お酒がお肌の水分を奪うって本当?
お酒が体内で分解されるときに水分を奪うため、乾燥肌を招く可能性があります
仕事や人間関係などからの日々のストレスを、お酒を飲むことで解消する、という人も多いのではないでしょうか。晩酌や気の置けない仲間との酒席が楽しみという人もいるでしょう。
ストレスをため込むと、心も身体もうまく働かなくなり、さらにストレスを抱えてしまい悪循環です。そのストレス発散のためにお酒を飲むことは、決して悪いことではありません。
しかし休前日に翌朝までひたすら飲み続けているというような限度を超した飲み方は、逆に心にも体にもよくありません。そうした過度の飲酒の翌日は、ひどい頭痛・吐き気・体がだるいといった二日酔いと同時に、お肌の調子にもあらわれることがあります。
お酒を飲み過ぎると、内臓にダメージを与えてしまいます。そして臓器はお肌の機能と関与しているので、内臓が弱ってくるとお肌へも影響が及ぶのです。
また過度の飲酒は、アルコールを分解するため、体内の水分を多く消費します。するとお肌の水分も失われ、乾燥・ニキビなどの炎症・変色・お肌の老化などを招きます。
今回は、アルコールがお肌にどのような影響を及ぼすのか、また飲酒後のお手入れ方法、上手なお酒の飲み方などを紹介します。
飲酒は適量を心掛け、美肌を取り戻しましょう
適度な飲酒の量とは、一般的に女性であれば1日ビール250ml(中びん1/2本)、ワインであれば100ml程度です。それ以上飲むと、翌日にはお肌になんらかの影響が出てしまうということです。
しかしお酒の適度な量は人によって異なり、もっと少量の人、あるいは全く受け付けない人もいます。お酒は体内に入ると肝臓でアセトアルデヒドという物質に分解されます。
この物質が頭痛や吐き気などの不快な症状をもたらします。アセトアルデヒドを分解してくれるのがALDH2(アルデヒド脱水素酵素2)という物質です。
日本人の約4%は、ALDH2の活性が全くない「不活性型」で、いわゆるお酒が飲めない体質です。ALDH2の活性は遺伝性によるもので、生まれ持ったものです。
また日本人の約40%はALDH2の活性が弱い「低活性型」で、こちらはお酒に弱い体質です。どちらもムリな飲酒をすると、気分が悪くなってしまいます。
自分の体質を知り、適量を自分のペースで飲むことや、ムリせず全く飲まないという選択も大切です。
過剰な飲酒によるお肌への影響
適度なお酒の量は、遺伝性によるものが大きいのですが、その他にも体重の重い人よりも軽い人、男性よりも女性の方がお酒に弱いといわれています。
過度の飲酒は、お肌への影響だけでなく、アルコール依存症や肝臓障害を起こす可能性も高いので、自分の体質に合った適度な量を知ることがもっとも重要です。
ではお酒がお肌に与える影響を説明していきましょう。
お酒を大量に飲むと、翌朝にはカラカラにのどが渇いていることがあります。これは、体内でアルコールが分解される時に、水分が必要だからです。
またアルコールには利尿作用があるため、体内は脱水症状になっているのです。
体内の水分が失われれば、同時にお肌の潤いも奪われ、乾燥肌を招いてしまいます。さらにこれが重なると、長年の乾燥のダメージで、シワが多く目立ち年齢以上に老け顔に見られることもあります。
お酒を飲むと顔が赤くなる人がいます。それはアルコールにより細胞組織に炎症が起きることで、ヒスタミンなどの物質を放出されて顔が赤くなり、ほてってくるのです。
過度な飲酒を毎日繰り返していると、お酒を飲んでいない時でもこの赤みが消えずに残ったままになってしまいます。するといつも顔が赤くなっている状態になってしまうのです。
お酒にもさまざまな種類がありますが、中でもビールや日本酒、甘いカクテル、梅酒などは糖分を多く含んでいます。糖分を過剰に摂取すると皮脂が過剰に分泌されるため、毛穴が詰まりニキビや吹き出物ができます。
またお酒が体内に入ると、アルコールを分解するためにビタミンB群が大量に消耗されます。ビタミンB群はお肌の代謝を促す働きもあるため、不足が起きるような多量の飲酒は、ニキビや吹き出物を招くことになるのです。
お酒を飲んでいると、寝る時間も遅くなり睡眠時間が短くなります。また睡眠中もアルコールを分解するために、体内の器官が休むこともなく活動しています。
そのため深い眠りができず、睡眠の質が低下してクマができやすくなるのです。
美肌をつくる成長ホルモンは睡眠中の深い眠りの際にもっとも分泌され、お肌の新陳代謝といわれるターンオーバーをうながします。
しかしお酒を飲み過ぎると睡眠の質が低下し、深く眠ることができません。そのためターンオーバーが乱れ、お肌は新しい細胞に生まれ変わることができなくなり、さまざまな肌トラブルを招いてしまいます。
お肌にダメージを与えないお酒の上手な飲み方
