毛穴の詰まりと肌荒れは関係があるの?
肌荒れが原因で、毛穴の詰まりが起きてしまいます
健康な肌では、正常なターンオーバーにより表面から角質が毎日徐々にはがれ落ち、肌の奥のほうでは新しい細胞が作られています。
このプロセスが繰り返されることで健康な肌が保たれています。
一方、正常なターンオーバーが行われていない肌はうまく角質がはがれ落ちないため、肌に残ってしまったり、新しい肌が出来上がらず不完全な状態のままはがれてしまったりします。
そのため肌荒れを起こしている肌は粉が吹いたように見えるのです。
また健康な角質は、必要な分解酵素を備えておりきれいにはがれますが、肌荒れしている肌ではその酵素が不足しているため、いつまでも残ってしまいます。
こうして肌に残ってしまった角質は毛穴詰まりの原因になります。
毛穴は皮脂を外に排出する場所なので、残った角質と皮脂が混ざり合い、かたまりになったものが角栓です。
毛穴の柔軟性がなくなり伸縮しないため、皮脂や角質の排出がうまくできないことも毛穴詰まりの原因のひとつです。
健康な肌は柔らかく、角質や皮脂を排出しやすくなっています。
毛穴の詰まりでできた角栓を自分で取り除くのはNG
角栓を自分で取り除くと、肌荒れはさらに悪化します。
ムリにはがし取ることで一時的にきれいになることもあるかもしれません。
でも毛穴の表面にある本来必要な角質まで奪われてしまい乾燥を招きます。
肌を守ろうとバリアを張るため、応急処置として皮脂が分泌されます。
毛穴がぱっくり開いたままになり、そこに汚れがたまっていきます。
このようにまた、角栓ができやすい状態になってしまいます。
そのためまた角栓を除去する…という悪循環になります。
しかし本来は、自然に取れるのがもっともよいことなので、意識的に取り除くのは絶対にやめましょう。
取り除かずとも毎日の新陳代謝で、徐々に取れています。
ですから角栓を取り除くのではなく、正常なターンオーバーによって角質が自然にはがれ落ちるように、健康的な肌を保つことが大切です。
角栓ができる最大の原因として、洗浄力の強過ぎるクレンジング剤が挙げられます。
とくにクレンジングオイルは角栓にとってもっともよくないスキンケアアイテムです。
クレンジングオイルは、その強い洗浄力で、肌の表面にある角質もまとめてはがれやすくなってしまいます。
必要な皮脂や肌の成分までも奪ってしまい、乾燥を招きます。
このことにより、肌がダメージを受けて角質がたくさんできます。
そして結局は新しい角栓ができてしまうのです。
これを繰り返すことで毛穴はさらにダメージを受けて肌トラブルを起こしやすくなります。
ですから肌に優しいクレンジングクリームやミルクを使いましょう。
クレンジング後のダブル洗顔もNGです。
ダブル洗顔をすると、必要な皮脂まですべて落としてしまうので黒ずみの原因にもなってしまいます。
洗顔も同様です。
洗顔で角栓を取り除こうとせず、肌に負担をかけないようにしましょう。
角栓の成分はおもにタンパク質なので、洗顔料だけでは落とせません。
洗顔で角栓がとれたというのは、指で強くこすり過ぎている可能性があります。
洗顔は、汗や汚れなどの皮脂をしっかり洗い流すことが目的です。
優しい泡で包んでからさっと洗い流しましょう。
洗顔料もできるだけ肌にダメージのないものを選んでください。
洗顔をしているとき、角栓は水を吸ってふくらんで白くなった状態で毛穴から飛び出します。
このとき角質をケアする洗顔料を使って顔を洗えば、この飛び出している角栓を取ることができます。
ただし一時的にきれいになったように見えても、すぐにまた同様の白い角栓が出てきて、これを繰り返すと毛穴のトラブルが進行してしまいます。
ですから飛び出しているのが見えても取らずにそのままにしておきましょう。
クレンジング・洗顔ときたら、あとは保湿です。
保湿も気を抜かずしっかり行うことが大切です。
毛穴が詰まっている人は皮脂の分泌が活発なため、保湿を怠りがちです。
でも表面には皮脂が出ていても肌の奥の方では乾燥が進んでいます。
つまりインナードライと呼ばれる状態になっているのです。
化粧水で保湿をするときは、温かい手で肌の奥の角質層まで押し込むようにして優しくなじませましょう。
冷水パッティングは、一時的に毛穴を締めますが、時間がたつとまた開いてしまいます。
皮脂の分泌が多くなってしまうのは、乾燥した状態の肌を守るため、バリアを張ろうとしているものです。
しかしきちんと保湿をすれば、皮脂の過剰分泌が少しずつ解消されていきます。
油分が少なく保湿効果の高い化粧水を選ぶなど工夫をして、保湿をしっかり行いましょう。
肌荒れを引き起こす毛穴の詰まりは、炭酸水でオフすることもできます。
使うのは、砂糖が入っていない炭酸水です。
洗顔料を炭酸水で泡立てると、とてもよく泡立つので試してみてください。
洗顔をした後、コットンに炭酸水を浸してパックをするのもいいでしょう。
