エアコンが乾燥肌の原因になるってホント?対策は?
エアコンの風は乾燥肌の原因になります
湿度が高く、蒸し暑い夏、なんとなく肌が潤っているような気分になったことはありませんか?
残念ながら、そんなことはありません。夏でも肌は乾燥します。
夏場に肌が乾燥する理由はさまざまです。中でも肌の大敵となるのが、「エアコン」です。室内の空気が乾燥する、空調の風を直に浴びるなど、エアコンが原因で乾燥肌になってしまうことが多々あります。
しかし熱中症対策や暑さが厳しい夏を快適に過ごすために、エアコンを欠かすことはできません。そうは言っても、肌が乾燥することも避けたいのが正直なところですよね。
エアコンによる肌の乾燥を防ぐには、部屋の湿度を保ち乾燥させないように工夫する必要があります。もしくは肌そのものが乾燥しないように対策するのも有効です。
万が一、乾燥肌になってしまったら、速やかに保湿をして潤いを取り戻すようにしましょう。今回はエアコンから肌を守る方法と、乾燥肌を防ぐための対策についてご紹介していきます。
乾燥肌になるメカニズムと対策
乾燥肌になるメカニズムについて説明します。
肌は「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層構造で、そのうち表皮は「角質層」「顆粒層(かりゅうそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「基底層(きていそう)」の4層構造になっています。
表皮のうち、角質層にはブロック状に角質細胞が重なっています。それぞれの角質細胞の隙間を埋めているのが、セラミドを主成分とする細胞間脂質です。
セラミドは肌の潤いを保つために重要な役割を担っています。セラミドが水と結合し、水分の蒸発を防ぐことで適切な水分量を維持できるのです。
セラミドが各々の角質細胞をつなぎ、肌の内側から水分が蒸発するのを防いで、外部の刺激から肌を保護することができるのです。さまざまな理由でセラミドが失われたり、肌を保護する機能が弱まったりすると、乾燥肌になる可能性が高まります。
乾燥肌を招くおもな原因を下記にまとめました。
1.スキンケアの方法を間違えている
日々スキンケアをしていても、その方法が誤っていると肌は乾燥してしまいます。「洗顔時に顔をゴシゴシとこする」「毛穴パックやピーリングのし過ぎ」などは肌を傷つけます。
また化粧水をなじませるためにパッティングをし過ぎることや、指で塗り込むようにしてクリームをつけるなど、必要以上に肌を刺激する行動もNGです。
肌が傷つくと表皮の角質層が破損し、肌そのものの保水力を弱めてしまいます。洗顔時は泡で撫でるように顔を洗う、顔を優しく抑えるようにしてクリームをつけるなど、丁寧なスキンケアを心掛けましょう。
2.食生活の乱れ
脂質や糖分の多い食事、極端なダイエットなど食生活の乱れも肌を乾燥させます。
肌の潤いを保つためには、タンパク質、不足しがちなオメガ3系脂肪酸をはじめとする必須脂肪酸、亜鉛、ビタミンなどが必要です。
偏った食事が原因で肌の潤いを保つために必要な栄養素を摂取できないと、肌が乾燥するのは当然です。栄養バランスを意識した食事を摂って、体の内側から乾燥肌を予防しましょう。
3.生活習慣の乱れ
睡眠不足や誤った入浴法、ストレスなど、乱れた生活習慣も乾燥肌の原因となります。
なかでも睡眠不足はお肌の大敵です。肌は寝ている間に成長ホルモンを分泌します。
この成長ホルモンが肌のターンオーバーを促し、新たな細胞を生み出しているのです。
しかし睡眠不足になると成長ホルモンの分泌量が低下し、肌のターンオーバーも進まなくなります。結果として潤いを保つために必要な細胞間脂質の損失につながり、肌の乾燥を招いてしまうのです。
肌が乾燥する原因は、誤ったスキンケアや食生活・生活習慣の乱れだけではありません。夏を快適に過ごすために必須のエアコンも肌を乾燥させてしまいます。
具体的な要因は下記の通りです。
1.エアコンの風に直接当たること
エアコンの風に直接当たると肌の水分が蒸発し、乾燥肌となってしまいます。
2.エアコンの熱交換器による室内の乾燥
エアコンの機能のひとつである熱交換器も、乾燥肌の遠因となります。
空気中の熱はもちろん、水分も吸い込んでしまうためです。水分を吸い込むと空気中の水蒸気が減って湿度が下がり、室内が乾燥してしまうのです。
3.エアコンの効きすぎによる冷え
エアコンの効いた室内で長時間過ごすと、体が冷えてしまいます。体が冷えると血行が悪くなり、代謝も下がってしまいます。
代謝が下がると汗や皮脂が出にくい状態となり、肌を保護する皮脂膜もできにくくなります。結果として肌のバリア機能が低下して角質細胞を傷つけてしまい、肌の乾燥につながります。
エアコンから肌の乾燥を防ぐには、何をしたらよいのでしょうか。ポイントは、朝晩のスキンケアはもちろん、日中の保湿と加湿対策です。
