弱アルカリ性で洗顔するのはお肌によい?

弱アルカリ性で洗顔するのはお肌によい?

弱アルカリ性の石けんで洗顔するとお肌がキレイになります

洗顔はほとんどの人が毎日行うスキンケアです。一日の皮脂汚れや古い角質、空気中のホコリや雑菌などの汚れを取り除き、お肌を清潔に保つために行うものです。

洗顔を怠ると、お肌に付着した雑菌が繁殖してニキビや肌荒れなどを引き起こします。また皮脂汚れは空気に触れると酸化し、毛穴の黒ずみやお肌のくすみなどを生じます。

美しいお肌を目指すためには、お肌にあった洗顔料を使い、正しい洗顔方法でその日の汚れをその日のうちに取り除くことが大切です。

そこで質問ですが、洗顔料はどんなタイプを使っていますか?

健康な人のお肌はもともと弱酸性とされています。弱酸性の状態を維持することで菌の侵入を防ぎ、外部の刺激からお肌を守ることができます。

しかし、弱酸性の洗顔料を使うのがよいのか…?というとそうでもありません。

美肌の湯、美人の湯などといわれる全国の温泉のお湯は、多くが弱アルカリ性です。このことから美肌は弱酸性よりも、弱アルカリ性の方が美肌には深く関係しているようです。

今回は美肌をつくるための洗顔と弱アルカリ性について説明していきます。

美肌づくりには弱アルカリ性がよい理由とは?

美肌づくりには弱アルカリ性がよい理由とは?
健康な人のお肌は、pH(ペーハー)値が弱酸性といわれています。そもそもこの弱酸性とはどういった意味があるのでしょうか?

pH値とは?

水素イオン濃度指数を表しています。測定した物質が酸性またはアルカリ性であるかを指数にしています。pH値の度合いは0〜14に分けられています。真ん中のpH7を中性、それよりも数値が低くなると酸性が強くなることを表しています。

逆にpH7よりも高くなるとアルカリ性が強いということになります。皮膚のpH値は、皮膚表面を薄く覆っている皮脂膜のpH値を表しています。

皮脂膜は、皮脂腺から分泌された皮脂と、汗腺から分泌された汗が混ざり合ったもので、天然のクリームとしてお肌を弱酸性に保つ働きがあります。健康なお肌のpH値は、4.5〜6.0の弱酸性です。

これを基準に脂性肌ではpH値が4.5程度と酸性寄りに、乾燥肌は6.0とアルカリ性に近くなりやすいのです。

お肌を弱酸性に保つ皮脂膜とは?

お肌を弱酸性に保つ皮脂膜とは?
健康なお肌は弱酸性ですが、このpHバランスが崩れると乾燥や肌荒れ、ニキビや炎症などのトラブルを引き起こす原因になります。

弱酸性のお肌は、皮膚表面に薄くおおっている皮脂膜が天然のクリームとなってお肌を保護しています。
皮脂膜の具体的な機能は、

  • 水分の蒸発を防ぐ
  • お肌を弱酸性に保ち、外部の刺激や雑菌の繁殖を防ぐ
  • アルカリ中和能を持ち、アルカリ性物質からの刺激を防ぐ
  • 紫外線からのダメージを防ぐ など

お肌のバリア機能として大切な働きを持っています。例えば、皮脂腺の多いTゾーンにシミが出にくいのは、皮脂の分泌が多く皮脂膜が紫外線から守ってくれているからです。

逆に頬やこめかみにシミができやすいのは皮脂分泌が少ないからということなのです。皮脂膜のバリア機能は、pH値が弱酸性に保たれていることで、その働きを最大限に活かせるのです。

皮脂膜が弱酸性であれば、お肌のトラブルを引き起こすアクネ菌や黄色ブドウ球菌などの細菌が増殖しにくくなります。また、弱酸性の健康なお肌は、アルカリ性の洗顔料が皮膚表面に触れたとしても、アルカリ性を中和する力があるので数時間もすれば、もとのpH値である弱酸性に戻ってきます。

この力をアルカリ中和能といいます。

お肌を弱酸性に戻すアルカリ中和能とは?