クレンジングや洗顔で取り残した汚れも、このパックで浮き出てくることもあります。
ただし毎日行うと肌を傷めるので、週に2~3回にとどめておくのがベストです。
鼻の周りは皮脂の分泌が多いので、比較的角栓ができやすいところです。
角栓はもともと白いものですが、酸化すると黒くなってしまいます。
酸化してしまった角栓は、周りの皮膚を刺激して活性酸素が発生します。
これが周りの皮膚にも影響を及ぼして黒ずみなどの原因にもなってしまいます。
こうした黒ずみを予防するためには、まずファストフードやスナック菓子、さらにインスタント食品や揚げ物といった油分を多く含む食事を控えることです。
血液中の脂肪や糖質が増加して皮脂を過剰分泌します。
皮脂が過剰に出てくると毛穴は開いて皮脂汚れがたまってしまいます。
また早食いをせず30回以上よく噛んで食べるようにしたり、アルコールを控えたりすることも必要です。
ビタミンCを含む食品を積極的に摂り、栄養バランスのよい食事を心掛けるようにしましょう。
乱れた食生活を改善すれば、乾燥や肌荒れ、毛穴の詰まりなどの肌トラブルも解消されやすくなります。
栄養素としては、まず豚レバーや牛レバー・鶏レバー・納豆・卵などに多く含まれるビタミンB2がおすすめです。
これは肌の代謝を促進して肌荒れを解消してくれます。
さらにマグロ・カツオ・サンマ・バナナ・サツマイモ・赤ピーマンなどに多く含まれるビタミンB6は、肌の代謝を活発にして肌に潤いを与えると言われています。
またビタミンEが豊富に含まれるナッツ類やアボカドなどは、抗酸化作用・新陳代謝・血行促進などに効果が期待できます。
毛穴に角質が詰まってしまっている状態になると、化粧品の成分が浸透しません。
ですから週に1回、角質を取るスペシャルケアをするといいでしょう。
やり過ぎると肌を傷めてしまうので気をつけましょう。
角質ケアの方法にはいろいろあります。
代表的なものには、リンゴ酸・乳酸やクエン酸などが配合されたピーリングジェルがあります。
また米ぬか・マイクロビーズやクレイなどが含まれたスクラブ洗顔もおすすめです。
さらに酵素洗顔は強力な角栓も落とせます。
試してみて、自分の肌に合っているものを週に1回続けてみましょう。
体質的に皮脂が多くて毛穴の詰まりが改善できないという場合は、美容クリニックで専門家の手に委ねるのもひとつの方法です。
クリニックでは、吸引して角栓を除去する方法があります。
これは、温かいスチームをあてて角栓を溶かすパックをして浮かせた後、細いガラス管で吸引する方法です。
吸引はとくに痛みがなく根元から吸い出すことができる方法です。
またレーザーによる角質除去という方法もあります。
これは、カーボンピーリングというものです。
これは、カーボンが入っているローションを肌に塗布して、そこにレーザーを当てるものです。
黒くなった部分に熱エネルギーが集中させるという方法で、古くなった角質を除去します。
クリニックでケミカルピーリングをしてもらう方法もあります。
市販されている薬剤よりも強いものを使って行うピーリングは、専門の医師の指導のもとで行うので安心です。
間違った毛穴ケアでは、肌トラブルのもとに
間違った毛穴ケアでまず挙げたいのが角栓パック。
角栓パックは強い粘着成分が使われており、肌からはがすときに皮膚の表面の層なども取ってしまう場合もあるので、敏感肌の人は肌トラブルを起こしてしまいます。
それから大きくなって目立ってきた毛穴の詰まりを毛抜きや爪などで引き抜くのもNGです。
とくに毛抜きは金属なので肌を傷つけてしまう危険性もあります。
爪で毛穴の周りに触れることで肌を傷つけ、爪の雑菌が毛穴に入って炎症を起こすこともあります。
さらに肌に繰り返し刺激を与えることで、防御反応により角質肥厚が起こる可能性もあります。
この角質肥厚でより大きな角栓ができてしまうこともあるので、爪や毛抜きで角栓を取ることは絶対にやめましょう。
他にも、スクラブが入った洗顔料で力を入れて顔を洗ったり、綿棒とオイルで押し出すように詰まりを取ったりするのもよくありません。
どれも、最初は解消されたかのように見えます。
しかし毛穴が詰まる原因を根本的に解決しなければ、またすぐに詰まってしまいます。
慌てて効果を求めず、じっくり時間とかけ肌に優しいやり方で、毛穴詰まりのない美肌を目指していきましょう。
(まとめ)健康的な肌を目指せば、自然に毛穴の詰まりや肌荒れが気にならなくなる
2.正常なターンオーバーで自然にはがれ落ちるのを待たなければ肌荒れの原因になる
3.毛穴が詰まってしまっても、正しいケア方法で時間をかけてきれいな毛穴を目指すのがベスト
肌が荒れていると毛穴が詰まり、その毛穴詰まりのため肌がさらに荒れる…という負のスパイラルにおちいってしまうと、理想の肌とは程遠くなってしまいます。
慌てて行う荒いスキンケアでは根本的な解消になりません。
きちんとした洗顔や保湿により、ターンオーバーを整えることが結果的に美肌への近道になるのです。