- お肌全体につっぱり感があるのは「乾燥肌」です。
- お肌全体につっぱり感がある。さらに目元、口元、頬の部分がカサカサしているが、Tゾーンはベタつき感があるのは「混合肌」です。
- お肌全体が脂っぽさを感じるのは「オイリー肌」です。つっぱり感はほとんどありません。
- お肌全体がしっとりと潤い、つっぱり感がまったくないのは「普通肌」です。普通肌は、皮脂線の多いTゾーンのベタつき感もありません
乾燥肌といわれる基準は何?
乾燥肌の基準は、洗顔後のつっぱり感です
「乾燥肌タイプの化粧品を使っているけれど、本当に私って乾燥肌なのかしら?」
「お肌がカサカサしてかゆくなるのは、乾燥肌だから?それとも老化現象かしら?
そもそも、乾燥肌って何を基準にしてそういうのかな…」
自分では乾燥肌だと思っているけれど、本当のところはよく分からない、と言う人はたくさんいるかと思います。
肌タイプには大きく分けて、乾燥肌、オイリー肌、混合肌、そして普通肌の4タイプがあります。
なかでも、カサカサの乾燥肌はメイクのノリも悪く、かゆみや赤みの原因にもなります。またケアをせずに放っておくとシミ、シワ、たるみ、ほうれい線など肌老化にもつながる肌トラブルです。
乾燥肌とは、お肌の水分が減って、水分と油分のバランスが取れていない状態のことをいいます。
例を挙げると、粉を吹いているお肌は、ほぼ乾燥肌といえます。これは洗顔後に角質がはがれている状態なのです。
肌トラブルを解消するためにも、自分の肌質を知ることがとても大切です。自分の肌質に合わない化粧品や洗顔フォームを使い続けることは、さらに肌トラブルを悪化させるようなものです。
ここでは乾燥肌の基準や原因、正しいケア方法などを説明していきましょう。
乾燥肌かどうかチェックしましょう
自分のお肌が乾燥しているのかを簡単にチェックする方法があります。簡単な方法なので、ぜひ試してみてください。
普段通りに洗顔を行い、清潔なタオルで水分を拭き取ります。そのまま放置します。夏は約10分、冬は約5分が目安です。
さて、その後のお肌の様子を見てみましょう。
乾燥肌はさまざまな肌トラブルを引き起こします。乾燥肌についてくわしく知ることが、改善への第一歩です。
潤いが保たれているお肌のしくみとは
人の皮膚は外側から表皮、真皮、皮下組織に分かれています。さらに表皮は角質層、顆粒層(かりゅうそう)、有棘層(ゆうきょくそう)、基底層の4層から成り立っており、一番外側の角質層の働きによって、お肌の潤いが保たれているのです。
表皮の一番外側にある角質層は0.02〜0.03mmの厚さで、角質細胞が重なった状態になっています。角質層内には、アミノ酸などの天然保湿因子で満たされた角質細胞が重なっています。
角質細胞と細胞のすき間をセラミド、遊離脂肪酸やコレステロールなどの細胞間脂質が接着剤のようにくっつけてすき間を埋めています。
角質層には体をおおって守るバリアの働きがあります。
- お肌の水分を体内に蓄える機能
- 体内の水分蒸発を防ぐ機能
- 雑菌やアレルゲンなど外部の異物を体内に侵入するのを防ぐ機能
この3つです。
この働きは、角質層の表面を覆う皮脂膜、角質細胞にある天然保湿因子、セラミド、遊離脂肪酸やコレステロールなどの細胞間脂質によって維持されています。
皮脂膜は、皮脂腺から分泌された皮脂と、汗腺から分泌された汗が混ざりあったもので、皮膚の表面にクリームのように膜を作ります。皮脂膜は外部からの異物混入を防ぎ、水分の蒸発を防ぐ働きをしています。
皮脂膜は、洗顔料を使って洗顔をすると流れてしまいます。
しかし皮脂や汗は常に分泌されているため、洗顔後しばらくするともとの状態に戻ります。そのため皮膚はある程度の潤いを常に維持することができるのです。
アミノ酸などの天然保湿因子、セラミドなどの細胞脂質は水を吸着する働きがあります。健康なお肌はこれら皮脂膜、天然保湿因子、細胞間脂質によって皮膚の水分が保たれているのです。
乾燥しているお肌の状態とは?