具対策をまとめました。
1.メイク時、下地の下に保湿クリームを塗る
ファンデーションのパウダーは、肌の水分と油分を吸着します。メイクをする時に、肌から潤いを奪ってしまっている状態です。
対策としては、ベースメイクをする前に、保湿クリームを厚めに塗るとよいでしょう。その上から下地、ファンデーションをつけることで乾燥を防ぐことができます。
2.メイク直しにはティッシュを使う
メイク直しの際、あぶらとり紙を使うことはありませんか?実は、あぶらとり紙を使うと肌表面の皮脂を取りすぎてしまうことがあります。
皮脂を取り過ぎると肌は乾燥して、皮脂の過剰分泌を促してしまいます。
肌が過剰な皮脂で覆われてしまうと、肌内部が水分不足になる「インナードライ肌」になります。皮脂を取り過ぎないためには、あぶらとり紙ではなくティッシュで抑えるようにして、皮脂を取り除きましょう。
3.室内を乾燥させない
室内を乾燥させないことも重要です。自室であれば、加湿器を導入することで室内の空気自体を潤すことができます。
では自室以外の場所ではどうしたらよいでしょうか。
オフィスであれば、USBや電池式の携帯用加湿器を使うとよいでしょう。旅行中であれば宿泊先でぬれタオルを干す、バスタブにお湯を張り浴室のドアを開けるなどの方法が有効です。
4.マスクを使う
意外と便利なのが、マスクです。自分の息から出る湿気がのどや口元だけでなく、顔全体の潤いを守ってくれるのです。
通勤電車など、加湿器を使えない場所で活躍してくれます。
普段のスキンケアにおいて、ひと手間加えて保湿する方法もあります。
1.“追い”スキンケア
帰宅後、メイクを落として顔を洗い、すぐにスキンケアをする人が多いことでしょう。しかし帰宅後のスキンケアをしたのが夕方、もしくは入浴後のスキンケアから時間が経っている、ということはありませんか?
そうだとすると眠っている深夜にはすでに乾いてしまっていることがあります。
就寝中の肌の乾燥が気になるようであれば、あらためて、その部分に乳液をのせましょう。適量を指先に取り、トントンと優しくたたくようにすると、つけすぎなくて済みます。
2.コットンで目元にフタをする
保湿のために、シートマスクを利用することもありますよね。シートマスクは目の部分に穴が開いているものが大半ですが、いっそ、フタをして目元も保湿してしまいましょう。
化粧水もしくは美容液をコットンがひたひたになるまで含ませ、シートマスクの上から目元にのせます。大きめのコットンを使うとすき間なくきれいに密封することができそうです。
ひんやり感が気持ちよく、目の疲れにも効果的です。
3.余った美容液を継ぎ足す
シートマスクを使う際、袋の中に美容液が余ってはいませんか?袋に残った美容液を捨ててはいけません。もったいないので、保湿ケアにしっかり活用してしまいましょう。
余った美容液を含ませたコットンを丸めて、シートマスクの上からポンポンとするようにして美容液を継ぎ足します。美容液が蒸発しやすい額からのせるようにするのがポイントです。
エアコン以外にも乾燥肌になる要因がある
エアコン以外にも、まだ夏場に肌が乾燥する原因があります。
暑い夏は、たくさん汗をかきますよね。汗をかいたままでエアコンの効いた室内に入れば、汗は乾きます。
しかし同時に肌から水分が蒸発してしまうのです。肌から水分が蒸発すると、肌は乾燥して突っ張ります。
肌が突っ張った状態で外出し、汗をかいてエアコンの効いた室内に入り肌の水分が蒸発するのを繰り返すと、肌はどんどん乾燥してダメージを受けてしまいます。
また汗をいっぱいかくと、体内の水分量が減って肌は乾燥します。しかし肌は乾燥すると外部の刺激から肌を守るために皮脂を分泌します。
肌の表面はベタつくのに肌の内部が乾燥している状態を「インナードライ肌」と言います。インナードライ肌だと肌が乾燥していることに気づきにくく、より乾燥肌を悪化させてしまうことがあるのです。
さらに夏場は紫外線が強くなるため、日焼け止めを塗る機会も増えます。実は、日焼け止めに含まれている紫外線吸収剤が肌に刺激を与えて、乾燥を招くケースもあるのです。
(まとめ)しっかり保湿をしてエアコンから肌を守ろう
2.肌が乾燥する原因は、肌の水分量が不足するため。
3.肌の潤いを保つには「セラミド」が重要な役割を果たす。
4.エアコンから肌の乾燥を防ぐには、朝晩だけでなく日中も保湿を意識する。
5.夏場、肌が乾燥する原因はエアコン以外にもたくさんある。
肌が乾燥すると皮脂が過剰分泌して肌がベタつく、余分な皮脂が古い角質と混ざって角栓詰まりを招く、毛穴が開くなど、さまざまなトラブルを引き起こします。
乾燥肌を防ぐには、とにかく保湿することが重要です。しっかり保湿をしてエアコンから肌を守り、暑い夏も快適に過ごしましょう。