- 皮脂と汗によってできた「皮脂膜」
- 角質層にあるセラミドなどの「細胞間脂質」
- 角質細胞に含まれる「天然保湿因子(NMF)」
乾燥肌の洗顔料どういう選び方をすればいい?
乾燥肌の洗顔料の選び方は、刺激の少ないものを優先することです
きちんと化粧品をそろえて、ステップを踏んでスキンケアを行っているのに、なかなか肌の乾燥が改善しないのはどうしてでしょうか?
また、洗顔している最中や直後に、肌がピリピリして刺激を感じることがあり、洗顔をするのが怖くなっていませんか?
すると、今度はきちんと洗えず、汚れが残ってしまうことになります。
ひどくなると粉が吹く、赤みやかゆみが出るといったことが起きてしまいます。
それは、スキンケア以前の洗顔に問題があるのかもしれません。
とくに「洗顔時に、洗顔料が肌にしみて刺激を感じる」などという場合は、その洗顔料が肌にあっていないのではないでしょうか?
洗顔料の刺激成分がかえって肌にダメージを与えていることと、残った汚れが肌の細かい傷に影響して、より悪化を招くことになります。
ここから脱出するためには、「乾燥肌を優しく守りながら、汚れはきちんと洗い流す」という洗顔が一番なのですが、それを続けていくためにはどうしたらよいでしょうか?
そのための洗顔料の選び方や洗顔方法についてみていきましょう。
乾燥肌はなぜひどくなってしまうの?
肌は本来、
この3つがバリア機能を果たすことで、肌は健康な状態を保っています。
しかし洗顔をすることで、皮脂膜や細胞間脂質など油性のものは洗浄成分によって、天然保湿因子は水によって洗い流されやすくなります。
健康な肌であれば、この3つの物質は洗い流されてもまた再生されるようになっています。
ところが乾燥肌では、その生産のスピードが追いつかないため、防御にすき間ができてしまうのです。
バリアが弱くなった肌は、内側から水分がどんどん蒸発してしまい、外界からはホコリやちり、アレルギー物質や物理的な影響を受けやすくなっています。
ダメージを受けた肌は、乾燥がもっと進み、ひび割れや赤み、刺激によるかゆみなどが起きてきます。
これはとても辛い状況になります。
洗顔は、余分な皮脂、古い角質、肌についたホコリやゴミを洗い流すためには必要なことですが、同時にこのバリア機能をなるべく失わないようにすることが大切です。
肌の汚れを落とし清潔にしながらも、防御の機能を奪い過ぎることなく、保っていけるような洗顔を目指していきましょう。
肌に刺激の少ない洗顔料とは
では、乾燥肌に優しい洗顔料はどのように選んでいけばよいのでしょうか?
それは各メーカーで開発された「乾燥肌用」「敏感肌用」とされる洗顔料を選ぶことです。
洗顔料に含まれている、代表的な洗浄成分である「合成界面活性剤」はさまざまな種類があります。
洗浄力の強弱はその合成界面活性剤の種類によります。
乾燥肌や敏感肌には、なるべく洗浄力が弱いほうがよいので、成分の配合が調整されています。
また、ヒアルロン酸、グリセリン、セラミドなどを同時に配合していて、肌を守りながらしっとり仕上げる工夫がされています。
その他の点では、購入する際には製品の成分表示を確認し、香料、アルコール、保存料など肌に刺激を与えるものをなるべく含まないものを選ぶことが大切です。
肌に優しい洗顔方法
自分の肌にあった洗顔料が見つかったら、それを使って肌に優しい洗顔を行っていきましょう。
肌にダメージの少ない洗顔のポイントを紹介していきます。
髪が顔にかかって洗顔のじゃまにならないように、ヘアバントやゴムでしっかりまとめておきましょう。
上半身は、襟元が開いたシンプルなデザインの服だと、フェイスラインが洗いやすくなります。
ハンドソープなどを使って手を洗い、汚れや雑菌を取り除いておきます。手の汚れが洗顔時に顔全体に回ってしまうのを防ぐためです。
また、油性のものがついていると、この後で洗顔料の泡立ちが悪くなってしまいます。
最初に水またはぬるま湯を顔にさっとかけて、軽く洗い流します。顔についていたホコリや軽い汚れを取り除くことができます。
ぬらしておくことで、洗顔料のなじみや泡立ちがよくなり、短時間でしっかり洗うことができます。
洗顔料の使用説明書にある適量を手に取ります。
使用する量は、多過ぎると洗浄成分が影響し過ぎたり、すすぎ残しが発生したりすることで肌にダメージを与える可能性があります。
一方、「もったいないから」と少ない量で行うと、きちんと洗うことができず、汚れが残ってしまいます。肌荒れ、ニキビや吹き出物などの肌トラブルの原因になりかねません。
メーカーの指示にある適量を使用するようにしましょう。
手にとった洗顔料に、少量の水を加えて泡立てていきます。
片方の手のひらの中央に洗顔料を置き、もう片方の手の指でシャカシャカと泡立てます。
しっかりとしたコシのある、たっぷりの泡を作りましょう。泡立てネットを使ってもよいでしょう。
たくさんの泡ができたら両手に取り分けて、顔に載せていきます。
まずは、皮脂が多くベタつきが気になる額や鼻のTゾーンから泡を置いていきます。
ゴシゴシ力を入れてこすらずに、なるべく指や手が肌に触れないように、泡を間に挟んで広げていくようなイメージで洗います。
