インナードライって乾燥肌のこと?
インナードライとは、表面に皮脂が浮いていても内部が乾燥肌である場合を指します。
洗顔後はカサカサしているのに、少し時間が経つと皮脂が浮いていてしまう…肌のキメが粗くて、ファンデーションがうまく載らないのに、数時間後には表面にテカリが出てメイクも崩れてきて嫌!
もともと肌は乾燥気味なのに、鼻や額に皮脂が浮いてきてベタベタしていて毛穴が汚れているみたい?ときには吹き出物や大人ニキビができてしまう。
こんな悩みはありませんか?目元や頬はカサカサしていて乾燥している自覚があるのに、同時にテカリやベタつきがある、どうしてこんな風にバランスがよくないのだろうと、ため息が出てしまいますね。
肌表面に皮脂が浮いているのに、実は肌の内部は乾燥している、この状態を「インナードライ」といいます。「隠れ乾燥肌」の状態なのです。
皮脂が目立ってくると「自分はオイリー肌かな?」と思って、1日に何度もの洗顔、洗浄力の強い洗顔料の使用、あぶらとり紙や収れん化粧水で皮脂を取り除くといったスキンケアを行っていませんか?
実はこれらはNGなケアのです。本当のところは乾燥肌なのですが、かえって乾燥状態を悪化させることになってしまい逆効果となっているからです。
洗顔のし過ぎや皮脂の摂り過ぎることで、かえって皮脂の分泌を増やすことにつながっています。
30代からあらわれ始めるこのインナードライ肌、どうして起きるのかその理由と、また皮脂のベタつきを防ぐための対策方法をみていきましょう。
乾燥しているのに、皮脂が目立ってしまう理由
人の肌は、表面に皮脂が分泌されています。この皮脂は汗などの水分と混ざって肌表面に広がり、バリアのように膜を作って私たちの体を保護しています。
これを「皮脂膜」といいます。体の表面から水分を蒸発させないようにして、外部からはホコリや刺激を受け入れないように守っているのです。
このように本来、皮脂には大切な役割があるのです。バランスよい量で分泌されていれば、その潤いで肌を美しく見せ、ベタつきや吹き出物などにならずよいのですが、過剰に分泌されるとトラブルのもとになってしまいます。
皮脂が過剰に分泌されるには原因があります。それは肌が乾燥しているからです。
たとえば洗顔のし過ぎやあぶらとり紙の使い過ぎなどで、皮脂膜が取り除かれたとき、肌は「皮脂膜が完全でない」と認識します。
するとバリアである皮脂膜を再生して肌を守ろうとし、応急処置として皮脂を分泌するのです。その量のバランスがよければ問題ないのですが、過剰であるとテカリやベタつきを招いてしまうのです。
ますは自分がインナードライ肌かどうか、チェックしてみましょう。
・洗顔後、しばらく何もしないでいると肌に皮脂が浮いているところと、つっぱるところがある
・肌を観察するとキメが粗く、毛穴が目立っている
・いつもクレンジングや洗顔をしっかりやっているのに、皮脂が気になる
・しっとりした部分もあるが、カサつきやゴワゴワしたところがある
・毎日のメイクのときに、肌とファンデーションのなじみがよくないように思う
いかがでしたか?いくつか当てはまれば、インナードライを疑ってみましょう。
インナードライを改善するためには、今までの間違った方法を見直して、肌にあったスキンケアを行っていくことが大切です。
インナードライ肌のスキンケアで重要なことは「保湿」です。
・クレンジングや洗顔では、できるたけ肌内部の潤い成分を流出させない
・肌に基礎化粧品の美容成分をしっかり浸透させ、潤い成分を与える
・十分な保湿によりターンオーバーを整えて、よりよい肌を再生する
この3つがポイントになります。
クレンジングや洗顔の際には、洗い過ぎないことが重要です。
洗浄力が強すぎるクレンジング剤や洗顔料を使うことと、強くこすって摩擦を与えることで、肌表面に細かい傷をができ、肌内部の潤い成分が流出してしまうのです。
肌は干からびたようになってしまい、かさかさの状態になります。
肌表面を保護している皮脂膜が失われたこともあり、あわてて皮脂をたくさん分泌してバリアを張ろうとします。
しかしこのとき、肌には水分や潤いを保持する成分が存在していません。流出してしまったためです。
すると皮脂の油分だけが肌のキメになじむことなく、鼻や額に浮いてしまいます。これが、インナードライ肌で皮脂が浮く過程です。
ですから肌にしっかりと保湿を行い、十分潤った環境をつくることが大切なのです。
潤いがあれば、皮脂がしっかりなじんで広がっていきます。皮脂によりつくられた保護膜はしっかりバリア機能を果たし、ハリや弾力のある美しい肌になるのです。
バリア機能をしっかり果たすので、肌自体も強く健康になり、多少の刺激や摩擦にも負けない肌荒れ知らずの美肌を維持できるようになるのです。
健康な肌環境では、ターンオーバーも整います。健全な肌細胞がつくられることで、さらに美肌を保ち続けることができます。
