- 自分の肌の状態に対して、洗浄力の強過ぎる洗顔料を使っていませんか?
- 汚れが気になるからと、1日に何度も洗顔していませんか?
- 力を入れて、ゴシゴシこすって洗顔をしてはいませんか?
乾燥肌って水分の割合が少ないということ?
水分と皮脂の割合のバランスが崩れたときにも、乾燥肌の状態になります。
ヒリヒリとかゆみが出たり、カサついて粉が吹くようになってしまったり。メイクで隠そうとしても、肌荒れが目立ってしまう乾燥肌は悩みの種です。
この乾燥肌を解決するためには、どうしたらよいのでしょう…?
肌の水分不足が原因であるとよくいわれています。
そこで、「肌の中の水分が不足するから」「空気が乾燥しているから」などのために肌が乾燥すると思っていませんか?
その対策として思いつくのは、スプレーで霧を吹いて肌に水分を補給する、室内の湿度を上げるなどのことでしょうか。
しかし肌に、ただ水分を与えるだけでは乾燥肌は解決しないのです。
乾燥肌を改善するために大切なこと、それは水分と皮脂の割合をよくし、バランスを整えることです。
テカリやベタつきを招き、吹き出物の原因にもなる皮脂は、不要なものと思われやすく、洗顔で洗い流したり、あぶらとり紙で取り除いたりしてしまいがちです。
ですが、実は皮脂にはても重要な役割があるのです。
皮脂が不足していると、肌には十分なバリア機能が働かず、水分を失うばかりとなります。
適度な皮脂の量を確保して、肌の水分とのバランスを保つことが、乾燥肌対策には大切なのです。
皮脂の働き
皮脂は、肌の毛穴の奥にある「皮脂腺」でつくられ、毛穴を通して肌全体に分泌されます。汗などの水分と混ざりあって、バリアのように肌全体をおおって人の体を守っています。
例えば、何もしなくても肌全体がカサつかず、なめらかになっているのは皮脂のバリアのおかげです。
また、体の内部から水分が蒸発していかないように保護する役割もあります。
皮脂のバリアがあること、肌の水分を守っていることで皮膚に強度が生まれるので、外界から多少の刺激や摩擦、があってもダメージを受けにくくなっています。
ホコリやアレルギー物質などの異物の侵入も防いで、私たちの健康も守っています。
しかし、何らかの原因で肌の皮脂が減ってしまうと、肌のバリア機能がなくなってしまいます。外側からはダメージを受け続け、内側からは潤いの流出を止められなくなるのです。
すると肌がボロボロの状態になってしまうだけでなく、体全体の健康状態にも影響してくるでしょう。
皮脂が減ってしまう原因の第一には、過度の洗顔で皮脂を洗い流してしまうことが挙げられます。次に、体調の変化などで皮脂の分泌が減ってしまうこともあるでしょう。
それに加えて季節や空調の影響で、肌がとても乾燥しやすくなります。
それを防ぐために、十分な量の皮脂を確保するための対策を考えていきましょう。
皮脂を取り過ぎない洗顔をしましょう
肌が水分を保つためには、十分な皮脂の量が必要です。しかし、せっかく分泌された皮脂を間違った洗顔方法で取り除いてしまっていませんか?
ここでいつもの洗顔方法を見直してみましょう。
このような洗顔を続けていると、本来必要な皮脂が洗い流されてしまいます。
また、洗顔料に含まれている「合成界面活性剤」は、汚れを落とすのに適した成分です。
しかし、その一方で使用量が多いことなどが原因で高濃度のまま肌に触れると、皮脂のバリアを洗い流し、肌細胞を傷つけていきます。
傷ついた肌細胞のすき間からは、肌内部のコラーゲンやヒアルロン酸が流出していきます。すると、ひび割れた乾燥肌になってしまうのです。
ここで失われた潤いをカバーするために応急処置として、皮脂が一時的に大量に分泌されます。このことで肌にテカリやベタつきが発生したように見えてしまいます。
肌荒れのゴワつき、テカリやベタつきが気になるため1日に何度も洗顔をしてしまいたくなります。念入りに洗おうとして、ゴシゴシと強くこすってしまうこともあるでしょう。
そして本来必要な皮脂や潤いが失われる、という悪循環におちいってしまうのです。
洗顔の際に、皮脂を失わないためには「洗い過ぎない」ことが重要です。
まずは洗浄力の強過ぎない洗顔料を選んでください。
また、洗顔の回数は朝と夜の1日2回までに押さえましょう。それぞれの回に必ずしも洗顔料を使わなくてもよく、肌の乾燥が気になるときは水またはぬるま湯のみで洗い流すなど工夫が必要です。
力を入れて肌をこするという行為は肌を傷めるだけでなく、シミやシワの原因にもなるので決して行わないように気をつけましょう。
皮脂の分泌をよくするために、少し体温を上げてみましょう
皮脂の分泌料を増やすためには、体温を上げることがもっとも効果的です。体温が4度上がると、皮脂量が2倍になるといわれています。
体温を上げると新陳代謝がよくなり、冷え性の改善、免疫力アップなどの効果も期待できます。血行がよくなるので顔色も明るく冴えてきます。
体温が上昇することで皮脂の分泌量が増えると、肌のツヤもよくなっていきます。体を少しずつ温めていき、美容にも健康にもよい態勢を整えていきましょう。
ウォーキングやストレッチなどの軽いものでも構いません。できれば毎日の習慣にするのが望ましいのですが、無理であれば1週間のうちで数回、など間隔を空けてもOKです。
体を動かすスイッチが入ることで、それまでとは体の状態がずいぶん異なってきます。日常の体温が上がってきて、皮脂の分泌が増えてきます。
続けていけば筋肉量が増えたり、全身の基礎代謝が上がったりと健康増進やダイエット効果にもつながります。
普段の入浴をシャワーのみで済ませていませんか?
