美容と健康に欠かせない!コラーゲンの効果的な摂取方法とは?
美容や健康に欠かせない成分として多くの女性たちから高い支持を得ているコラーゲン。エイジングケアの化粧品や美容ドリンク、サプリメントなどによく配合されています。
コラーゲンと聞くとなんでも良さそうと思っている方も多いかもしれませんが、種類や摂取の仕方によって効果が変わってきます。ここでは知っているようで知らないコラーゲンについてご紹介します。
コラーゲンとはどんな物質?
そもそもコラーゲンとはどのような物質なのでしょうか。
人間の体は約60兆個の細胞からできているといわれています。その細胞を構成する成分のうち、約60%を占める水分を除くと、そのおよそ半分がタンパク質でできています。
コラーゲンは繊維状のタンパク質で、私たちの体を作る主要な成分の一つです。人間の体重の約20%を占めるタンパク質のうち、約30%をコラーゲンが占めています。
肌の土台である真皮にはコラーゲンが網目状に張り巡らされており、そのすき間をゼリー状のヒアルロン酸がうるおいで満たしています。さらに、タンパク質でできたエラスチンがコラーゲンをゴムのように束ねることで、肌にハリと弾力をもたらしているのです。
コラーゲンには「体の組織や細胞を支える」「外との境界線をつくる」「細胞同士を結びつける」といった働きがあり、皮膚や骨、髪、血管など、あらゆる場所に存在しています。ちなみに食品として料理に使うゼラチンもコラーゲンから作られています。
残念ながらコラーゲンは加齢とともに減少します。コラーゲンが不足すると、シミやたるみの原因になるだけでなく、体のあちこちにも支障をきたします。そのため、外から補ってあげることが必要です。
コラーゲンの種類
コラーゲンというと1種類しかないと思われがちですが、実は29種類まで確認されています。それらは発見された順に「Ⅰ型」「Ⅱ型」「III型」…と分類されています。
すべてのコラーゲンの働きはまだ明らかになっていませんが、他のタンパク質とは違い、アミノ酸からなる3本の長い鎖がらせん状に絡まった「3重らせん構造」であることは共通しています。
29種類のうち9種類が皮膚に存在し、それぞれ重要な役割を果たすと考えられています。この中でも、美肌を保つ上で欠かせないのが「Ⅰ型」「Ⅳ型」「Ⅶ型」です。
Ⅰ型コラーゲン
体内に最も多く存在するコラーゲンです。皮膚や骨などに豊富に含まれており、肌にハリと弾力をもたらします。
Ⅳ型コラーゲン
表皮と真皮の間にある基底膜を構成する成分です。表皮と真皮をつないだり、表皮を支えたりすることで、肌を健やかに保ちます。
Ⅶ型コラーゲン
真皮と基底膜の間に存在するコラーゲンです。皮膚の構造を維持する上で、重要な役割を担っています。
また、分子の大きさによっても名称が異なり、大きい順に「生コラーゲン」「ゼラチンコラーゲン」「コラーゲンペプチド」と呼ばれます。
セラミドとの違いは?
