冬の季節に乾燥肌になる原因とは?
冬の乾燥肌は空気の乾燥が原因です
お肌の乾燥は、一年を通して多くの人が悩んでいます。季節によって乾燥肌になる原因はさまざまですが、秋から冬にかけての寒い時期はもっとも乾燥肌になりやすい環境にあります。
冬は、気温の低下によって空気中の水分が少なくなるため、お肌も乾燥しやすくなります。湿度も低下するので、お肌の皮脂の分泌量は減り、ますます乾燥しやすくなるのです。
冬の暖房器具の使用も乾燥肌を招く原因の一つです。常に暖房のきいた室内は空気が乾燥してしまうため、加湿器などを利用するなど、お肌が乾燥しないような環境づくりを心掛けることが大切です。
厳しい寒さにさらされている冬のお肌はいつも以上に敏感になっているので、毎日のスキンケアでは、お肌を労わるように丁寧にお手入れすることが重要です。
暖かくなれば徐々によくなるからと、お手入れせずに乾燥肌を放っておくと、肌荒れ、シミ、シワ、くすみ、ほうれい線などお肌の老化を早める原因にもなります。
冬の乾燥肌をしっかりお手入れしてお肌の調子を整えておくことで、春から健やかな美しいお肌で新年度をスタートすることができるでしょう。
冬の環境が原因の乾燥肌対策
冬は大気の乾燥、そして室内の暖房器具による乾燥で、お肌は常に過酷な状況に置かれています。お肌の水分量は低下し、皮脂量の分泌も少なくなるので、粉が吹いたようなカサカサ肌になってしまいます。
見た目にも肌触りにも分かりやすい乾燥肌は、皮膚の一番上にある角質層が壊れている状態です。
人の皮膚は外側から表皮、真皮、皮下組織に分かれています。さらに表皮は4層から成り立っており、最も表面にあるのが角質層です。この角質層がお肌の潤いを保つ役割を果たし、健やかなお肌を維持しているのです。
常に乾燥した環境にお肌がさらされている冬の乾燥肌は、この角質層を守るケアを施すことが予防や改善につながります。そのためには、正しい方法でスキンケアを行いしっかりと保湿をしてあげることです。
お肌の潤いとは
冬だからこそ化粧水をたっぷりつけている、高価な美容液でしっかりと保湿している、という人は多いでしょう。しかし保湿ケアをいくらやっても、全く良くならない!と嘆いている人も多いはずです。
冬の乾燥肌を改善するためには保湿ケアがとても大切です。しかし、ただ化粧水をたっぷりつけているだけでは、乾燥肌は改善しません。正しい保湿ケア、正しいお手入れをしなければお肌はますます悪化してしまいます。
お肌の乾燥を改善する正しい保湿ケアとは、お肌が本来もっている保湿力を高めることです。そのためには、お肌の潤いを維持する役割を持つ角質層を健康な状態に戻すことです。
皮膚の最も表面にある角質層には、アミノ酸などの天然保湿因子(NMF)を含む角質細胞からなっており、天然保湿因子は水分をたっぷりと含んだ状態で存在しています。
角質細胞同士はブロック状に重なっており、そのすき間をセラミドなどの細胞間脂質が埋めてつなぎあわせています。これによってお肌の水分が蒸発しないように防いでいるのです。
角質層の表面はさらに薄い膜で覆われています。この膜は、皮脂腺から分泌された皮脂と汗腺から分泌された汗が混ざりあってつくられた皮脂膜というものです。
皮脂膜が皮膚の表面をクリームのようにおおうことで、肌内部から水分が蒸発しにくくなり、紫外線や花粉、空気中のホコリ、細菌、ウイルスなど外部の刺激からお肌の内側を守る大切な役割をしているのです。
皮脂膜は洗顔料を使って洗顔をすると流れてしまいますが、皮脂や汗は常に分泌しているので数分後にはもとの状態に戻ります。そのため、お肌は常にある程度の潤いを保つことが可能なのです。
角質層や皮脂膜のお肌の水分を蓄える機能、体内の水分蒸発を防ぐ機能、外部の刺激からお肌を守る機能をお肌のバリア機能といいます。
冬のお肌を乾燥から予防、改善するためには、角質層と皮脂膜を健やかな状態に戻すこと、または維持することが重要です。そのためにはお肌の保湿力を高める正しいスキンケアでお手入れすることが大切です。
お肌のバリア機能が低下する間違ったお手入れとは
乾燥肌を改善するためには、角質層のバリア機能を正常に戻すことが大切です。しかし、間違ったスキンケアではバリア機能がすぐに壊れてしまいます。
自己流のスキンケアを見直していきましょう!
