乾燥肌はクレンジングの選び方が間違っているから?
クレンジングの選び方で、乾燥肌の改善が期待できます
「毎日スキンケアをしっかりしているのに」
「高級な化粧品を使って保湿ケアを丁寧にしているのに」
努力していても、なかなか改善できない乾燥肌に悩んでいませんか?
空気が乾燥している秋や冬だけでなく、夏でもお肌がカサカサ粉をふいたように荒れていませんか?スキンケアが間違っているのでは、と心配になりますよね。
こうした乾燥肌の悩みは年間を通して、とても多い肌トラブルの一つです。
乾燥肌の改善策で最初に思い付くのは、洗顔後の保湿ケアでしょう。化粧水と美容液、クリームや乳液を使って念入りにケアしても全く改善しない。そういった人は、クレンジングを見直してみませんか。
毎日、なんとなくクレンジングを行っている人もいるでしょう。しかしクレンジング剤の選び方一つで、お肌はよくも悪くもなるのです。
もともとよい状態であっても、間違ったクレンジング剤選びで、お肌があっという間に乾燥することもあります。
クレンジングでしっかりメイク汚れがオフできていなければ、いくら高級な化粧品を使って保湿ケアをしたとしても、それはすべてムダになってしまいます。
お肌の汚れをすべて落とし切ってからこそ、化粧水や美容液はお肌の奥まで浸透し美容成分が作用するのです。
今回は、クレンジング剤の選び方や正しいクレンジングを紹介しましょう。
乾燥肌を予防、改善するクレンジングの選び方
お肌が乾燥するとカサカサしたり、かゆくなったりします。その理由はお肌の水分が不足しているからです。
そもそもお肌には保湿成分をつくる力が備わっています。皮膚は、表皮・真皮・皮下組織の3層からできています。
表皮は4層に分かれていて、もっとも表面にあるのが角質層です。
角質層内にある細胞間脂質や天然保湿因子(NMF)が水分を保持し、汗と皮脂が混ざりあった皮脂膜がお肌の表面の膜となって水分の蒸発を防ぎます。これらをお肌のバリア機能といいます。
お肌にもともと存在する天然の保湿成分が十分にあれば、バリア機能を保つことができます。乾燥や肌荒れなどの肌トラブルは生じません。
しかし間違ったスキンケア、紫外線のダメージ、加齢などによってバリア機能は低下します。
お肌の乾燥を防ぐためには、肌本来の保湿成分を壊さないことです。そのためには毎日のスキンケアを正しい方法で行うことが重要です。
クレンジングに入っている成分
メイクアイテムを購入する時は下調べをしっかりとするのに、クレンジングには無関心、という人も多いのではないでしょうか。メイクアイテム同様、クレンジング剤選びはとても重要です。
メイク用品には多くの油分が含まれています。それを落とすのがクレンジング剤の役割です。
クレンジングが不足するとお肌に残った油分が酸化して、過酸化脂質となります。
油分が酸素に触れて過酸化脂質に変化すると、シミやくすみの原因となりお肌の老化を一気に進行させます。
しかしクレンジングではただメイクを落とせばよいというわけではありません。油分が多いメイク用品を落とすクレンジング剤は、スキンケアの工程の中で、もっともお肌への負担が大きいともいわれています。
乾燥肌で悩んでいても、毎日のメイクは欠かさないという人も多いでしょう。しっかりメイクでボロボロの乾燥肌を隠そうとしていませんか。
カバー力の強いファンデーションや下地は、簡単に落としきれません。
クレンジング剤にはこの油分を落とすために、界面活性剤という成分が配合されています。その成分の配合量でクレンジング力の強弱が変わってきます。
乾燥肌を予防、改善するクレンジング剤選びができるように、クレンジング剤に配合されている成分を説明していきましょう。
界面活性剤は、ほとんどのクレンジング剤に入っています。
メイク用品の原料は油性成分です。しかし水やお湯は油分と混ざり合わないのでメイクを洗い流すことができません。
そこで界面活性剤が必要になってくるのです。界面活性剤は、油分と水分とを乳化させて混ぜあわせる働きがあります。
クレンジング剤はその働きを利用してメイクを洗い流しているのです。
合成界面活性剤は、化学的に合成して作られたもので、界面活性剤より強い洗浄力を持っています。しかしその分、お肌へのダメージも大きいです。
ほとんどのクレンジング剤に配合されている界面活性剤は、クレンジングの際にしっかりと洗い流せば、お肌に残ることもなく刺激にもなりません。
しかし合成界面活性剤は、メイクの油分だけを落とすのではなく、お肌の角質層にある角質細胞や細胞間脂質のセラミドなども同時に洗い流してしまうのです。
合成界面活性剤によって角質層が傷つけられると、お肌のバリア機能が低下し、乾燥肌や肌荒れなどさまざまな肌トラブルを引き起こしてしまいます。
クレンジング剤を選ぶ際には、合成界面活性剤が大きなポイントになります。できるだけ合成界面活性剤が配合されていないもの、合成界面活性剤の配合量が少ないものを選ぶことをおすすめします。
商品パッケージの成分表示には、合成界面活性剤とは明記されていません。また合成界面活性剤にはたくさんの種類があります。
すべてを覚えるのは大変です。一部の合成界面活性剤を紹介しましょう。
(1)名前に「硫酸」がつく