適度なお酒は血行を促すので、美しいお肌をつくるためにはよいともいわれています。ただお酒の量や、お酒の種類、飲み方などに気をつけなければすぐに肌トラブルを引き起こします。
お肌にダメージを与えないお酒の上手な飲み方を紹介します。
お酒はその種類によって、お肌へ与える影響も違います。お肌への影響が少ないお酒を選ぶなら、醸造酒よりも蒸留酒がよいでしょう。
水やお湯で割って薄めることで、アルコール濃度を下げることができます。
蒸留酒には、
- ウイスキー
- ブランデー
- ウオッカ
- ジン
- ライム
- テキーラ
- 焼酎
などがあります。
蒸留酒とは、不純物が取り除かれたアルコール度数の高い飲み物です。糖質もほとんど抜かれているため、蒸留酒に含まれている糖質はほとんどがゼロに近くなっています。
また蒸留酒はアルコールが体内で分解されるのが早いともいわれています。そのことからもお肌に与える影響が少ないお酒としておすすめします。
一方の醸造酒には、
- ビール
- 日本酒
- ワイン
などがあります。
醸造酒は米やぶどう、デンプンなどの原料を糖化してアルコール発酵させて作ります。そのため糖質を多く含んでいます。
ダイエットや糖質制限をしている人も醸造酒は控えたほうがよいでしょう。
お酒を飲む時は、お水も一緒にとるようにしましょう。体内でアルコールを分解するためには、大量の水分を消費するので、何もしないとアルコールには利尿作用もあり、体は脱水症状になってしまいます。
体内が脱水症状になるとお肌の潤いを失い乾燥肌を招きます。お酒を飲む時はお水を一緒に飲むようにしましょう。
お水を飲むことで、体内のアルコール濃度を緩和でき、二日酔いを防ぐ作用も期待できます。またお酒の飲み過ぎ防止にもなります。
お酒のおつまみは、つい辛いものや味の濃いものを選びがちですが、揚げ物や塩分の高いものは避けましょう。
おすすめのおつまみは、
- 枝豆
- ナッツ類
- 温野菜
- サラダ
- 湯豆腐
- お鍋
などです。
またお肌の代謝をうながすビタミンB群は、お酒を飲むと大量に消費されてしまいます。そのためお酒と一緒にビタミンB群を多く含む食べ物を摂るとよいでしょう。
ビタミンB1を多く含む食品には
- 豚肉
- ウナギ
- 玄米
などがあります。
アルコールが体内から抜ける時間は年齢によって異なります。20歳の場合はアルコールが体内に残っているのは3時間程度ですが、40歳になると33時間にもなるといわれています。
20歳の若い時なら翌日にはアルコールが抜けていますが、40歳の場合は日曜日に飲んだお酒が火曜日まで残っているということになります。
そのことからも毎日飲んでいる人は週2〜3回に頻度を減らす、またはお酒の量を減らすことが美肌をつくるためには大切です。
美肌をつくる成長ホルモンは深い睡眠時に大量に分泌されるので、十分な睡眠が必要です。しかし寝る直前までお酒を飲んでいると、分解のために体が休まらず、質のよい睡眠が得られません。
すると美肌のために成長ホルモンの分泌が不十分なものとなってしまいます。
また年齢が高くなるにつれアルコールの分解される時間も長くなります。寝る前の2〜3時間からは、お酒を飲むのを控えるようにしましょう。
お酒を飲んだ後の水分を失ったお肌のケア方法
おすすめは、一度沸騰させたお湯を冷ました白湯を飲むことです。白湯は体内に吸収されやすく、また体内の老廃物を排出しやすくします。
その結果として血行もよくなり代謝がアップします。
一晩メイクを落とさないと10日老けるとも言われています。大量のお酒を飲んで酔っ払って帰宅しても、メイクは必ず落としてから就寝するようにしましょう。
眠くて面倒という人は、拭き取るシートタイプがおすすめです。保湿力の高い商品を選びましょう。
お酒を飲んだ後は水分が大量に失われているので、クレンジング、洗顔後は、しっかりと保湿ケアを行います。たっぷりの化粧水でお肌の水分補給をし、乳液やクリームで蒸発を防ぎます。
お酒を飲んだ翌日のスキンケアも丁寧に行い、しっかりお肌を整えるようにしましょう。
お酒をたくさん飲んだ翌日は、顔がパンパンにむくんでしまうことがあります。
とくに目元のむくみがひどくなりがちです。温かいタオルと冷たいタオルを交互に目元に当てると徐々にむくみが解消されるので試してみてください。
(まとめ)お酒の飲み方によって、お肌は美しくなります
2.お肌にダメージを与えないお酒の上手な飲み方
3.お酒を飲んだ後の水分を失ったお肌のケア方法
お酒は、自分の体質にあった適度な量と飲み方をすれば、体によい影響を与えます。しかし一歩間違えてしまうと、肌トラブルだけでなく体調を崩すことにもつながります。
過度な飲酒は身体にもお肌にもよくありません。飲んだ後のお肌のお手入れにも気を使いながら、飲み過ぎには注意して適量を楽しく飲むようにしましょう。