洗顔やクレンジングの際に、ゴシゴシと力を入れてこすり洗いするのは、お肌を傷つけてしまい角質層にもダメージを与えます。
保湿ケアでも同様に、こすりながら化粧品をつけるのはNGです。肌トラブルの原因になります。
ピーリングや毛穴パックなどの頻繁なお手入れ、スクラブ入り洗顔の使用などは、角質層が傷つきやすくなる原因です。乾燥肌ならなおさら、使用を控えた方がよいでしょう。
1日に何度も洗顔するのもよくありません。洗顔のやり過ぎはお肌に必要な皮脂までを洗い流してしまい乾燥肌を悪化させます。洗顔は1日2回までが目安です。朝はお湯で流すだけでも汚れは落ちてくれます。
洗顔やクレンジングは、ぬるま湯ですすぐのが正しいやり方です。
熱いお湯は皮脂汚れが落ちやすいと思われがちですが、お肌に必要な皮脂や角質までも洗い流してしまいます。ただでさえ冬は皮脂の分泌が少ないのに、それではますますお肌はカラカラになってしまいます。
熱いお湯のシャワーを直接お肌にかけるのもよくありません。シャワーの水圧が角質層にダメージを与えます。
洗顔料にはさまざまなタイプがありますが、必ずたっぷりの泡を立ててから洗顔するのが正しい方法です。
キメの細かい、モコモコの泡をお肌に載せて、泡をなでながら汚れを除去していくのが正しい洗顔方法です。
洗顔料を泡立てずにそのまま顔に伸ばして洗顔をしてしまうと、汚れがしっかり落とし切れません。お肌をこすり洗いしてしまうため、肌摩擦が生じて肌トラブルを引き起こす原因になります。
泡立てが苦手な人は、泡立て用のネットを使うと時短で、たっぷりの泡をつくることができます。安価で手に入るので試してみてください。
メイクをしている人は毎日クレンジングが欠かせません。クレンジングはスキンケアの中で最もお肌へ負荷をかける工程といわれています。その理由はクレンジング剤にあります。
ほとんどのクレンジング剤には、メイクの油分を落とすための合成界面活性剤が配合されています。合成界面活性剤とは、油と水を混ぜるための物質で、メイクをすっきり除去するためには必要です。
しかし合成界面活性剤には、お肌に必要な皮脂や細胞間脂質のセラミドを一緒に洗い流してしまうという特性があります。これらが体内から流れてしまうと、肌内部の水分が蒸発して乾燥状態が悪化します。
洗浄力の強いオイルタイプや拭き取るシートタイプのクレンジング剤は、合成界面活性剤が多量に配合されているといわれています。逆に配合量の少ないのがクリームタイプです。
乾燥肌を改善、予防するためには、合成界面活性剤の配合量が少ないクレンジング剤を使用することをオススメします。
洗顔後はお肌が乾燥しやすくなっている状態です。時間をおかずに、すぐに保湿ケアを行いましょう。
お肌のバリア機能を守る正しいクレンジング&洗顔方法
これまでの自己流のスキンケアを見直し、正しい方法でクレンジングと洗顔を行うだけで、お肌はみるみる変化します。それほど毎日のスキンケアは重要なのです。
正しいクレンジング方法は、クリームクレンジングをお肌に載せて指の腹でクルクルと回しながらメイクとなじませていきます。しばらくすると、指がフッと軽くなるのでそれを合図にお湯ですすぎます。
クレンジング力が物足りないという場合は、目元や口元のポイントメイクを専用のリムーバで落としてから、顔全体のメイクをオフすると良いでしょう。
正しい洗顔のポイントは、洗顔料をしっかりと泡立てることです。泡立て用のネットを使ってキメの細かいたっぷりの泡をつくり、泡をクッションにして優しく汚れを落としていきます。
すすぐ際は、髪の毛の生え際、小鼻の周り、フェイスラインなど洗顔料が残りやすい部分を意識してぬるま湯で流しましょう。清潔な柔らかいタオルで、ゴシゴシこすらずに、軽く押さえるように水分を拭きます。
洗顔後はすぐに保湿ケアを行いましょう!
冬の乾燥肌を改善する保湿ケア
洗顔後はすぐに保湿ケアをしましょう。正しい保湿ケアの手順は化粧水→美容液→乳液→クリームの順につけていきます。
化粧水でたっぷりと水分を与えお肌を柔らかくした後に、お肌に必要な美容成分を補います。最後に乳液やクリームの油分でお肌にフタをして、水分や美容成分の蒸発を防ぎます。
化粧水や乳液は手のひらで温めてから使用すると、お肌の奥までじんわりと浸透していきます。化粧品をつける際には、顔全体にムラなくつけるのがコツです。手のひらで顔を覆うようにしてつけるとよいでしょう。
コットンを使う際は、コットンの繊維で角質層を傷つけないように優しくパッティングしましょう。またコットンの繊維がお肌に残ると肌荒れの原因になるので気をつけて使用しましょう。
保湿ケアで使用する化粧品は、もともと肌内部に存在するセラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンなどの保湿成分が配合された物を選びましょう。水分不足の角質層を潤い、健やかなお肌へと導いてくれます。
(まとめ)冬の乾燥肌は角質層を守るスキンケアで改善しましょう
2.間違ったスキンケアを行うとお肌のバリア機能が低下する
3.クリームクレンジングとよく泡立てた洗顔でお肌のバリア機能を守る
4.肌に内在する成分を補う保湿ケアにより冬の乾燥肌の改善を目指す
冬は大気が乾燥し、保湿ケアをしっかり行っていても乾燥肌になりやすい季節です。正しいスキンケアとあわせて、室内の加湿、紫外線対策などに気を配ってお肌を乾燥から守りましょう。”