夏でも乾燥肌になってしまうの?
夏、皮膚の表面は湿っていても、皮膚の内部が乾燥した状態になることがあります
「乾燥肌」というと、どのような皮膚の状態を想像しますか?
「肌の表面がカサカサする」「白い粉をふいたように、肌のキメが乱れてしまう」「カサカサしてかゆみを伴う」など、乾燥肌と言うと、皮膚の表面が乾燥によってカサついてしまうことをイメージする人が多いですね。
では、「乾燥肌」に悩まされる季節は、いつだと思いますか?
おそらく、「空気の乾燥する冬、肌も一緒に乾燥に悩まされる」と答える人が多いのではないでしょうか。
確かに、1年のうちでも秋や冬は湿度が下がり、空気が乾燥する季節です。その影響を受けて、私たちの肌にも「カサつく」「キメが乱れる」「かゆくなる」など、乾燥肌の症状が多く出ます。
では、乾燥肌は冬季特有の、冬にしかあらわれない肌トラブルなのでしょうか。
実は、ジメジメとした湿気に包まれる夏にも、乾燥肌になることがあります。汗や皮脂でベタつくあの夏に、私たちの肌が乾燥しているなんて信じられないと思うかもしれません。
でも、乾燥肌は夏の肌トラブルのひとつと考えられています。では、夏に見られる乾燥肌とは、どのような肌の状態を言うのでしょうか
夏の「インナードライ」に注意しましょう
夏の暑さで汗をかいたり、皮脂の分泌が過剰になって顔がベタついたりするという経験は、誰にでもあります。でもまさか、そんな自分の肌が乾燥肌であるなんて思いもよらないことでしょう。
でも、夏でも私たちの皮膚の中で肌の乾燥が進行していることをご存知ですか?
夏は冬と比較すると、汗や皮脂の分泌がより活発になっています。そのため、一見しただけでは「わたしは脂性肌?」という錯覚をするかもしれません。
しかし、皮膚の内部をのぞくと、肌の内部がカサカサと乾燥状態におちいっているケースがあります。これが、夏の乾燥肌の特徴です。
そのような状態はインナードライと呼ばれています。インナードライは肌の内側のトラブルであることから、気がついたときには乾燥がかなり進行してしまっていることも多くあります。
インナードライにならないためにはどうしたらいいのかを考えてみましょう。
夏、インナードライが知らぬ間に進行してしまうのはどうして?
乾燥肌は、ドライスキンと言われています。一般的なドライスキンは、たとえば「頬がカサカサする」「かかとがガサガサして皮がめくれる」「肌が白っぽくなりかゆくなる」といった皮膚の表面に症状がでます。
しかし、夏の乾燥肌は”インナードライ”と呼ばれているように、肌の内部の乾燥が進む状態を言います。皮膚の表面は汗や皮脂でテカっているため、外側からは乾燥状態の程度を把握することが難しいことも多くあります。
実際、自分がインナードライであると意識している人は少ないようです。しかし、女性の80%がインナードライの疑いがあるという数字からもわかるように、夏の乾燥肌も実は身近な肌トラブルとなっています。
夏の乾燥肌、すなわちインナードライは、女性に多く見られる肌トラブルのひとつです。夏は汗と皮脂の分泌が多くなる季節なので、まさか内部が乾燥していたとは認識されにくいのが特徴です。
例を挙げると、皮脂や汗を落とすために洗顔回数を増やしているにもかかわらず、逆に皮脂の過剰分泌によってテカリが気になるという場合はインナードライを疑いましょう。
また、肌のキメが乱れて毛穴が大きく開く、皮脂が多いのに肌のつっぱりが気になる、メイクのノリが悪いためスキンケアをしているのに一向にカサつきが改善されない、といった悩みは夏の乾燥肌の疑いがあります。
夏の乾燥肌であるインナードライは、皮膚の表面は皮脂や汗で潤っているにもかかわらず、肌細胞の水分量が大きく欠乏している状態を言います。
当然、細胞は健全な状態とは言えず、肌細胞のターンオーバーの周期が乱れることによって、ハリの欠如、シミ、シワ、くすみ、つっぱり、毛穴の開きといった肌トラブルの原因になってしまうのです。
夏の乾燥肌、インナードライになってしまう原因として最初に考えられるのは、エアコンなど空調の影響です。職場や家庭では夏の暑さを軽減させるために、エアコンをほぼ1日中使用する傾向があります。
エアコンからの送風やエアコンによる湿度の低下は、私たちの肌を乾燥させてしまいます。
それから、暑さのため皮脂の過剰分泌が気になり、頻繁に洗顔をしている人はいませんか?洗顔の回数が多すぎると、本来肌に必要な皮脂や脂質まで洗い流してしまうことになります。
実は、夏場に不快になる皮脂は、肌の乾燥を防ぐ防御反応として分泌されることがあります。それを過剰なものして洗い流してしまうと、肌は無防備になり、より一層乾燥が進行するという悪循環におちいります。
夏場の皮脂の分泌を気にして「自分は脂性肌だから」と勘違いし、間違ったスキンケアをしてしまったらどうなるのでしょう。脂性肌向けのスキンケアが原因で、肌が必要以上に潤いを奪われることも多いようです。
また、夏場は強い紫外線が降り注ぎます。紫外線は、肌の内部にまで浸透し、肌にダメージを与えます。「短時間だから大丈夫」「曇りだったから大丈夫」といった油断が、肌の内部の乾燥を進行させます。
さらに、私たち現代人はストレスの多い生活を余儀なくされています。食生活や生活習慣の乱れ、それから加齢といった避けられない原因もあり、私たちの肌の内部は、想像以上にカラカラに乾いてしまうのです。
肌の内部の乾燥をそのまま放置してしまうと、私たちの肌はどうなるのでしょうか。考えられるのは、ちょっとした刺激にも過剰に反応してしまうようになることです。
乾燥肌は、健康な肌と比較すると皮膚の水分量の減少とともに、バリア機能の低下が予想されます。そのため、洋服の繊維、髪の毛、花粉などちょっとした刺激に反応し、かゆみを引き起こすことが考えられます。
「かゆいから、またかく」といったことを繰り返すと、ますます肌の表面が傷つき、傷の部分がまた刺激を受けてさらにかゆみを増す…という悪循環になりかねません。
また、乾燥肌は肌細胞が水分不足になっており、細胞そのものがこわばっています。そのため、シワの原因になったり、皮脂が詰まりやすくニキビの原因になったりすることもあります。
このように考えると、皮膚の外側の乾燥だけでなく、内側の乾燥についても早めの乾燥対策をとる必要があることがわかります。
インナードライ、どうスキンケアしたらいいのか教えて!