インナードライ肌のクレンジングや洗顔では「洗い過ぎない」ことがポイントです。皮脂が気になるからといって、取り除こうと洗い過ぎるのはNGです。
クレンジングの際は、普段は薄めのメイクであれば、クレンジング力が弱めで、肌にクッション性のあるクリームタイプやミルクタイプのクレンジング剤を使うようにしましょう。
目元や口元のポイントメイクがしっかりしたものであれば、専用のリムーバーで先に落としておくようにしましょう。するとその後ファンデーション部分を優しくクレンジングすることができます。
ゴシゴシこすらないようにして、クリームやミルクを間に挟むようにします。こうすれば優しくメイクとなじませてクレンジングを行えます。
あまり時間をかけないように、1分以内に終わらせるようにしましょう。洗顔も同様に、強い力でこすらないことと、洗浄力の強過ぎない洗顔料を使うことが大切です。
しっかり泡立てて、その泡を肌に広げていくイメージで洗顔します。
皮脂が気になる部分から泡を置き、カサつく部分にはさっと軽く載せるようにします。
酵素洗顔やスクラブ洗顔など頻繁に行うと、肌に刺激を与えインナードライを進めてしまいます。日数の間隔を空けるようにしましょう。
すすぎ残しがないように、念入りにすすぎます。洗顔料や汚れが残っていると、界面活性剤の影響でその部分に肌荒れがすすんでしまうからです。
すすぎの際も同様にこすらないようにして、両手で水をすくってかけて洗い流します。
インナードライ肌の保湿のポイントは、保湿効果の高い成分を選ぶことです。コラーゲン・セラミド・ヒアルロン酸などが含まれた化粧水、美容液や乳液などを選ぶとよいでしょう。
洗顔後は時間を置かずに保湿するようにしましょう。
化粧水は肌にしっかり浸み込むように、たっぷり使います。両手のひらで、顔に押さえ込むようしてつけていきます。
コットンに含ませて、しばらく顔に載せておくのもおすすめです。化粧水を十分浸み込ませたら、乳液やクリームなど油性ものでふたをします。
皮脂が気になるから、といってパスしないでください。さっぱりタイプのものを選ぶとベタつきが気になりません。
昼間でも肌の乾燥が気になるときがあります。そういう場合には、朝晩や洗顔後でなくても、メイクの上からでも使えるスプレータイプの化粧水や保湿スティックなどを使ってみるとよいでしょう。
ターンオーバーが乱れると、未熟な肌細胞が出来上がり、そのまま肌表面に表れて「角質」になります。こういった角質はもろくなっているので、刺激や摩擦に弱くすぐに傷んでしまいます。
この肌表面の傷から水分や潤いが流出することで肌内部が乾燥してしまいます。それをカバーしようとして、皮脂が過剰に分泌されると、インナードライ肌に皮脂が浮いている状態となります。
また未熟な細胞でできた角質は時期が来てもうまくはがれ落ちていかず、肌表面のごわつきやくすみの原因にもなります。
そこでターンオーバーを整えることで、次々と健全な肌細胞をつくっていき、丈夫で美しい肌を保つことを目指しましょう。
そのためには、十分な保湿を行うと同時に、タンパク質、ビタミンやミネラルなどが豊富なバランスのよい食生活をおくることが大切です。
30~50代女性に皮脂が多く分泌される理由
女性は年齢が上がるにつれ、若い頃とはホルモンバランスが異なってきます。また日々の生活の中で、疲れやストレスがあったりすると、ホルモンバランスが乱れることがあります。
このホルモンバランスの乱れにより、皮脂が多く分泌されるのです。女性にもわずかな量ではありますが、男性ホルモンが分泌されています。
この男性ホルモンには、皮脂の分泌を活発にする働きがあります。体の中でホルモンのバランスが崩れたときに、男性ホルモンが優位になることで、皮脂が出やすくなるのです。
また女性ホルモンのうちでもプロゲステロンは同様に、皮脂の分泌を活発にします。
30~50代の女性は、家庭や職場、友人付き合いなどさまざまな役割を持っています。体力的にムリをすることもあり、悩みも多く持つことでしょう。
疲れやストレスを多く抱えることでホルモンバランスが乱れやすくなります。すると皮脂の分泌が過剰になることがあります。
さらに肌が乾燥しているインナードライの状態であると、皮脂がより気になりやすくなるのです。
(まとめ)インナードライは乾燥肌と同様に、保湿が重要です
2.インナードライのクレンジングや洗顔
3.インナードライの保湿ケア
4.ターンオーバーを整える
肌がカサついているのに、皮脂が浮いて目立っていて困っていませんか?それはインナードライです。
インナードライは、乾燥肌と同じように保湿ケアが重要になります。
くれぐれも洗い過ぎたり皮脂を取り過ぎたりというケアを行わないようにしましょう。
保湿をしっかり行いターンオーバーを整えれば、ずっとキレイな肌を維持できます。