お肌を弱酸性に戻すアルカリ中和能とは?
健康なお肌にアルカリ性の物質がついても、アルカリ性を中和して元の弱酸性に戻す力をアルカリ中和能といいます。皮膚本来が持っている回復力ともいえるでしょう。

健康なお肌は弱酸性なので、弱酸性の洗顔料やボディソープで洗浄したほうがお肌に負担をかけずに優しく洗えると思われがちです。多くの市販品でも弱酸性をポイントにしている商品はあります。

しかし…弱酸性の洗顔料は、メイク汚れや酸化した皮脂などは洗い流すことができるのですが、古い角質や毛穴に詰まった汚れを取り除くことが難しいといわれています。洗顔料はアルカリ性でなければ、お肌に付着した汚れを落とせないのです。

たしかに多くの市販品の洗顔料やボディソープなどはアルカリ性が多いのです。アルカリ性の洗顔料で洗顔をすると皮膚はアルカリ性に傾いてしまいますが、アルカリ中和能によって皮膚は元の弱酸性に戻ります。

そのためお肌がトラブルを引き起こすことがほとんどないのです。これが、アルカリ中和能が発揮される場面といえます。

しかし、

  • アトピー性皮膚炎
  • ニキビ
  • 湿疹
  • 洗顔 など

頻繁な人のお肌はアルカリ中和能が低下しているため、弱酸性に回復する時間が通常の2倍ほどかかるといわれています…。

また、ある程度の回復力があっても、アルカリ性に傾いたままになってしまうと肌荒れしやすくなります。水仕事が多いと手荒れがひどくなるのは、このことが原因です。

アルカリ性の洗顔料で洗顔後は、pH値が弱酸性に戻る途中、pH6〜8前後を通過します。このあたりの数値がニキビの原因となるアクネ菌やブドウ球菌が繁殖しやすい環境とされています。

そのため洗顔後は、時間を置かずにすぐ保湿ケアを行うことが大切です。その際は酸性度の高い化粧品を使用して、pH6〜8前後を素早く通過することで、細菌の繁殖を防げます。

とくに乾燥肌ではpH値が6前後のため、洗顔後でなくても雑菌が繁殖しやすい環境があります。普段からお手入れを念入りに行い、お肌のトラブルを回避しましょう。

正しい洗顔方法

正しい洗顔方法
お肌が洗顔料によってアルカリ性に傾いても、酸性に戻す力があればお肌は健康な状態を維持できます。お肌の回復力を高めるためには、正しい洗顔方法がとても重要です。

皮膚を守っている皮脂膜は、常に汗と皮脂が1対3の割合で作られています。洗顔ではこの皮脂膜を洗い流すことによって、清潔なお肌が維持できるのです。

弱アルカリ性の洗顔料を使うことで、毛穴が開き、たっぷりの泡がお肌についた古い角質や毛穴に詰まった汚れ、皮脂や汗を包み込み、浮かせて落とします。

洗う際には、たっぷりの泡をお肌とのクッションにして優しくいたわるように洗うことが大切です。ゴシゴシとお肌を強い力でこすると皮脂膜はもとより、お肌に必要な角質までもはがしてしまい、乾燥肌などのトラブルを引き起こしてしまいます。

また、どのようなタイプの洗顔料であっても、しっかりと泡立てることは重要です。たっぷりのキメ細やかな泡は表面積が大きく、大きな泡よりもお肌の汚れを吸着する力が高くなります。

洗顔料をたっぷりと泡立てることで、すすぎ時の泡切れもよくなります。そのため洗顔料がお肌に残る心配もなく、すすぎ残しが原因による肌荒れなどのトラブルもなくなります。