浴槽にお湯を張って、しっかり全身を温めるようにしましょう。
じっと汗ばむくらいまで体が温まればOKです。皮脂の分泌も促され、肌はしっとりしています。
ひじ、かかと、脚や腕などもともとカサつきやザラつきが気になる部分には、ローションやオイルで保湿をしましょう。
しかし湯上りにのんびりしていて、体を冷やしたり、肌を乾燥させてしまったりすることがあります。
体の水分をしっかり拭き取り、時間を置かず早めに保湿ケアをするように心掛けてください
また、湯船に浸かることで、体に水圧にかかるため血行が促進されます。リンパの流れもよくなって、足のむくみやだるさの改善も期待できます。
温かく、蒸気をたっぷり含んだ蒸しタオルを顔に当てることで、肌が柔らかくなりしっかり温まります。
皮脂の分泌も促され、蒸気とともにしっとり広がっていきます。
蒸しタオルは、電子レンジを使うことで手軽に用意できます。タオルをぬらして軽くしぼり、電子レンジで数十秒温めれば出来上がります。
タオルをヤケドしない温度まで冷ましたら、顔に載せて3~5分置きます。
温かさと蒸気を十分に感じたら、タオルを外して保湿ケアをします。
蒸気で毛穴がしっかり開いているので、スキンケアで使う基礎化粧品の美容成分がしっかり浸透し、効果が一段と上がります。
漢方で体を温めるといわれている食品があります。
例を挙げると
- ショウガ
- ニンジン
- ゴボウ
- レンコン
- 玄米
- そば
- 卵
- 赤身の肉や魚
- みそ
- しょうゆ
- 漬物
- 黒砂糖
などです。
これらを食事のメニューに取り入れる、ジュースやスムージー、サラダやスープの中に加えるなどして積極的に摂取するようにしましょう。
体の中から温まり、代謝がよくなって皮脂の分泌が増えてきます。
一方で、注意したいことがあります。
それは、好き嫌いや自己流のダイエットで偏った食生活をしない、ということです。
例えば、「ダイエットのために油脂類をまったく摂らない」ということをすると、そもそも皮脂は油分からできているので、食事から摂取をしないと皮脂がつくられないということになります。
また、女性らしさや肌の美しさに影響する「ホルモン」は、体内で油分から合成されているので、まったく摂取しないと自分で作ることができません。
すると肌や髪、爪や瞳の輝きなども失われてしまいます。
美しく、そして健康であるためには、バランスよい食生活が欠かせないのです。
自分の体のことを考えながら、毎日の食事を大切にしていきましょう。
皮脂が過剰になるのもNGです
ここまで、皮脂の重要性を述べてきました。
しかし逆に、あまりに皮脂が多過ぎても肌にとってはNGなのです。
過剰な皮脂は、肌のテカリ、ベタつき、毛穴詰まりやメイク崩れを招きます。こんな肌は美しくありませんね。
また、過剰な皮脂が毛穴をふさぐことで雑菌が繁殖してニキビや吹き出物の原因にもなります。
肌の美しさと健康を守っているはずの皮脂ですが、こうなってしまっては困ります。
ですから、過剰な皮脂は放っておかずに適宜、取り除くようにしましょう。
ちょっと皮脂の浮きが気になったら、あぶらとり紙で優しく押さえて取り除く、崩れたメイクを直すなどです。
また、「皮脂の分泌が多いかな?」と感じたら、朝または夜の洗顔時に、洗顔料を使ってさっぱり洗い上げることも必要です。
皮脂が過剰に分泌されてしまう原因の一つに、食事の内容が挙げられます。油分の多いものを食べ続けていると、皮脂の分泌量が多くなります。
また女性の体では、ホルモンバランスの影響により皮脂の分泌が多くなることがあります。ストレスによっても皮脂が増えてしまうことがあります。
皮脂の分泌を自分でコントロールするのはなかなか難しいものです。しかし、皮脂が多く分泌されたときには取り除くケアを、足りないときには保湿するケアを行えば適度な潤いが維持できます。
自分の心身の状態とよく向き合って、肌の皮脂量が過不足ない状態に保てれば、いつもキレイな肌でいられることでしょう。
(まとめ)皮脂の割合を適度に保つことで、乾燥肌の改善につながります。
2.体温を上げて皮脂の分泌をよくする
3.皮脂が過剰になるのもNG
十分な皮脂がないと、肌は水分を保つことができません。
皮脂が不足すると、乾燥肌になるだけでなく、シワやたるみも招きます。
美しい肌を維持するため、必要な量の皮脂が分泌されるようなスキンケアや生活習慣を心掛けましょう。