- 潤いある皮膚や髪の毛の維持
- 骨量の減少予防
- 骨、筋肉、関節の働きをスムーズにする
- 脳機能の維持
- 精神を安定させる
産後の乾燥肌はすぐ改善するの?
目次
産後の乾燥肌が改善するにはしばらく時間がかかるので、保湿ケアを入念にしましょう
10カ月もの妊娠生活から、やっと可愛い赤ちゃんと対面し、幸せもつかの間。
出産翌日から休む間もなく赤ちゃんのお世話に追われ、自分のことなど構っていられない日々がスタートします。
出産をした女性の体の中は大きな変化が起こり、さらに昼夜問わず授乳が続くことで睡眠不足、母親としての責任感などで心身の疲労がどっとたまってしまいます。
その上、家事や仕事がある人はさらに疲れがピークに達してしまうでしょう。このような産後の心身の疲れやストレスは、ホルモンバランスの乱れや抵抗力の低下につながり、お肌もトラブルが生じやすくなります。
また妊娠中に分泌されていた女性ホルモンのエストロゲンが、産後は一気に激減します。エストロゲンのホルモンの量の変化によって、乾燥肌や敏感肌、黒ずみ、シミなどお肌にも変化があらわれます。
産後のお肌のトラブルは、産後から1年ほど経過すると徐々に回復するといわれています。とはいえ、乾燥肌をそのままにしておくと、シワやたるみなど肌老化を早める原因にもなります。
産後の肌トラブルは保湿ケアや紫外線対策がとても重要なポイントです。産後におすすめのスキンケア方法を紹介します。
産後の乾燥肌を防ぐスキンケア
産後のホルモンバランスの変化によって、産後の体はさまざまな変化があらわれます。カサつく乾燥肌もその一つです。
妊娠中は胎盤から女性ホルモン(エストロゲン)が大量に分泌されています。ホルモンには赤ちゃんに栄養を送るために必要な胎盤をつくり、子宮を大きくしたりする役割があります。
また女性ホルモンは妊娠、出産以外にも多くの働きをします。
などのためです。
女性ホルモンの分泌量は妊娠前を1とすると、妊娠中は10倍から100倍にまで増加するといわれています。しかし出産後は女性ホルモンの分泌量がほぼ0になる状態にまで急激に減少します。
こうした女性ホルモン量の変化で、
- お肌のカサカサ
- 湿しん、かゆみが起こる
- シミができやすくなる
- お肌の黒ずみが目立つ
- 髪の毛が抜けやすくなった
などのトラブルがあらわれます。
産後の肌トラブルは1年後には徐々に回復します!
産後の女性ホルモンの急激な変化で起こる、体やお肌のさまざまな変化やトラブルは一時的なものです。月経が再開する半年から約1年が経過すれば、子宮が回復して体力も戻ると体のトラブルも回復します。
月経が再開すると卵巣から女性ホルモンが分泌されるようになるので、妊娠前の体の状態に戻ります。肌荒れや乾燥肌、ひどい抜け毛などの症状も徐々にもとの状態に落ち着いてきます。
産後のスキンケア方法(1) 保湿ケア
産後はホルモンバランスの変化で、乾燥、シミ、黒ずみなどと肌トラブルが起きやく、お肌はデリケートな状態になっています。そのため今まで使っていた化粧品で肌荒れを起こしてしまう人も多いでしょう。
産後のデリケートなお肌にはいつも以上に丁寧に行う必要があります。そのポイントを紹介します。
産後のお肌が乾燥するのは、お肌のバリア機能が低下しているから
バリア機能が正常に機能していれば、肌内部の水分が保持できており、潤いと柔軟性のある健康的なお肌を維持できます。
しかしバリア機能が低下すると、角質細胞内の天然保湿因子(NMF)や細胞間脂質のセラミドなどが減少して細胞をつなぎとめる力が低下します。その結果、お肌のバリア機能が弱まり、肌内部の水分が蒸発してしまいます。
産後は、赤ちゃんのお世話で疲れ切ってしまい自分のお肌に時間をかける余裕もない状況でしょう。しかしそこを踏ん張って、洗顔した後はすぐに保湿ケアを欠かさず行うことで乾燥肌を防ぐことができます。
保湿ケアでは、お肌のバリア機能を高める以下の成分が配合された化粧品がおすすめです。
- 角質層内の潤い成分であるセラミド(セラミド1・セラミド2・セラミドAP・セラミドNPなど)
- 真皮層に存在するコラーゲン
- ヒアルロン酸
セラミドは体内からお肌を潤い、キメの整ったお肌にしてくれます。コラーゲンはお肌のハリや弾力を維持する働きがあります。ヒアルロン酸は水分を保持する力を持ち、お肌の保湿作用を発揮します。
セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸はいずれも加齢とともに減少していく成分です。産後のスキンケアでこれら成分を積極的に取り入れていくことで、ハリとツヤのある健康的なお肌をキープできるでしょう。
産後はお肌が敏感になっているため、これまで使っていた化粧品が刺激となる場合もあります。
- 防腐剤
- 香料
- 保存料
- 着色料
などはお肌の刺激となるので化粧品を選ぶ際は、無添加の化粧品がおすすめです。
産後、化粧品を切り替える際は、サンプルを試してみると安心です。お肌につけて刺激がないか、かゆみや湿疹があらわれないかなどを確認してから、化粧品を購入しましょう。
