要です。そして夏場は、汗などによるベタつきが気になる季節。
さっぱり感を求めてついお肌をゴシゴシと洗いたくなってしまいますが、お肌にとって強い摩擦は禁物。実は、お湯に浸かるだけでも、汚れを落として皮膚を清浄する清浄効果が期待できます。
さらに、入浴剤の活用もおすすめ。特に、清浄効果のある炭酸水素ナトリウム(重曹)が含まれている入浴剤が効果的です。
秋は「炭酸ガスで血流促進」冬は「ぬるめ入浴」がおすすめ
秋は、夏場に溜まった疲労や急激な気温の変化で、疲れやすい時期。そんなときには、炭酸ガス入りの入浴剤がおすすめ。
炭酸ガスは血管を拡張し、血流を促進する効果が期待できます。炭酸ガス入りの入浴剤を使うときは、熱めのお湯よりもぬるめのお湯のほうが効果的です。
さらに、毎日続けてお風呂に入る「連浴」も、回復に役立ちます。そして冬は気温が下がり、手足の冷えを感じる季節。
冷えは、脳内の自律神経バランス(交感神経・副交感神経)の崩れが影響していることも。自律神経バランスを整えるには、39度くらいのややぬるめの温度の入浴がおすすめ。
ぬるめのお湯に浸かることで、副交感神経が刺激されてリラックスします。入浴剤の色や香りなどでリラックス感をサポートするのもいいですね。
入浴で冷えの原因をとりのぞき、冬を乗り切りましょう。
健康な肌のために注意したい冷暖房の使い方や生活習慣
冷暖房の使い方や普段の生活習慣が、お肌に影響を与えていることをご存知ですか?
冷暖房の使い方について
冷暖房は、室内の温度を変化させると同時に、室内の相対湿度を低下させてしまいます。使用する際には同時に加湿をし、お肌にとって最適な湿度(65%前後)に調整しましょう。
また、冷暖房の風を直接お肌に当てることも乾燥の原因になるため、気流をうまく調整するとよいでしょう。
その他に注意したい生活習慣は、以下になります。
- 栄養バランスの崩れ
- アルコールやカフェインの摂りすぎ
- 精神的ストレス
- 睡眠不足
- 喫煙
また、毎日お肌に触れるものを清潔に保ち、衣服の摩擦刺激や頭髪洗浄剤の洗い残しなどにも気をつけましょう。
普段の冷暖房の使い方や生活習慣を見直して、できるところから改善していきましょう。
寝る前の「リラックススキンケア」で朝の肌が変わります
寝る前のスキンケア、そのキーワードはリラックススキンケアです。腹式呼吸で呼吸を整え、ゆったりとした気分でスキンケアを行いましょう。
そして、できるだけ部屋の光や音を抑えて、リラックスできるよう環境を整えるとよいですね。では、なぜ寝る前のリラックススキンケアがなぜお肌によいのでしょうか?
皮膚の細胞は、睡眠中に細胞分裂を行い、再生します。この再生に欠かせないものが「成長ホルモン」の分泌です。
成長ホルモンが分泌されるのは、深い眠り(ノンレム期)のときなのです。なお、成長ホルモンの分泌は体内時計に影響されるため、毎日決まった時間に睡眠をとるとよいでしょう。
また、美しい肌は「午後10時から午前2時」に作られるともいわれています。この時間帯に質のよい睡眠をとることが翌朝の肌を変えるひとつの方法かもしれませんね。
まとめ
お風呂は、入り方次第でお肌の乾燥の原因になることがあります。ただし、入り方やスキンケア方法を工夫するだけで、お肌の乾燥は防げます。
お風呂は体の疲れがやわらぎ、心もリラックスできて気持ちがよいもの。少しの工夫でお肌の潤いを守りながら、お風呂の時間を楽しみましょう。