鼻の周りの入り組んだ部分にも、しっかり泡が行き届くようにしましょう。
次に、頬や顎を洗います。フェイスラインも忘れないようにしっかり洗います。
最後に目元や口元にさっと泡を回します。
このあたりは皮脂の分泌が少なく、刺激に弱くなっています。
こすりすぎると、小ジワやシミになりやすいので、力を入れずさっと行います。
ここまで顔全体を1分以内に洗い上げるようにしましょう。
長い時間をかけると、洗浄成分が影響して、肌の乾燥を悪化させてしまうからです。
泡や汚れを残さないように、キレイにすすぎます。
両手で水またはぬるま湯をすくって顔にかける、ということを何回か繰り返します。
泡や洗顔料のぬるぬるした感じがなくなるまで行いましょう。洗顔と同様、力を入れて肌をこすらないように気をつけてください。
髪の生え際、フェイスライン、耳の周りなどは汚れが残りやすくなります。
泡が残っていないか手で触ってみる、鏡を見るなどしてすすぎ残しがチェックしましょう。
キレイに洗い流せたら、清潔で柔らかいタオルで水分を拭き取ります。
やはりゴシゴシこすらずに、優しく押さえて水分を吸い取るようにしていきます。
乾燥肌や敏感肌向けに作られた洗顔料であっても、含まれる合成界面活性剤の影響により、どうしても皮脂や肌の潤い成分が足りなくなっている場合があります。
洗顔後は時間を置かずに保湿のスキンケアを行って、不足したものを補うようにしましょう。
石けんでの洗顔に挑戦してみましょう
それでも乾燥肌への影響が心配で、「なるべく洗顔で刺激をしたくない」と思う人も多いことでしょう。
便利な洗顔フォームを代表とする、多くの洗顔料に含まれる合成界面活性剤は、肌に浸み込んで洗浄効果を発揮しやすい一方、残りやすく肌への影響が強いともいえます。
クレンジングの際は油性のメイクをしっかり落とすために、どうしても合成界面活性剤が含まれたクレンジング剤を使う必要があります。
しかし、洗顔では合成界面活性剤を含まないものを選ぶことができます。
それが、石けんです。
固形の洗顔石けんはシンプルな成分でできており、余分な皮脂や汚れをキレイに洗い流します。さっぱりとした洗い上がりで残留感がありません。
直後はつっぱる感じがありますが、すぐに自然に皮脂や汗が分泌されてきます。足りなければ、保湿のスキンケアで補いましょう。
洗顔石けんは、たくさんの製品が販売されています。
スーパーやドラッグストアにあるものから、通信販売されているもの、百貨店の化粧品売り場にあるものまで、価格帯もさまざまです。
迷ったら、まずはできるだけ香料などの刺激となる成分を含まない、単純な構成の石けんを選んで使ってみましょう。
石けんでも洗顔の手順を紹介します。
この後に石けんのなじみをよくし、ホコリや汚れをざっと洗い流すことができます。
石けんを手にとり、ぬれた両手のひらの中でくるくる回転させます。両手のひらに石けんがつきました。
そこへ水を数滴加え、両手のひらをこすり合わせるようにして、空気を含ませながら泡立てます。
次第にふわふわの泡が出来上がってきます。
泡立てネットを使う場合は、ぬらしたネットで石けんを2~3回こすります。
さらに水を加えてネットをもみ、泡立てます。
たっぷり泡立ってきたらネットを絞るようにして泡を手に取ります。思ったよりたくさんの泡が出来上がることでしょう。
石けんでの洗顔からすすぎ、保湿まで
まずは皮脂が多めのTゾーンから泡を載せます。次に顎や頬、最後に皮脂が少ない目元や口元に泡を置きます。
泡をクッションにして、肌に力がかからないように気をつけましょう。
手の泡をまずしっかり流したのち、両手で水をすくって顔にかけて泡や汚れを残さず流していきます。
すすぎ終わったら、清潔なタオルで優しく肌をおおって押さえるようにして水分を拭き取ります。
さっぱりとした洗い上がりを感じることができるはずです。
少し肌がつっぱるようですが、しばらくすると皮脂や汗が分泌されてきて、次第に肌がしっとりしてくるでしょう。
これは自分の体から生み出された天然の潤いです。石けんで洗顔したことにより、肌が合成界面活性剤の影響を受けていないため自分で回復する力があるのです。
どうしてもつっぱり感やカサつきが心配な場合は、保湿のスキンケアを行います。
セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸、グリセリンなどの有効な保湿成分が含まれながらも、なるべく香料など不要なものがない化粧水や乳液を選ぶようにしましょう。
(まとめ)乾燥肌の洗顔料の選び方は、刺激の少ないものがポイントです
2.乾燥肌には、刺激の少ない洗顔料を選ぶ
3.優しく丁寧に洗い、しっかりすすぐことが肌に優しい洗顔方法となる
4.肌に刺激が少ない石けんでの洗顔もオススメ
なかなか改善しない乾燥肌は、洗顔に問題があるのかもしれません。
洗顔の際の刺激を感じることがあり、悪化するのでは…と心配になっていませんか。洗顔料選びにも迷ってしまいますね。
そういったときには、乾燥肌・敏感肌用とされる刺激の少ない洗顔料を選んで使うようにしましょう。石けんでの洗顔もオススメです。
同時に洗顔方法を見直して、肌に優しいやり方で行うことで、肌の乾燥を解消していきましょう。