保湿ケアの手順は化粧水、美容液、乳液、クリームの順につけます。赤ちゃんのお世話で時間がない時は、化粧水と乳液だけでもしっかりと使いましょう。
大人も赤ちゃんも使えるミルクローションで、赤ちゃんと一緒の保湿ケアをするのもよいでしょう。
またオールインワンの化粧品を使って保湿ケアをするのも時短になります。セラミド配合の保湿力の高いクリームなどがおすすめです。
化粧水のつけ方のポイント
化粧水を手に載せて体温で温めてから使うこと。お肌への浸透力が高まります。両手で顔全体を優しく包み込むようにして、化粧水を丁寧につけていきましょう。
パチパチとたたきながらつけるのは、お肌の刺激になるのでやめましょう。
コットンを使う場合は、化粧水をたっぷりしみ込ませたコットンを、お肌に密着させたまま優しく滑らせていきます。顔の中心から外側へ、上から下へとつけていくのがコツです。
強い力でこすりながらつけても奥まで化粧水は浸透しません。逆に肌摩擦が生じて、お肌に傷がついてしまいます。またコットンの繊維が顔に残らないように注意しましょう。
産後のスキンケア方法(2) 紫外線対策
お肌が紫外線を浴びると、お肌の新陳代謝といわれるターンオーバーの周期が乱れます。その結果、お肌のバリア機能が低下して、肌内部から水分が蒸発し乾燥肌を招きます。
また皮膚の真皮まで紫外線が届き、真皮内にある線維芽細胞、コラーゲン、エラスチンなどにダメージを与えます。その結果、シワ、ほうれい線、たるみなど肌老化を引き起こす原因になります。
産後は、ただでさえお肌が敏感になっており、乾燥や肌荒れを起こしやすい状態です。また産後1年間ほどはホルモンのバランスの影響で、紫外線を浴びるとシミになりやすくなるのです。
今まで使っていた日焼け止めが刺激となって、かぶれたりする人もいるでしょう。しかし紫外線は夏の日差しの強い時期だけではなく、一年中降り注いでいます。お肌にやさしい日焼け止めを使って紫外線対策をしましょう。
産後のお肌も安心して使える日焼け止めを選ぶポイント
パッケージに記載されているSPF、PAの数値を確認することです。SPFは紫外線防御指数のことです。
紫外線を浴びたお肌が赤くなり、日焼けをするまでを引き延ばせる時間をあらわしています。PAは、真皮まで届きシワやたるみを引き起こす紫外線A波を予防する数値です。
SPF、PAの数値が高いほど紫外線による日焼け予防は高くなりますが、強い成分が配合されているのでお肌への負担も大きくなります。
産後のお肌には、SPF25〜35、PAは2+までの日焼け止めがおすすめです。普段の生活用であれば十分に紫外線を予防できるでしょう。
さらに、紫外線吸収剤が配合されていないノンケミカルのものもおすすめです。多くの日焼け止めには、紫外線のダメージを防ぐ有機化合物の紫外線吸収剤が入っています。
紫外線吸収剤は紫外線を強力にシャットアウトするのですが、強い成分のため、産後の敏感になっているお肌には刺激になる場合があるのです。
ノンケミカルの日焼け止めは、紫外線吸収剤の代わりに紫外線散乱剤を使っています。ノンケミカルの日焼け止めはお肌が白くなるデメリットはありますが、お肌にやさしく産後も安心して使えます。
日焼け止めはたっぷりとぬりましょう
汗で流れたり、時間が経つと劣化したりするので小まめにぬり直すことが大切です。紫外線予防が持続し、お肌をしっかりと守ることができます。
産後の肌トラブルを改善するライフスタイル
産後の乾燥肌、肌荒れを改善、予防するための気をつけたい生活習慣を説明しましょう。
バランスのよい食生活
母乳育児の人はとくに、鉄分が不足している状態です。鉄分が不足すると血液の循環が悪くなり肌トラブルを引き起こしやすくなります。積極的に摂取しましょう。
お肌の新陳代謝を促すカルシウム、シミや美白に作用するビタミンC、産後は激減する女性ホルモンを促進させる作用があるイソフラボン(大豆製品など)を積極的に取りましょう。
水分をしっかり摂る
母乳育児の場合、母乳に含まれる約80%が水分とされています。母乳で大量の水分が失われています。1日4リットル以上の水分を摂取するとよいといわれています。小まめに水分補給をしましょう。
睡眠をとる
産後の育児中は、自分の睡眠時間はなかなか確保できないほど忙しくなります。しかし産後の肌トラブルを予防するためには、睡眠時間をしっかりとることがとても大切です。
授乳後の赤ちゃんはぐっすり眠りに入ります。昼夜を問わず、とにかく赤ちゃんと一緒に横になって少しでも体を休める時間をとりましょう。それだけでも荒れたお肌は少しずつ変化が見えてきます。
まとめ
2.産後は肌が敏感になっているため、化粧品の選び直しも考える
3.デリケートな産後の肌はシミになりやすいので、紫外線対策を念入りに行う
産後のお肌はホルモンバランスの大きな変化によって、乾燥肌、肌荒れ、吹き出物、かゆみなど肌トラブルが生じやすくなっています。毎日の保湿ケア、紫外線対策をしっかり行うことで産後のトラブルを予防できます。
忙しい育児の中、自分の時間をつくるのはとても大変ですが、すき間時間を見つけながら、キレイなママを目指しましょう!