- ラウリル硫酸ナトリウム
- ラウリル硫酸アンモニウム
- ラウレス硫酸ナトリウム
- パレス-3硫酸ナトリウム
- パレス-3硫酸アンモニウム
- ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩
(2)名前に「スルホン酸」がつく
- スルホン酸ナトリウム
- キシレンスルホン酸アンモニウム
(3)名前に「TEA」がつく
- ラウリル硫酸TEA
この3種類の合成界面活性剤はとくに洗浄力が強いため、毎日使うクレンジング剤にはおすすめできません。
(4)その他の合成界面活性剤
- ステアリン酸グリセリル
- ステアリン酸グリコール
- ステアリン酸PEG-150
- ココイルグリシンナトリウム
- ラウロイルグルタミン酸ナトリウム
- コカミドプロピルベタイン
- ジステアリン酸グリコール
- ラウリルグリコール酢酸ナトリウム
- マルチトールヒドロキシアルキル(C12,14)
などがあります。
乾燥肌はもちろん、敏感肌、荒れ性、もともとお肌が弱い人は、商品を購入する際にチェックしてみてください。
クレンジング剤には、お肌の負担となるさまざまな添加物が入っています。
メチルパラベン・エチルパラベン・エデト酸塩などの防腐剤、エタノール、香料などは、お肌に必要ではない添加物です。
敏感肌や乾燥肌などの人が、たくさんの添加物が入ったクレンジング剤を使用することで、刺激を感じることもあるでしょう。お肌がもともと弱い人であれば、できるだけ無添加のクレンジング剤をおすすめします。
クレンジング剤の種類
クレンジング剤には、オイル・ジェル・クリームなど、さまざまな種類があります。そのタイプによって洗浄力の強さ、お肌への負担の大きさが異なります。
一般的に、洗浄力の強い順は、シートタイプ→オイルタイプ→ジェルタイプ→クリームタイプ→ミルクタイプといわれています。
シートタイプはアルコールの配合量が多く、乾燥肌の人は刺激を感じる場合があります。拭き取る際に、強くお肌をこするとダメージを与えます。
洗浄力が強いクレンジング剤ほど、油分を落とす合成界面活性剤の配合量が多く、もちろんお肌へのダメージも大きくなります。
オイルタイプは、メイクが素早く落ちて、洗い上がりがスッキリします。そのため使っている人も多いでしょう。しかし合成界面活性剤の量がとても多く、毎日使いには向いていません。
また粘性が少ないので、クレンジングの際に摩擦が生じやすく、乾燥肌の人は使用を避けた方がよいでしょう。
ジェルタイプは、メイクとなじませる際の摩擦が少ないのでお肌への刺激は少ないでしょう。
クリームタイプは、クレンジング剤の中でも合成界面活性剤の配合量が比較的少なく、乾燥肌・敏感肌などでも安心して使用できます。適度な油分を含んでいるため肌摩擦も起きにくくお肌への負担も少なくなります。
ナチュラルメイクであれば、クリームクレンジングで十分にメイク汚れが落とし切れるでしょう。
ミルクタイプは、合成界面活性剤の配合量が少なく、またクリームタイプよりも油分が少ないのですすぎやすいでしょう。
クレンジング剤を選ぶ際には、必ず商品パッケージに記載されている成分表示を確認しましょう。
成分表示は、配合量が多い順に記載するのがルールになっています。合成界面活性剤やミネラルオイル(鉱物油)などお肌に負担のかかる成分が最初の方に記載されていないか、必ずチェックしましょう。
防腐剤や香料などは配合量が少ないため、成分表示の最後の方に記載されています。乾燥肌や敏感肌の人は、微量でも刺激を感じることがあるのでこれらの成分の有無も確認しましょう。
乾燥肌を予防、改善する正しいクレンジングの方法
お肌に優しいクレンジング剤選びが分かったら、次はお肌に優しいクレンジング方法をご紹介しましょう。
1.手を洗い、清潔な乾いた手にクレンジング剤を適量取ります。
2.皮脂量の多い額、鼻周り、フェイスラインのTゾーンからクレンジング剤を載せて、メイクとなじませるように優しく伸ばしていきます。次に両方の頬にクレンジング剤を載せてメイクとなじませます。
3.最後に皮膚の薄い目元、口元にクレンジング剤を載せて落としていきます。
4.すすぎは、30℃前後のぬるま湯で洗い流します。高温のお湯はお肌に必要な皮脂までも流してしまいます。
クレンジング後は、洗顔料でしっかりと洗顔をしましょう。洗顔料も合成界面活性剤、防腐剤、香料などが入っていないシンプルなものがおすすめです。
洗顔後はすぐに保湿ケアを行いましょう。
クレンジングは短時間で終わらせるのがポイントです。目安は約1分です。
時間をかけるほど、お肌へのダメージが大きくなります。
汚れをしっかりと落としたいからとゴシゴシとこすり洗いをするのはやめましょう。摩擦でお肌を傷つけてしまい、ますます乾燥肌をひどくしてしまいます。
(まとめ)クレンジング剤選びを工夫すれば、お肌への負担を軽くすることができます
2.クレンジング剤の種類
3.乾燥肌を予防、改善するクレンジング剤の選び方
スキンケアの中でもお肌への負担がもっとも大きいクレンジングは、クレンジング剤の選び方一つで、お肌への負担を軽減することができます。乾燥肌で悩んでいる人は、成分表示をチェックしてから購入しましょう。