コラーゲンとセラミドはどちらも保湿成分で、肌の水分を保持する働きがあります。両者の違いは、うるおいを保持する対象です。
コラーゲンが真皮に存在して細胞間の水分を保持するのに対し、セラミドは肌表面の角質層に存在して細胞同士のすき間を埋めて水分蒸発を防ぐ働きがあります。
セラミドが減少すると細胞間にすき間ができて肌のバリア機能が低下し、紫外線などの外的刺激を受けやすくなります。
自分の肌がコラーゲン不足なのか、セラミド不足なのか、それとも両方不足しているのかを把握して、適切なお手入れをしましょう。
コラーゲンの効果
コラーゲンがどのような効果をもたらすのかを詳しく見ていきましょう。
コラーゲンの美容効果
コラーゲンは真皮中にある線維芽細胞から作り出され、ヒアルロン酸やエラスチンとともに肌を内側から支えてハリと弾力を保ち、シワやたるみを防ぐ効果があるとされています。
皮膚の構造をベッドに例えると、表皮を支える真皮がマットレス、コラーゲンがスプリング、ヒアルロン酸がスポンジやスプリングをつなぐ金具です。
加齢によってコラーゲン量が減少すると、肌のハリや弾力が失われてしまい、シワやたるみが目立つようになります。
コラーゲンの健康効果
タンパク質の一種であるコラーゲンは、骨を丈夫に育てる働きもあります。骨を作る主な材料は、カルシウムとコラーゲンです。
皮膚と同じように、骨にもコラーゲン繊維を網目状に張り巡らせてカルシウムをつなぎとめ、丈夫でしなやかな骨を作ります。
最近の研究で、加齢によってコラーゲンが劣化すると、骨がもろくなり、骨粗しょう症を招くことがわかっています。
そのほかにも、関節痛を和らげる効果や、血管を丈夫にして動脈硬化を防ぐ効果、目の健康維持をサポートする効果があると期待されています。
コラーゲンが吸収される仕組み
食べ物などから摂取したコラーゲンは分子量が大きく、そのまま吸収されることはありません。胃腸で一度アミノ酸や、アミノ酸がいくつか結合したペプチドなどに分解された後に、小腸に吸収されます。その後、再合成されて体のあちこちに届けられます。
コラーゲンのサイズが大きければ大きいほど、消化・吸収に時間がかかります。分子量の小さいコラーゲンペプチドの形で摂取すると、吸収力が高まり、その分効果が大きくなるといわれています。
1日当たりに必要なコラーゲンの量
必要とされるコラーゲンの量は、1日当たり5g〜10gが目安です。いくら体に良さそうと思っても摂り過ぎるのはNG。効果が高まるどころか、体内で皮下脂肪に変換されて体重増加やニキビなどの原因になります。
美容と健康のために摂取したコラーゲンで太ったり、肌トラブルが起こりやすくなったりしては本末転倒です。くれぐれも適量を守りましょう。手応えを感じられるようになるためには継続的に取り組むことが大切です。
コラーゲンの効果的な摂取方法
コラーゲンが豊富な食材
コラーゲンが豊富な食材としては、フカヒレや鶏の手羽先、牛すじ、鶏皮、うなぎ、ゼラチン、ゼリーなどが挙げられます。
水溶性のコラーゲンは、熱を加えて煮込むと溶け出すので、効率的に摂るには煮汁ごと飲めるスープがおすすめです。ゼリーやムースを作るときは、寒天ではなくゼラチンを使うといいでしょう。
さらに、タンパク質の一種であるコラーゲン合成に欠かせないのは、ビタミンCやコラーゲンの再構築に関わるビタミンAです。特にビタミンCが不足すると、血管や皮膚のハリが失われて全身の至るところから出血しやすくなる壊血病を引き起こします。
ビタミンCは果物や野菜、ビタミンAは緑黄色野菜やレバー、バター、うなぎなどに多く含まれています。コラーゲンが豊富な食材と併せて積極的に摂りましょう。
サプリメントで摂るのもおすすめ
コラーゲンを多く含む食品を毎日摂ることは大変なことです。また、コラーゲンが豊富な食材は高カロリーなものが多く、食べ過ぎると肥満の原因になるので注意する必要があります。
コラーゲンをより効率的に摂るために、サプリメントを活用するのも一つの手です。コラーゲンのサプリメントや美容ドリンクには魚由来のものと動物由来のものがありますが、どちらも成分としては大きな違いはありません。
コラーゲンのサプリメントはさまざまなメーカーから販売されています。自分が続けやすいものを選ぶことが大切です。
まとめ
コラーゲンは体のあらゆる部分で重要な役割を果たしています。肌のハリや弾力を保つためにも欠かせない成分です。
年齢を重ねるにつれその生成量は減っていきますが、外から補うことが可能です。コラーゲンを上手に取り入れて、若々しい肌を取り戻しましょう。