正しい洗顔の手順です。

  1. 洗顔前に、石けんを使ってしっかり手を洗います。雑菌がついた手で洗顔をすると、余計にお肌が汚れてしまいます。また泡立ちもよくなりません。
  2. ぬるま湯で顔を流します。乾いたお肌に洗顔料を載せると、せっかく泡立てたたっぷりの泡がつぶれやすくなります。
  3. 洗顔料を泡立てます。泡立ての目安は、手を逆さにしても落ちないくらいの濃密な泡です。泡立てるのが苦手という人は、差し水を繰り返しながら泡立ててみましょう。その際、空気を巻き込むようにすると、キメの細かい弾力のある泡がたっぷりと作れます。泡立て用のネットを使うのもよいでしょう。時短にもなりますし、誰でも手軽にたっぷりの泡を作ることができます。
  4. お肌の上にたっぷりの泡を載せて、泡を転がすイメージで顔全体を洗っていきます。皮脂の多い鼻の周り、ひたいなどのTゾーン、フェイスラインは、指の腹を使って丁寧に汚れを落としていきます。
  5. ぬるま湯ですすぎ残しがないようにしっかりと流します。髪の生え際・小鼻・フェイスラインは、すすぎ残しが多い部分です。意識して流していきましょう。
  6. 清潔な柔らかいタオルをお肌に軽く押し当てるようにして水分を拭き取ります。お肌をゴシゴシとこすらずに、優しく水分を吸い取りましょう。
  7. 洗顔後は、お肌がアルカリ性の状態になっています。すぐに保湿ケアを行います。

化粧水は弱酸性が多いので、洗顔後すぐにお肌につけることでお肌はアルカリ性から元の弱酸性に戻ります。

化粧水のつけ方は、片手にたっぷりと化粧水を載せたらすぐにもう片方の手で、素早くお肌になじませていきます。手の平は顔のお肌よりも厚いので、素早くお手入れをしないと化粧水が手のひらに浸透してしまいます。

洗顔料の選び方

洗顔料の選び方
健康で美しいお肌をつくるためには、洗顔料選びも大切です。これまでなんとなく選んでいた人も見直してみましょう。

お肌と同じ弱酸性の洗顔料は、お肌への刺激は少ないのですが、お肌が弱酸性のままでは、古い角質、つまり垢が落とし切れません。古い角質がお肌に残ってしまうとターンオーバーが乱れる原因になります。

お肌の新陳代謝といわれるターンオーバーは、約28日間のサイクルでお肌の奥で再生された細胞が皮膚表面へと押し上げられ、垢として自然にはがれていきます。

自然にはがれなかった垢は、洗顔でも落とし切れないと次第にお肌に蓄積されていきます。そうするとターンオーバーの周期は乱れ、お肌はさまざまなトラブルを引き起こし、さらにはお肌の老化を早めることにもなります。

このような古い角質もすっきり落とし切るためには、弱アルカリ性の洗顔料がよいのです。中でも天然成分由来の固形の石けんがおすすめです。

洗い上がりもさっぱりとし、どのような肌質でも安心して使用できます。弱アルカリ性の石けんで洗顔しても、洗顔後にしっかりとすすぎ洗いをすることで中性のpH7.2程度まですぐに戻ります。

その後は自然の力であるアルカリ中和能により、弱酸性に戻るので心配ありません。

(まとめ)弱アルカリ性の石けんで洗顔して、健康なお肌を目指しましょう

1.お肌を弱酸性に保つ皮脂膜とは
2.お肌を弱酸性に戻すアルカリ中和能
3.正しい洗顔方法
4.洗顔料の選び方

お肌はもともと弱酸性ですが、弱アルカリ性の石けんを使って洗顔をすることでお肌に付着した古い角質や皮脂汚れなどをさっぱりと除去し、清潔な状態に維持できます。洗顔後は肌本来が持つ力で、弱酸性へと回復します。

健康なお肌のためにも、またお肌トラブルを防ぐためにも、自然の力と正しい洗顔方法で美肌作りを目指しましょう。

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