皮脂と汗が混ざりあった皮脂膜は、皮脂や汗の分泌が減少する寒い冬場などには機能が低下します。外部からの異物侵入を防ぐことができず、また体内の水分が蒸発して乾燥などのトラブルを生じるのです。
皮脂膜の機能が低下すると、同時に細胞間脂質の合成、天然保湿因子の生成が低下してしまいお肌のバリア機能が弱まってしまいます。
バリア機能が低下すると、細胞間脂質に蓄えられている水分が減少して、細胞の間にすき間ができてしまいます。その結果、水分が皮膚からどんどん蒸発していき保湿機能は低下して乾燥肌になるのです。
さらに冬の暖房、夏のエアコンなどの使用でお肌はますます乾燥します。さらに間違ったスキンケア、洗浄力の強い洗顔料やクレンジング剤などの使用でお肌のバリア機能は低下して乾燥が増長されます。
またアミノ酸などの天然保湿因子、セラミドなどの細胞間脂質は、加齢によって減少していくことが分かっています。その他、生活習慣や食生活の乱れ、ストレス、寝不足なども乾燥肌を招く原因です。
乾燥肌を改善、予防する対策
乾燥肌を改善、予防するためには、お肌のバリア機能を回復することが大切です。そのためには毎日のスキンケアを正しい方法で行い、角質層の働きを正常に戻すことが乾燥肌を改善する近道になるでしょう。
お肌のバリア機能は間違ったスキンケアを続けているとあっという間に壊れてしまいます。まずはこれまでの自分のスキンケアを見直して、正しい方法でクレンジング、洗顔、保湿ケアを行いましょう。
クレンジング剤にはさまざまなタイプがありますが、ほとんどのクレンジング剤にはメイクの油分を落とすための合成界面活性剤が配合されています。油と水を混ぜるための物質で、メイクを除去するためには必要です。
しかし合成界面活性剤には、メイク汚れを除去する際にお肌に必要な皮脂や細胞間脂質のセラミドを一緒に洗い流してしまうというデメリットがあります。
セラミドが体内から流出してしまうと、お肌の水分が蒸発してバリア機能が低下し乾燥肌を招く原因になります。乾燥肌を予防、改善するためには、できるだけ合成界面活性剤を使わないことです。
乾燥肌の人には、合成界面活性剤の配合量が少ないとされているクリームタイプのクレンジング剤がよいでしょう。
ナチュラルメイクなら十分オフできます。
クレンジング力が物足りないと感じる場合は、あらかじめ目元や口元はポイントメイク専用のリムーバーを使って落としておくとよいでしょう。
また乾燥肌の人が避けたいクレンジング剤は、オイルタイプやシートタイプです。
どちらも手軽に素早く落とせるため人気ですが、合成界面活性剤の配合量がとても多くお肌にはダメージ大きく、毎日使いには向いていません。
では次に、クリームクレンジング剤を使った正しいクレンジングのポイントを説明します。
適量のクレンジング剤をお肌の上に載せて、指の腹を使ってクルクルと回しながらメイクとなじませていきます。指がフッと軽くなったのを合図に、ぬるま湯でしっかりと流します。
メイクとなじませる時も、すすぐ時も、お肌をゴシゴシとこすらずに優しく丁寧に行いましょう。
角質層の潤いを保つ成分、アミノ酸などの天然保湿因子、セラミドなどの細胞間脂質は洗顔方法を間違えるだけで、簡単に失われてしまいます。洗い過ぎは、お肌のバリア機能を低下させる原因の一つでもあります。
またクレンジング剤と同様に、洗浄力の強い洗顔料を使うのはお肌に負担をかけてしまう行為です。乾燥肌はますます悪化し、シワ、シミ、たるみ、ほうれい線などお肌の老化の原因へとつながります。
乾燥肌を予防、改善するためには、正しい洗顔方法でお肌のバリア機能を守りながら汚れを除去することです。お肌が清潔になれば、洗顔後の保湿ケアも吸収力がアップして健康なお肌へと改善していくでしょう。
では正しい洗顔方法のポイントを説明します。
どのタイプの洗顔料を使う場合でも、たっぷりの泡をつくって、お肌の上で泡を転がすようにして洗います。お肌をゴシゴシこすらずに泡に汚れを吸着させるようなイメージで洗いましょう。
泡がつくりにくい場合は、泡立て用のネットを使うとよいでしょう。簡単に短時間でたっぷりの泡をつくることができます。
洗う順番は、まず皮脂の多い額から鼻にかけて泡を載せていきます。次に顎や頬、最後は皮膚の薄い目元、口元の順に泡を載せて優しく洗っていきましょう。
すすぐ時は、ぬるま湯を使います。熱いお湯はお肌に必要な皮脂、細胞間脂質のセラミドを流してしまうといわれています。その結果、皮膚のバリア機能が低下して乾燥肌の原因になるからです。
洗顔後は、清潔な柔らかいタオルを使って、お肌をゴシゴシこすらずに軽く押さえるようにして水分を拭き取ります。
洗顔は1日2回までにしましょう。
乾燥が気になるときは、朝の洗顔はぬるま湯で軽く流すだけでも汚れは除去できます。
乾燥肌を改善、予防するための保湿ケア
洗顔後はすぐに保湿ケアを行いましょう。
乾燥肌の改善、予防には、お肌のバリア機能の役割を果たす皮脂膜、水分を保つ天然保湿因子や細胞間脂質にアプローチするケアが必要です。
洗顔後の保湿ケアでは、角質層内の成分を補う化粧品を使ってお手入れします。乾燥肌に必要な成分は、セラミド(セラミド1、セラミド2、セラミドAP、セラミドNP)、コラーゲン、ヒアルロン酸などです。
これらの保湿成分が配合された化粧品でケアすることで、お肌のバリア機能が正常になり、乾燥肌は改善されていくでしょう。また加齢とともに減少していく成分なので積極的に取り入れていくことをオススメします。
保湿ケアの手順は、化粧水、美容液、乳液、クリームの順に行います。洗顔後のお肌にたっぷりの化粧水で水分を与えます。潤いを逃がさないように最後に乳液やクリームでフタをして蒸発を防ぎます。
とくに暑い季節は、ベタつくからといって乳液やクリームをつけない人がいますが、乾燥肌の原因になるのでしっかりとケアしましょう。
(まとめ)乾燥肌かどうかは、洗顔後のつっぱり感を基準にして、自分で判断することができます
2.さまざまな原因でバリア機能が低下することで、お肌の乾燥を招く
3.クレンジング、洗顔、保湿の方法を工夫して、お肌のバリア機能の回復を目指す
乾燥肌の基準は、洗顔後のつっぱり感です。つっぱり感がある人は今日から、これまでの自己流スキンケアを見直して、乾燥肌を改善しましょう。
正しいスキンケアを続けることで、次第にお肌の変化を実感できるはずです。