夏の乾燥肌、一体、どのようなスキンケアをすればよいのでしょうか。汗や皮脂は落としてさっぱりしたいけれど、大事な水分は洗い流さないですむスキンケアはどのようなものなのでしょうか。
汗、皮脂、インナードライのすべてを解決するためには、シンプルなスキンケアを心掛けておくことが大切です。スキンケアを間違って、せっかくのスキンケアの効果が半減させないようにしましょう。
まず、夏場のスキンケアは、洗顔後がポイントになります。洗顔後は、肌の水分が蒸発しやすくなるため、乾燥のリスクにさらされます。そこで、洗顔後はすぐに化粧水をつけるようにします。
肌が化粧水の成分をしっかり吸収するまで、しばし時間が必要です。数分間待ってから、乳液をつけます。乳液も手のひら全体で顔を包み込むようにまんべんなくそっと馴染ませてください。
乾燥が気になるからといって美容液やクリームを重ね塗りすると、夏場は皮脂分泌が多いのでかえって肌に負担をかけてしまいます。夏場はシンプルなスキンケアを心がけるとよいでしょう。
夏場でも、メイクなどを毛穴に詰まらせてしまってはいけません。シンプルなスキンケアと言っても、クレンジングは丁寧に行ってください。
クレンジング剤ですが、「乾燥肌が気になるから」と、オイルタイプのクレンジング剤を選ぶ人がいます。しかし、オイルタイプのクレンジング剤は洗浄力が強いものが多いので、皮脂や潤いを奪い過ぎる欠点があります。
オイルタイプより、乳液タイプのクレンジング剤をチョイスした方が、乾燥肌には安心です。クレンジング剤を顔にぬる場合にも、ゴシゴシと肌をこするなど指先で肌に刺激を与えないように注意してください。
また、拭くだけでメイクが落ちる、簡単にメイクが落とせる、角栓が落ちる、といった手軽さや洗浄力を売りにしているものは、肌表面の皮脂膜や内部の角質層に大きなダメージを与えることがあります。
「使用感がさっぱりする」「手軽で便利だ」と思っても、使用には十分な注意が必要です。
乾燥肌対策でできること
冬だけでなく夏も隠れ乾燥肌、インナードライに注意しなければならないことがわかりました。インナードライを改善するために、毎日のスキンケア以外にも気をつけるべきことはまだまだあります。
たとえば、運動です。運動をする際のポイントは、ストレッチ、ウォーキングといった軽めの運動であること。体をほぐすことで血液の循環がよくなり、指先足先から肌の表面にまで酸素や栄養素が行き渡るようになります。
血液が全身に回ることで肌細胞も健全化します。乾燥肌といったトラブルが徐々に改善していくきっかけになるのです。また、運動はストレス解消にも効果的です。心身ともにリラックスできるでしょう。
それから、十分な睡眠をとることも非常に重要です。肌細胞は睡眠中に細胞分裂を繰り返しています。そのため、十分な睡眠時間の確保することは乾燥肌対策としても有効です。
「何時間寝たか」ということだけでなく、良質な睡眠をとることが大切です。成長ホルモンが分泌されやすくなって肌の再生がスムーズに進めるためです。
(まとめ)夏の乾燥肌、正しいスキンケアで改善していきましょう!
2.夏の乾燥肌はインナードライとも言われており、放置しておくとさまざまな肌トラブルの原因になります
3.洗い過ぎない洗顔やしっかり保湿、適度な運動、十分な睡眠などで乾燥肌を改善していきましょう
乾燥肌は冬だけの問題ではありません。肌の表面は汗や皮脂でテカっていても、肌の内側の細胞はカラカラに乾燥している、これが夏の乾燥肌、インナードライです。
知らず知らずのうちに、肌の内部で肌細胞は乾燥していきます。正しいスキンケア、適度な運動、十分な睡眠を心掛けてインナードライの改善を目指しましょう。